環境保全

ライフサイクル全体で環境負荷を把握し、それらを低減させる施策を展開しています。

  • 基本姿勢

    CO2排出量の削減、化学物質排出量の削減、廃棄物の管理・削減について、ライフサイクル全体で環境負荷を把握し、また、生物多様性に与える影響を社員全員が明確に認識して、環境負荷低減の施策を展開しています。

    企業行動規範

    2.地球環境との共生

    帝人グループは、持続的発展が可能な社会を希求し、地球環境との共生を図り、自然と生命を大切にする。

    調達から廃棄までのプロセスにおける環境負荷低減の取り組み

    環境負荷に関わる法規制や自治体との協定を遵守することはもちろん、さらなる環境負荷の低減を目指して、省エネルギーやさまざまな資源の効率的活用、化学物質の環境排出量削減、廃棄物の管理・削減、土壌・地下水の汚染防止、生物多様性の保全に取り組んでいます。

    2015年度帝人グループの環境INPUT・OUTPUT保証対象指標

    使用 回収 リサイクル 原料 製造加工 中間製品 製品 使用 廃棄

    ・エネルギーは省エネ法に基づく係数で算定。
    ・2015年度のスコープ1の排出量は86万tCO2、スコープ2の排出量は95万tCO2です。

    帝人グループの環境INPUT・OUTPUT(過去5年間の推移)

    INPUT
      2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
    エネルギー (ギガジュール) 34.3×106 31.0×106 30.0×106 26.9×106 28.3×106
    取扱化学物質 (万t) 127.2 125.8 103.0 78.7 65.4
    淡水使用量 (億t) 0.86 0.82 0.80 0.81 0.83
    海水使用量 (億t) 0.76 0.46 0.47 0.46 0.39
    OUTPUT
      2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
    CO2 (万t) 225 204 197 179 180
    化学物質 (t) 2,279 2,820 2,619 2,029 1,956
    非有効活用廃棄物 (t) 4,598 4,149 3,581 3,086 2,978
    総排水量 (億t) 1.54 1.21 1.20 1.16 1.11

    土壌・地下水汚染の防止

    帝人グループでは、2006年度に土壌・地下水汚染防止ガイドラインを制定しており、これに基づいて国内外の事業活動に関して使用している土地・地下水の汚染防止に努めています。

    2012年6月に施行された改正水質汚濁防止法に対して、国内各事業所にて適切な届出対応を行ったほか、瀬戸内地区の複合事業所においては、過去に調査した土壌調査のデータなどを集約し、土地活用に役立てています。

    ISO14001認証取得状況

    帝人グループは、環境に及ぼす影響を最小限にとどめる仕組みとして、環境マネジメントに関する国際規格ISO14001の認証取得を進めています。

    2016年3月末時点で、国内は39事業所・工場、海外は16事業所・工場の合計55事業所・工場が取得しており、認証取得を推奨する事業所・工場のうち、92%が認証取得しています。

  • 気候変動問題への取り組み

    生産における温室効果ガス排出量削減

    2012-2020年度目標

    グループ目標:
    CO2排出削減率(2011年度基準)を毎年1%以上改善
    国内目標:
    CO2排出量を2020年度までに1990年度比20%以上削減

    帝人グループは、国内外で生産における温室効果ガス排出量の削減に努めています。2015年度は、海外拠点での生産量の増加にともない、CO2排出量が2014年度比で1%増加しましたが、2012年からの4年間での削減率は20%(年平均5%)となっています。

    国内では、各事業でのエネルギーロス削減など省エネルギープロジェクトを積極的に推進したことにより、排出量は103万トン(2014年度比1%減)となりましたが、海外での排出量は77万トン(2014年度比2%増)となりました。

    生産における温室効果ガス排出量の推移保証対象指標

    <1990年度>(基準年) 国内:260万t 海外:90万t 合計:350万t <2007年度> 国内:196万t 海外:145万t 合計:341万t <2008年度> 国内:177万t 海外:148万t 合計:325万t <2009年度> 国内:152万t 海外:134万t 合計:286万t <2010年度> 国内:157万t 海外:100万t 合計:257万t <2011年度> 国内:132万t 海外:93万t 合計:225万t <2012年度> 国内:127万t 海外:77万t 合計:204万t 国内1990年度比51%減 国内目標「1990年度比20%以上削減」を達成! 2012年度海外温室効果ガス排出量 北米:1.9万t 欧州:28.6万t 中国:18.3万t 東南アジア:28.2万t 海外前年度比17%減

    • CO2以外に、メタン、一酸化二窒素を含む。
    • CO2排出量は地球温暖化対策推進法に基づく係数で算定(電力の排出係数は2014年度までは0.555kgCO2/kWh、2015年度は0.579kgCO2/kWh)。ただし、海外の購入電力について、固有の係数を把握できる場合は当該係数を用いて算定。

    業務用車両利用に伴うCO2排出量低減

    国内帝人グループでは、業務用車両の利用に伴うCO2排出量について、事業所ごとに自主的な削減目標を設定しています。共通する施策は、営業車両のエコカーへの切り替え、低燃費運転の推奨などであり、走行距離当たりのCO2排出量が減少するという成果が出ています。

    こうした取り組みの結果、2015年度の業務用車両利用に伴うCO2排出量は7,479トン保証対象指標(2014年度比1%減)となりました。

    物流分野におけるCO2排出量低減

    物流分野におけるCO2排出量は、2015年度は11,618 トンとなり、2014年度から1,284トン減少しました。これは、フィルム事業、原料重合事業における出荷量の減少および繊維事業における最寄港揚げの推進によるものです。ただし「CO2排出原単位を毎年1%以上改善」という年度目標に対しては1.6%悪化しました。これは、素材系事業における小口輸送比率の上昇、出荷先変更に伴う大型船の減少によるものです。一方基準となる千トンキロ当たり原単位(トンCO2/千トンキロ)は、2011年度を1とした指数では0.98となりました。
    2016年度は、まとめ輸送や海外輸入品の最寄港揚げの推進、鉄道貨物利用の推進によりCO2排出量の削減を推進します。

    物流分野におけるCO2排出量と原単位の推移保証対象指標

    <2007年度> CO2排出量:27576t 原単位指数:0.963% <2008年度> CO2排出量:21823t 原単位指数:0.93% <2009年度> CO2排出量:19260t 原単位指数:0.928% <2010年度> CO2排出量:18500t 原単位指数:0.887% <2011年度> CO2排出量:14216t 原単位指数:1.018% <2012年度> CO2排出量:13046t 原単位指数:1.024% 原単位指数(2006年度=1) 前年度比0.58%悪化

    • 物流におけるCO2排出量の集計範囲は、2013年度まではアラミド事業を除く帝人(株)、帝人デュポンフィルム(株)、帝人フロンティア(株)に統合した旧帝人ファイバー(株)のアパレル事業です。2014年度からは帝人(株)のアラミド事業、帝人ファーマ(株)および東邦テナックス(株)を追加し、2015年度から帝人コードレ(株)を追加しました。
    • 2014年度から一部車両の最大積載量と輸送トンキロ当たり燃料使用量を見直しました。

    オフィスにおけるCO2排出量削減

    大阪本社(自社ビル)、グループ会社の本社オフィス、営業所などでエネルギー使用の効率改善に取り組んでいます。特に、夏季・冬季の節電対策としては、オフィスの空調の適正化を呼びかけるだけでなく、快適な執務環境とするための服装(ドレスコード)にも留意する「帝人クールビズ・ウォームビズ」を展開しています。

    これらの活動を実施した結果、2015年度のCO2排出量は1.3万トン保証対象指標と2014年度並みの排出量となりました。

  • 化学物質排出量の削減

    化学物質の排出状況

    2012-2020年度目標

    グループ目標:
    2020年度までに1998年度比80%以上削減

    化管法第一種指定化学物質(462物質:2010年4月改訂)と日本化学工業協会が指定する化学物質(433物質)から重複指定を除いた575の化学物質を対象として、環境への排出量削減に取り組んでいます。

    2015年度の対象化学物質の環境排出量は1,956トンで、2014年度比4%減となり、国内は2014年度比4%減、海外では2014年度比3%減となりました。

    2015年度の環境排出量の内訳は、大気への排出が98.8%、水域への排出が1.2%となり、埋立ておよび土壌への排出はありませんでした。

    なお、揮発性有機化合物(VOC)の排出量は、1,932トンでした。(2014年度比4%減)

    • *
      化管法:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律。

    化学物質の排出量推移保証対象指標

    1998年度(基準年):8989t 2008年度:2883t 2009年度:2677t 2010年度:3026t 2011年度:2279t 2012年度:2820t 1998年度比69%減

    • 化管法第一種指定化学物質および日本化学工業協会指定化学物質を対象として、大気、水域、土壌への排出量および事業所内埋立量を集計。

    化学物質排出量上位10物質保証対象指標

    ジクロロメタン*(塩化メチレン):50.4% N,N-ジメチルホルムアミド*:14.6% メチルエチルケトン:10.8% アセトン:4.9% N-メチルピロリドン:3.3% キシレン*:2.8% テトラヒドロフラン:2.4% 無機シアン化合物*(錯塩およびシアン酸塩を除く。):2.1% プロピルアルコール:1.7% トルエン*:1.7% その他:5.3%

    • *
      赤文字は、化管法第一種指定化学物質。

     

    VOC排出量の推移

    VOC排出量の推移

    「環境影響リスク」の観点から的を絞った削減を推進

    生態系や環境への影響が大きい化学物質を重点的に管理・削減していくため、LIME2*を活用しています。LIME2によって、化学物質が人間の健康や生物多様性、農業・漁業・林業などに及ぼす影響を定量的に算出することができます。

    排出量が少なくても大きな影響を及ぼす化学物質があることから、排出量だけでなく「環境影響を考慮した削減目標」を策定しています。2015年度に帝人グループ全体で排出した化学物質の環境影響評価値(統合化係数)は、2013年度比3%減少、2014年度比で3%増加となりました。

    • *
      LIMEはLife-cycle Impact assessment Method based on Endpoint modelingの略。LIME2:日本版被害算定型環境影響評価手法第二版。国立研究開発法人 産業技術総合研究所が、国家プロジェクトとして開発したLCA(ライフサイクルアセスメント)手法。

    LIME2を使用した排出化学物質環境影響

    2005年度:100% 2020年度想定:最悪ケース(環境影響の低い物質で削減を実施した場合) 94.5% 実際の削減計画による見通し 12.5% 2005年度を100とした指数

    水使用と排水による負荷、大気への負荷

    帝人グループは、淡水(工業用水、地下水、上水道)と冷却用途を主とした海水を利用しており、グループ全体で、水使用と排水による負荷低減に取り組んでいます。2015年度は、海外拠点の生産量の増加にともない、淡水使用量は0.83億トンとなり、2014年度比で3%増加しましたが、海水使用量は0.39億トンとなり、2014年度比で16%減となりました。排水量は、帝人グループ全体で排出削減に取り組んだ結果、1.11億トンとなり、2014年度比で4%減となりました。

    また、排水に伴うCOD負荷量(化学的酸素要求量)とBOD負荷量(生物化学的酸素要求量)の総量は、595トン(2014年度比11%増)となりました。

    一方、2015年度の燃料使用に伴うSOx排出量は0.30万トン(2014年度比4%減)となりました。このうち海外での排出量は0.01万トン未満で、同時に発生したNOx排出量は0.21万トン(2014年度比3%増)となりました。

    水使用量・排水量の推移保証対象指標

    <2008年度> 水の使用量:0.97億t 総排出量:2.11億t <2009年度> 水の使用量:0.91億t 総排出量:1.96億t <2010年度> 水の使用量:0.87億t 総排出量:1.82億t <2011年度> 水の使用量:0.86億t 総排出量:1.54億t <2012年度> 水の使用量:0.82億t 前年度比5%減 総排出量:1.21億t <2013年度> 水の使用量:0.80億t 前年度比2%減 総排出量:1.20億t
前年度比1%減

    • 淡水使用量は工業用水、地下水、上水道の合計。
    • 排水量には冷却用海水を含む。

    COD、BOD負荷量推移保証対象指標

    2008年度:936t 2009年度:779t 2010年度:797t 2011年度:652t 2012年度:767t 2013年度:818t 前年度比7%増

    • 集計対象は河川、海域、湖沼に放流している排水。
    • COD、BODの両データが存在する場合は、COD値を採用。

    SOx排出量の推移保証対象指標

    2008年度:0.89% 2009年度:0.73% 2010年度:0.51% 2011年度:0.44% 2012年度:0.41% 2013年度:0.39% 前年度比4%減

    NOx排出量の推移

  • 廃棄物の管理・削減

    非有効活用廃棄物(単純焼却および埋立廃棄物量)の削減

    2020年度までの目標

    グループ目標:
    2020年度までに1998年度比85%以上削減

    廃棄物の発生量を削減するとともに、再使用およびマテリアル、ケミカル、サーマルなどのリサイクル処理への転換により、非有効活用廃棄物の削減に取り組んでいます。

    2015年度の非有効活用廃棄物量は、総排出量6.0万トンに対し0.30万トン、総排出量に占める割合は4.9%となりました。

    非有効活用廃棄物量の推移保証対象指標

    1998年度(基準年):46184t 2008年度:7780t 2009年度:6240t 2010年度:5691t 2011年度:4598t 2012年度:4149t 2013年度:3581t 1998年度比92%減グループ目標「1998年度比85%以上削減」を達成!

    • 2012年度は、上記4,149トンのほかに排水池浚渫に伴い汚泥が7,862トン発生し、外部埋立を実施。

    生産量原単位を指標にした改善活動

    非有効活用廃棄物を廃棄物総発生量の1%以下とすることをゼロエミッションと定義しています。

    国内では、年間500トン以上の廃棄物を排出する全ての事業所が、2011年度までにゼロエミッションを達成しており、2012年度からは、「総排出量を生産量原単位で毎年1%改善」という新たな目標を掲げました。

    2015年度は、主な素材系事業(高機能繊維、炭素繊維、樹脂、フィルム、原料重合)における生産量(重量)に対する廃棄物総排出量の割合が、基準年に対して4年間平均で9.2%改善となりました。今後もさらなる改善に向けた検討を進めます。

  • 生物多様性の保全

    生物多様性への基本的な考え方

    帝人グループは「経団連生物多様性宣言」の推進パートナーとして、その「行動指針」に沿った活動を展開しています。取り組みの基本的な考え方は次のとおりです。

    1. 環境経営の推進

    地球環境の維持・環境負荷の低減が「生物多様性」にとって決定的に重要であり、環境経営を積極的に推進する。

    2. 全員参加の活動

    社員一人ひとりの、「生物多様性」への理解と認識を高め、自主的な活動を支援する。

    3. 社会との連携

    地域社会との協力・地域リスクコミュニケーションを通して、地域の人と自然の関係を大切にする。

    生物多様性の保全

    「経団連生物多様性宣言」推進パートナーズに参加し、生物多様性の保全に積極的に取り組んでいます。

    事業活動を通じて排出される化学物質、温室効果ガス、廃棄物など、生物多様性に影響を与える要素を見える化した「事業活動による生物多様性喪失リスクと生物多様性保全の取り組みマップ」を作成しています。これにより、社員が事業活動による生物多様性への影響を明確に認識した上で、保全活動を展開できるようにしています。さらに各取り組みに関連する影響度合いの定量化について検討しています。

    事業活動による生物多様性喪失リスクと生物多様性保全の取り組みマップ

    使用、回収、リサイクル、原料、製造・加工、中間製品、製品、使用、廃棄の各段階で大気・水域・土壌への化学物質排出が行われることにより、生息地の喪失、外来生物種の導入、汚染、気候変動、過剰消費などによる生物多様性喪失のリスクが生じる。また原料から製造の段階での土地利用(工場建設など)時に物質の導入・除去、土地改良がおこなわれることによっても同様の生物多様性喪失のリスクが生じる。原料は石油化学資源、再生可能資源、エネルギー資源をグリーン調達し、製造・加工の現場では環境保全活動を実施し、使用、回収、リサイクル、製造・加工、中間製品、製品、使用、廃棄のサイクルの各段階において環境配慮設計に取り組んでいる。

    企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)モニタリングシートによる事業所の生物調査

    帝人 松山事業所および岩国事業所では、JBIBの「いきものモニタリングシート」を活用し、社員と外部専門家による生物調査を実施しており、各拠点における生物多様性の貢献度を確認しています。帝人 松山事業所においては、2015年5月、10人の社員と外部専門家により生物調査を実施しました。

    事業所内3ヵ所と近隣の緑地で鳥類や昆虫類を調査しました。その結果、数多くの生物が観察され、特に、4種のサギ類の繁殖コロニー、うぐいすのさえずり、クロスジギンヤンマの飛翔など、事業所としては生物多様性保全を図る上で高いポテンシャルを持っていることが分かりました。
    また事業所が60年という歴史を有し、敷地内の植栽群が15mを超えるような高木に発達しており、さらにその樹林は階層構造を持つ面的に広がりのあるものに成長した場所もあることも分かりました。

    クロマツのサギ類の繁殖コロニー

    社員によるいきもの調査の様子