中期経営計画2017-2019「ALWAYS EVOLVING」

帝人グループは、企業理念に基づき、社員の多様性を活かして社会が必要とする新たな価値を創造し続け、未来の社会を支える会社になることを目指しています。この長期ビジョンを実現するために、2017年度からの3年間における実行計画として、このたび中期経営計画2017-2019「ALWAYS EVOLVING」を策定しました。

この中期経営計画に基づき、成長戦略による基礎収益力のさらなる強化、発展戦略による新規コアビジネスの確立を推進するとともに、それを支える経営システム基盤の強化を図り、長期ビジョンの実現に向けて、グループ一丸となって邁進していきます。

長期ビジョン実現に向けて

(1)帝人グループは、「未来の社会を支える会社」として次のような姿を目指します。

  • 社会の抱える問題の解決に貢献する企業
    社会の抱える様々な問題と自社の持つ強みから、注力すべき重点領域を特定し、事業機会の取り込みを図り、また経営基盤の強化を図る。

【当社の注力すべき重点領域】

環境価値ソリューション モビリティの環境性能向上を促す「軽量化」素材による貢献
安心・安全・防災ソリューション 災害対策・社会インフラ整備に関わる安全性向上への貢献
少子高齢化・健康志向ソリューション 高齢化社会の進展、生活習慣病の増加に対応した健康維持・向上支援
  • 外部環境の変化を先取りして変革し続ける企業
    外部環境の不確実性が増す中、持続的成長の実現に向けて、後追いでなく自ら変革を起こす。
  • 常に新しい価値を創出し続ける企業
    社会の進化を加速させる製品・サービスを創出する。

(2)こうした姿を「たゆまぬ変革と挑戦」で追求するとともに、多様な価値観や働き方を活かせる環境から社会を支えるイノベーションを創出し、帝人グループにとっての事業機会を最大限に活かしつつ、「事業ポートフォリオ変革」を成し遂げて持続的な成長を図ります。

中期経営計画における事業戦略

10年後にはマテリアル事業領域とヘルスケア事業領域を2本の柱とし、既存事業の延長線だけではなく、「今はまだ利益貢献していない新しい事業」を収益の柱とすべく、それぞれの事業で成長戦略、発展戦略を着実に実行することにより、新たな高収益事業を核とした事業ポートフォリオへと変革を進めます。

【10年後の帝人グループ】

 

成長戦略 - マテリアル事業領域

  • 航空機・自動車ビジネスへの注力(環境価値ソリューション)
    環境規制の高まりに伴う低燃費化の要請に応え、「軽くて強い」高機能素材の拡大を図ります。
航空機分野 炭素繊維 中間基材事業へ重点的に資源投入(プリプレグなど)
熱可塑プリプレグ、織物基材ビジネスの展開加速により競争優位を構築
アラミド繊維 航空貨物コンテナ展開(耐久性・難燃性を訴求)
自動車分野 アラミド繊維 タイヤ補強材など、軽量化・高性能化の要求に応える製品拡大
樹脂 高機能コンパウンドによる軽量化・意匠性向上の提案
  • 社会基盤インフラのニーズ拡大へ対応(安心・安全・防災ソリューション)
    防災意識の高まりや、インフラ更新・拡大ニーズへの的確な対応を図ります。
インフラ関連 パラアラミド繊維 ・光ファイバーの中国・インド拡販
・ロープ・深海油田採掘用途などの拡大対応
ポリエステル繊維
樹脂
防災アプリケーションの展開・拡大
防護衣料 メタアラミド繊維 防護衣料のテキスタイル展開をアジア・新興国中心に拡大

成長戦略 - ヘルスケア事業領域

  • 成長領域の強化(少子高齢化・健康志向ソリューション)
    既存成長ドライバーの収益最大化を図るとともに、新規創薬研究に注力します。
医薬品 高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク」 臨床研究に基づく疾患啓発、治療意義の認知度向上により販売を最大化
パイプライン戦略 ・創薬技術領域の深化
・再生医療への取り組み
・自社開発品でのアライアンス推進による価値最大化
在宅医療 睡眠時無呼吸治療器CPAP 一般開業医開拓、診療支援システム機能強化、SAS検査容易化により高成長を確保
在宅酸素療法HOT 次世代携帯器や、増悪予兆といったモニタリング機能の強化などにより高シェア維持

発展戦略 - マテリアル事業領域

多素材間競争が激化していく中で、従来の素材サプライヤーから、顧客接近型ビジネスや多素材の複合展開へと変革を進めます。

  • 自動車向け複合材料事業(環境価値ソリューション)
    複合化技術を強みとして、自社素材事業の単なる川下展開ではなく、マルチマテリアルでの部品供給メーカーを視野に事業を展開します。

  • セパレータ・メンブレン事業(環境価値ソリューション)
    膜(メンブレン)生産で培った技術・ノウハウを起点として、高性能と高生産性を両立させた製品を幅広い分野に展開します。

発展戦略 - ヘルスケア事業領域

既存のヘルスケア事業基盤を強化し、従来の保険医療に捉われない、非保険領域も含めたヘルスケア総合サービスを提供します。

  • 製品・サービスのラインナップ多様化(少子高齢化・健康志向ソリューション)
    新規医療機器、デジタルヘルスケア、整形インプラントデバイス、機能性食品素材の各分野において、製品・サービスのラインナップ多様化を進めます。
  • 先端的ヘルスケア事業基盤の構築(少子高齢化・健康志向ソリューション)
    未病~疾病~介護の全てに対応するヘルスケア事業基盤の構築、情報プラットフォームを活用した新規事業の創出を図ります。

【ヘルスケア事業領域の拡大】

【先端的なヘルスケア事業基盤の構築】

グローバル戦略

成長戦略・発展戦略に沿った、事業毎の特性に基づく地域別戦略を実行します。これに伴い、事業横断となる地域毎の管理体制を強化し、各事業が円滑に海外事業を運営するためのシステム整備や地域戦略の立案を図ります。

経営システム基盤の強化

組織体制強化

成長戦略・発展戦略の加速を促す組織体へと体制を再編します。具体的には、素材関連事業をマテリアル事業に統合し、事業間融合を図るとともに、新事業推進をマテリアルとヘルスケアに分割・吸収することにより連携性を深めます。また、事業横断での地域別戦略を促進するために「グローバル戦略管掌」、全社横断でのスマートプロジェクトを推進するために「情報戦略管掌」を設置します。

【帝人グループの組織体制】

スマートプロジェクト推進

加速度的に進化するIT技術を積極的に取り込み、活用することにより、新規ビジネスの創生とビジネススタイルの変革を実現します。中期的な施策としては、ヘルスケアサービス展開、スマート・プラント化、業務プロセス革新に取り組むこととし、プラットフォーム構築を中心に100億円規模の資源を投入します。

コスト構造改革

前・中期経営計画で掲げた構造改革施策の完遂による効果発現と、成長事業を中心とした生産性向上によるコスト競争力強化による効果(110億円)、および事業再編後の業容に見合った「小さな本社」への再編による効果(90億円)により、2019年度までに200億円(2016年度対比)の効果発現を目指します。

経営指標

「投資効率」「稼ぐ力」の両面に重点を置き、収益性指標として「ROE」(全社)、「営業利益ROIC」(全社・事業別)、成長性指標として「EBITDA」(全社・事業別)を新たに最重要指標として設定します。また、事業ポートフォリオの変革を可視化し、モニタリングするため、非財務情報を含む独自のKPIとして「発展戦略プロジェクト売上高」「ダイバーシティ推進度」を設定し、進捗をフォローアップします。2019年度までの経営目標は次のとおりです。

ROE 10%以上
営業利益ROIC 8%以上
EBITDA 1,200億円超
投入資源 設備投資+M&A枠
3,000億円(3年累計)
配当性向(目安) 当期純利益の30%