トップメッセージ

未来の社会を支える企業となるために/「挑戦するDNA」を引き継ぎ、お客様にとっての価値を生み出し続けます。

帝人グループは、2018年で創業100周年を迎えます。その長い歴史は弛まぬ変革と挑戦の連続でしたが、今また帝人はさらなる変革を遂げるべく、新たな挑戦を行っています。

その挑戦とは、2014年11月に公表した「修正中期計画」における「構造改革」と「発展戦略」を2つの柱とする諸策にほかなりません。抜本的な事業構造の転換と、さらにその先を睨んだ発展プロジェクトの実行体制整備に向けた数々のアクション・施策を実施することによって、社会が必要とする新たな価値を創造し続け、未来の社会を支える企業となることこそ、帝人グループの目指すところです。

帝人グループの変革と挑戦について、代表取締役社長執行役員 CEOの鈴木純がご説明いたします。

鈴木 純

代表取締役社長執行役員 CEO 鈴木 純

1958年、東京都生まれ。1983年東京大学大学院理学系研究科修了後、当社入社、医薬品の開発に携わる。2011年帝人グループ駐欧州総代表を経て、2012年4月帝人グループ執行役員、マーケティング最高責任者。2013年4月帝人グループ常務執行役員、高機能繊維・複合材料事業グループ長、同年6月取締役常務執行役員。2014年4月代表取締役社長執行役員 CEOに就任。

結果に慢心せず、為すべきことに邁進する

「修正中期計画」で掲げた施策に引き続き注力

帝人グループでは現在、2014年11月に発表した「修正中期計画」に取り組んでいます。この計画では、2016年度の目標として営業利益500億円、ROE8%以上の目標を掲げていましたが、2015年度は当初の見通しを大きく上回って営業利益で前年度比71.7%増の671億円、ROEは10.6%となり、2016年度の利益目標を1年前倒しで達成する形となりました。

2015年度の好業績は、これまで進めてきた構造改革の効果や主力製品・サービスの伸長といった、グループ全体の基礎収益力の向上による部分ももちろんありますが、原燃料価格の下落や為替の影響といった外部要因に負うところも大きかったのは事実です。目標は前倒しで達成しましたが、これに慢心せず、「修正中期計画」の最終年度となる2016年度は、同計画において掲げた施策を着実に進めることに引き続き注力する所存です。また2016年度は、「修正中期計画」の次の計画となる新たな中期計画の策定を進め、さらにその先の成長に向けた道筋を明確に示していきたいと考えています。

「修正中期計画」2016年度ターゲット

売上高8,000億円/営業利益500億円/当期純利益250億円/ROE8%以上

2015年度実績

売上高7,907億円/営業利益671億円/当期純利益311億円/ROE10.6%

営業利益、当期純利益*、ROEは目標を前倒しで達成

  • *
    親会社株主に帰属する当期純利益

今、帝人グループが為すべきこと

「構造改革」と「発展戦略」を同時並行で進める

「修正中期計画」では、「構造改革」「発展戦略」という2つの大きな柱を掲げています。この2つの施策は、外部要因に影響されにくい事業基盤を構築し、継続的に高収益を確保できる事業ポートフォリオへの変革を図るために欠くべからざる両輪であると私たちは考えています。これを同時並行で進めてこそ、帝人グループの永続的な発展が初めて実現し得ると考えるからです。

構造改革

「構造改革」と「発展戦略」を同時並行で進める

「構造改革」が目指すところは、外部環境の影響を受けにくい事業体質、無駄を削ぎ落した資本効率の高い収益構造を実現することです。帝人グループの長い歴史の中で、我々はさまざまな技術やノウハウを蓄積し、幅広い事業を展開してきました。ただ、残念ながら、私たちは全ての分野において事業を優位に展開しているわけではなく、それぞれの事業の中に「強み」と「弱み」が共存しています。これらを短期的な視点でなく中長期的な視点から見極め、取捨選択し、「強み」の部分を最大限に活かしながら成長分野に資源を投入していく取り組みが、帝人グループの進める「構造改革」です。

その一環として、2015年度には樹脂事業のシンガポール工場の撤退などを実施しましたが、2016年度も引き続き、フィルム事業や北米在宅事業をはじめとした「構造改革」を推し進め、事業ポートフォリオの転換を進めていく所存です。

構造改革の進捗

発展戦略

各事業の「個性」を「強み」に変える

それぞれの事業の中にある「強み」と「弱み」とは、必ずしも普遍的なものとは限りません。それらはいわば「個性」「特徴」ともいえるものであり、時代によって「強み」であったものが色褪せたり、「弱み」であった点が逆に優位に働いたりすることもあります。事業戦略とは、各事業の持つこうした「個性」をしっかりと「強み」に仕上げていく営みであり、その結果が私たちのビジネスモデルとして確立されていきます。

3つの成長領域

帝人グループは、素材、ヘルスケア、ITを併せ持つユニークな事業体です。こうした事業の組み合わせもまた一つの「個性」であり、これらの分野を複合化・融合させることによって、帝人グループ固有の新たな事業領域が開拓できるはずです。複合化・融合を通じて、我々の特徴が活かせる分野に特化しつつ、一方で外部から足りない部分も補いながら、新たにユニークなビジネスを次々と創造し続ける ― これが私たちの「発展戦略」の本質です。

帝人グループの「発展戦略」は、「環境・省エネ」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康志向」といった、マクロトレンドから見た世界的な成長機会に沿った戦略を展開していくことでもあります。こうした成長機会を捉えて、まずは既存事業の個々の強みを伸ばして収益基盤の強化・拡大に努め、さらに各事業の強みの組み合わせによる「発展戦略」を通じて、新たな顧客価値を提供し続けることができると確信しています。

事業間融合による新規ビジネスの創出

ソリューションを考え抜くことにより、価値を創り続ける

潜在的なニーズを探り当てる

「なぜ今までこれがなかったのか?」というものを生み出すこと。それがイノベーションの本質です。

マクロトレンド、すなわち世界がどう変わろうとしているかを察知し、その中でお客様が口にもしなかった潜在的なニーズを私たち自身が探り、それに応えることでお客様とともに新たな価値を創り上げていくことが「発展戦略」の方向性といえます。そのために必要なことが、顧客志向(=お客様視点で考えること)です。「お金を払ってでも買いたい、使いたい」とお客様に言っていただけるような、帝人グループ独自の付加価値を認めてもらえる商品・サービスが提供できれば、競合先との価格競争を回避し、同時に原燃料価格など、市場の変動による影響を受けにくい体質にすることができます。

私たちが使う「ソリューション」という言葉は、どうもイメージが湧きにくいとよく言われます。帝人グループが目指す「ソリューション」は、お客様のビジネス領域を侵食し、お客様の仕事を奪い取ることとは違います。

例えば帝人グループが提供する繊維が使われているタイヤを例にとると、私たちがタイヤそのものを作るのではなく、ゴムを接着するための新しい剤を提案したり、タイヤの強度を維持しながら配合する繊維を減らす提案をするなど、お客様の品質向上・コストダウンに貢献しつつ、私たちの製品展開を拡げていくといった、双方が成長できる可能性を探る営みもソリューションです。こうしたソリューションを生み出すためには、サプライチェーンをよく知り、どこで付加価値が生まれるのかを見極めることが必要です。

ソリューションの要諦は、顧客とサプライチェーンを良く知り、どこで付加価値が生まれるかを見極めること

「挑戦するDNA」を守り続ける

お客様から将来にわたって常に必要とされるためには、お客様にとっての価値を生み出し続けていくことが必要です。帝人グループの歴史は、お客様の価値創造に向けた挑戦の歴史と言っても過言ではなく、「挑戦するDNA」は今後も引き継いでいくべき我々の核となるべきものです。挑戦なくして帝人グループの将来はなく、これらを通じて未来の社会を支える企業となることこそ、我々の目指すところなのです。

企業価値を持続的に高めていくために

企業理念と深く関わる「CSR経営」

「構造改革」で強みを磨き、「発展戦略」で新たな価値を創造し続けるには、常に中長期の持続的な成長を見据えて戦略を立案し、行動することが重要です。加えて、企業としての存在価値を高めていくことも必要となります。

「Quality of Life」の向上を企業理念に掲げる帝人グループにとって、CSRを経営の重要な要素として捉えることは大きな意味を持ちます。帝人グループでは、CSR活動を将来の企業価値を左右するファクターとして位置付け、企業活動の社会や環境との関係において取り組むべき重要なテーマ(マテリアリティ)を特定し、これに取り組んでいます。こうした取り組みはまだまだ道半ばの段階ですが、これらの取り組みが私たちの将来の価値を決定付けていくものだと考えています。

高い透明性、迅速な意思決定のためにガバナンス体制を強化

コーポレート・ガバナンスの強化も、健全かつ持続的な成長のために必要不可欠です。私たちは従来から高い透明性、迅速な意思決定のためのガバナンス体制を整えてきました。今後はさらに、株主・投資家の皆様に説明責任を果たし、対話を通して理解を得つつ、将来成長に向けて大胆な戦略も実行していきたいと思います。

人財の強化多様性の実現も、私たちの将来にとって欠かせません。グローバルに事業を展開する帝人グループにとって、性別、国籍を問わず、また高齢者や障がい者の方たちを含め、あらゆる力を結集して持続的な成長を目指すことは極めて重要です。このような考えのもと、帝人グループは「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」について10の原則を掲げる「国連グローバル・コンパクト」を支持し、参加しています。今後もグループの力を結集して、世界に誇れる、存在感のある企業を目指します。

中長期を見据えた帝人グループの姿

次期中期経営計画の方向性

2016年度は、次期中期計画の策定の年でもあります。中期計画では、①帝人グループの事業ポートフォリオをさらに大きく変革していくこと ②事業ポートフォリオ改革に適合するための、組織構造・コスト構造の変革を織り込むこと を基本方針としています。また、すでに「修正中期計画」でも描いているように、2020年近傍をイメージした帝人の姿として、高機能・複合材料事業とヘルスケア事業を大きな柱としつつ、それらをICTが支える事業体としていく考えであり、次期中期計画も、この方向を踏まえて策定していく所存です。

「修正中期計画」の施策を通じ、基礎収益力が徐々に付きはじめている中、次期中期計画においても将来ありたい姿を描き、そこから逆算的に捉え、今やるべきことを計画に落とし込んでいきます。先行投資負担に耐え得るだけの収益基盤が整いつつあることから、積極的な投資も引き続き実施していくつもりです。

帝人の「変革」と「挑戦」

帝人グループの「挑戦」は始まったばかりですが、ステークホルダーの皆様におかれましては、グループの総力を挙げて「変革」に取り組む帝人グループを是非ご理解いただき、変わらぬご支援をお願いいたします。

代表取締役社長執行役員 CEO 鈴木 純