Section1: Value Creation

未来の社会を支えるソリューション

地球環境を巡る社会問題の解決に貢献する価値を提供する製品・サービス

環境価値ソリューション

環境価値ソリューション

環境問題の深刻化や規制強化、環境性能向上ニーズが高まる中、帝人グループがこれまで培ってきた軽量化・効率化の技術を活かしてCO2排出量削減・燃費向上に取り組み、「低炭素社会への貢献」「循環型社会への貢献」「地球環境が守られる社会への貢献」を目指しています。

SDGs
環境価値ソリューション

【価値創造の事例】

熱可塑性炭素繊維複合材料製品「Sereebo」

スチールに代わる新たな自動車部材の開発を実現

「Sereebo」が採用されたGM社のピックアップトラック「GMC シエラ・デナリ1500」
ピックアップトラックの荷台(ピックアップボックス)に「Sereebo」が使用される

自動車業界では、強度や耐久性を担保しながら、軽量化と量産化を実現できる自動車部材が求められています。帝人は2008年に複合材料開発センター(当時)を開設し、他社に先駆けて複合成形材料の事業化に向けた技術開発と用途開拓を強力に推進してきました。2011年には世界初となるCFRTPの1分成形による量産技術を確立し、2013年、「Sereebo」ブランドで量産型CFRTP製品の開発に成功しました。その後も米国のゼネラルモーターズ(以下、GM社)をはじめとする国内外企業と、共同開発を推進してきました。

「Sereebo」は熱可塑性樹脂を使用し、世界で初めて製造タクトタイムを約1分にまで短縮したことにより、自動車部品などの量産対応を可能にした革新的な製品です。スチールを使用した従来のピックアップボックス(ピックアップトラックの荷台)に比べて、約40%の軽量化を実現するとともに、約10倍の耐衝撃性を有し、耐腐食性にも優れています。

こうした特長が評価され、GM社のピックアップトラック2車種の荷台に「Sereebo」が採用されました。また、GM社の第27回「Supplier of the Year(サプライヤー・オブ・ザ・イヤー)」において優秀賞を受賞しました。

  • さらなる成長に向けて

    マルチマテリアルでの部品供給メーカーとしてソリューション提案力を強化していきます

    Tier1サプライヤーとして、素材選定から部品設計にまで踏み込んだ提案力の強化や北米・欧州・アジアをベースとしたグローバル安定供給体制の確立を図ります。また、2020年以降の環境規制強化に対応した車体の軽量化への提案力を強化するため、使用材料の拡充や他メーカーとの協業なども進めていきます。

さまざまな災害、事故、犯罪、紛争から生命と暮らしを守る製品・サービス

安心・安全・防災ソリューション

安心・安全・防災ソリューション

度重なる災害を経て、安心・安全、防災への取り組みはますます注目されています。
「都市防災・減災への貢献」「火災・死傷害事故被害低減への貢献」「防犯・犯罪・テロ・紛争被害低減への貢献」に向け、安全性・機能性を両立した高機能素材をはじめとするソリューションで取り組んでいます。

SDGs
安心・安全・防災ソリューション

【価値創造の事例】

高機能繊維補強木材「AFRW」

高機能繊維補強木材を使用した、世界初の建築物を建設

建築物の内外観
レジリエンスジャパン推進協議会の赤池学 理事より受賞する帝人AFRW担当の長瀬諭司(右側)

近年、地震による建築物の揺れを低減するため、木質構造による軽量化への期待が高まっています。また、木質材料は質感(ぬくもり)や意匠性などの外観性、快適性に加え、CO2の吸収保持による温暖化対策への効果も期待できるため、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の観点からも将来性が注目されています。そこで帝人はAFRW(Advanced Fiber Reinforced Wood)を使用した世界初となる建築物を、東京研究センター(東京都日野市)敷地内に建設しました(2019年3月完成)。

AFRWの使用により、木材のぬくもりでストレスの低減を図るとともに、室内に柱を設置せず、自然光を効果的に採り込むことで、開放的で快適性の高い空間の実現を目指します。前田建設工業株式会社や高知大学構造工学研究室の助言・協力を得るなど、産学とも連携して建設を進めています。また、AFRWは建築の発展や林業の再興への寄与といった将来への可能性が高く評価され、「ジャパン・レジリエンス・アワード*2(強靭化大賞)2018」において、「ものづくり」分野の最優秀賞を受賞しました。

  • *2事前防災・減災の観点から国・地域・人・産業の構築に資する、強くてしなやかな活動、技術・製品開発などを評価する表彰制度(主催:一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会)
  • さらなる成長に向けて

    安全で快適な木造建築空間を実現することにより人々の安心・安全な暮らしに貢献していきます

    木造建築物へのAFRWの普及に向けてノウハウを蓄積し、2020年頃までに一般建築物への実用化を目指します。また、自社の有する化学の力を駆使することにより、未来の人々の幸せな暮らしへの貢献を図り、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指します。

あらゆる年齢の全ての人々の健康的で明るい生活を支える製品・サービス

少子高齢化・健康志向ソリューション

少子高齢化・健康志向ソリューション

少子・高齢化の急速な進行、生活習慣病の増加など、健康維持や疾病予防に対する意識は高まる一方です。
在宅医療ネットワーク基盤やITを駆使した帝人グループならではのソリューションにより、「明るい高齢社会の構築への貢献」「新生児・乳幼児ケアへの貢献」「健康的な生活への貢献」を実現していきます。

SDGs
少子高齢化・健康志向ソリューション

【価値創造の事例】

スーパー大麦「バーリーマックス」

長年培ってきた強みを活かし、食品素材事業に新規参入

スーパー大麦グラノーラ
スーパー大麦キーマカレー(イヌリン入り)

高齢化による医療費の増加などの社会課題に対し、ヘルスケア分野では“未病”や“予防”という観点で、将来性の見込める「腸内フローラ」および「食物繊維をはじめとした機能性食品素材」に着目し、世界中の有力研究機関、企業を調査した結果、オーストラリア連邦科学産業研究機構が開発した「バーリーマックス」と出会いました。オーストラリアで10年の歳月をかけて品種改良されてきたもので、優れた食品素材であるとの確信のもと、商品化を進めることとしました。

商品化にあたっては、当社がこれまで培ってきたポリマー解析技術、エビデンス評価・知見が活用できること、新規素材でありながら食経験がある大麦であることから、スピード感を持って開発を進めることができました。2015年2月には豪州の食品ベンチャー企業であるヘルシー・グレイン社と独占共同開発契約を締結し、2016年7月には「スーパー大麦グラノーラ」を独自商品として販売を開始しました。さらに、メディアで取り上げられたことを契機に製品への注文が殺到し、以降はさまざまな食品メーカーで商品化が進み、着実に販路・商品展開を拡大しています。2017年の「バーリーマックス」の作付量は2016年比で4〜5倍に増えています。

  • さらなる成長に向けて

    「バーリーマックス」に次ぐ商品を投入し、機能性食品素材事業を本格化させていきます

    機能性食品素材市場は、今後さらに拡大が見込める領域です。2025年までには、ヘルスケア新事業部門の目標売上高1,500億円の内の、20〜30%は機能性食品素材が占める存在となるべく成長させたいと考えています。今後も「バーリーマックス」をはじめとする機能性食品素材を通じて人々の健康維持・増進に貢献できるよう研究開発に取り組んでいきます。