CEOメッセージ

株主・投資家の皆様へ

2017年3月期の世界経済は、米国を中心とした先進国が底堅く成長を牽引する中、中国経済も景気刺激策によって年度後半からは持ち直し、全体として緩やかな拡大基調を辿りました。また国内景気は個人消費には依然として伸び悩みがみられますが、輸出の回復等により製造業の景況感も好転する等改善基調にあります。

このような状況のもと、帝人グループの2017年3月期の連結決算は、売上高としては各事業の販売が総じて堅調に推移しましたが、年度前半の円高影響に加え、樹脂事業等の構造改革もあり、前年同期比6.3%減の7,413億円となりました。また営業利益は、既存事業の成長と構造改革も加わり、基礎収益力の底上げを図るも、為替要因や薬価改定、新薬導入費用の影響等で前年同期比15.8%減の565億円となり、経常利益も同7.3%減の559億円となりました。一方、当期純利益については、米国在宅医療事業の撤退に伴う税効果会計の適用により、大幅に税金費用が減少し、前年同期比61.3%増の501億円と過去最高益となりました。なお期末の配当については、1株当たり30円とさせていただきましたので、2017年3月期年間の配当金は中間配当と合わせまして、1株当たり55円*となります。

当年度の世界経済は、グローバルでの保護主義的な政策圧力の強まりや、中東・アジア等での地政学上の緊張等を背景に不透明感は残りますが、総じて緩やかな拡大基調が継続するものと想定されています。このような状況のもと、長期ビジョンの実現に向けて、この度新たに公表した中期経営計画に基づき、「成長戦略」による基礎収益力の更なる強化、「発展戦略」による新規コアビジネスの確立を推進するとともに、それを支える経営システム基盤の強化を図っていきます。

これら施策を踏まえ、当年度の通期見通しは、売上高8,550億円、営業利益は620億円、経常利益は630億円、当期純利益は420億円となる見込みであり、前年度の税金減少等特殊要因を除くと実質的に増収増益となります。

私が帝人グループのCEOに就任して3年が経過しましたが、これまでが収益力の再構築と新たな成長・発展の基盤構築に注力した再建の時間だとすると、創立100周年にあたる2018年を含むこれからの3年間は、次の100周年に向けて大きく飛躍するためのスタートです。外部環境の不確実性にも対応するために、後追いではなく自ら変革を起こし、絶えず新たな顧客価値を創出していかなくては、持続的な成長は望めません。中期経営計画のスローガン”たゆまぬ変革と挑戦 ALWAYS EVOLVING”に込めた想いのとおり、今後は更に事業ポートフォリオの変革を加速し、既存事業の延長線だけでなく、今はまだ利益貢献していない新たな事業を収益の柱として育て上げることに、全社員一丸となって取り組んで参ります。

株主・投資家の皆様には、変わらぬご理解とご支援をお願い申し上げます。

*帝人グループは2016年10月1日付で普通株式5株を1株に併合しています。これに伴い、2016年3月期の期首に株式併合が行われたと仮定し、1株当たり配当金を算定しています。

 

2017年5月9日

代表取締役社長執行役員CEO

鈴木 純