2012年6月11日

世界最高の強度を誇る高機能ポリエチレンテープ 「Endumax®」をロープ・ケーブル向けに市場展開

帝人グループでアラミド繊維事業を展開するテイジン・アラミドB.V.(本社:オランダ・アーネム市、社長:ゲーテ.W.フレデリクス)は、昨年10月より、高機能ポリエチレンテープ「Endumax(エンデュマックス)」の商業生産を開始し、防弾用途において採用拡大を図ってきましたが、このほど、新たにロープ・ケーブル用途向けに細幅・薄型テープを開発し、今夏より市場展開していくこととしました。
ロープ・ケーブル向け「Endumax」テープ
帝人グループは、優れた耐熱性や耐薬品性などが必要とされる用途に適したパラ系アラミド繊維と、より軽量化や耐摩耗性などが必要とされる用途に適した「Endumax」を併せて持つことで、ロープ・ケーブル市場における幅広い顧客のニーズに応じたソリューションを提供することが可能となります。

1.背景
 (1) 現在、重量物のつり上げや牽引に使用されるロープ・ケーブルには、主としてスチールが使われていますが、作業の安全性と効率性、さらにロープ・ケーブルの運搬に必要なコストやエネルギー消費量削減の観点から、より軽量で摩耗や疲労に強い代替素材が求められています。こうした中で、パラ系アラミド繊維や超高分子量ポリエチレン繊維などの軽くて強い素材が、この用途におけるスチールの代替として使用されてきました。
 (2) 帝人グループは、以前からパラ系アラミド繊維「トワロン」および「テクノーラ」をロープ・ケーブル市場で展開し、すでにグローバル顧客ネットワークを有しています。このたび、より幅広い顧客のニーズに対応し、市場シェアを拡大するため、高機能ポリエチレンテープ「Endumax」のロープ・ケーブル用途に適した製品を開発しました。

2.新製品の特長
このたびロープ・ケーブル向けに展開する「Endumax」製品の特長は、以下のとおりです。
 (1) 「Endumax」を幅2mm、薄さ55µm(マイクロメートル)のサイズに加工した細幅・薄型テープでありながら、「Endumax」の特長である優れた弾性率、耐切創性、耐摩耗性、寸法安定性などを備えています。軽量で、同重量での比較では、現在世界で使われているテープの中で最高の強度を誇ります。
 (2) 柔軟で、ロープやスリング(吊り上げ)ベルトの材料として使用することができるほか、ケーブルの保護材として用いることもできます。
 (3) 耐候性や耐切創性に優れ、摩擦係数も低いため、スチールを使用した場合に比べ、劣化、摩耗、切断に強いロープやケーブルを実現できます。
 (4) 水に浮き、吸水率も低いため、船舶の係留など、オフショア(海洋)での作業用・牽引用ロープの素材として適しています。
 (5) ロープの製造ラインに適したサイズであるため、ロープメーカーは既存の設備を使用して「Endumax」製のロープを製造することができます。また、製造工程において、添加剤やコーティング剤は不要です。
 (6) 「Endumax」は製造プロセスで溶剤を一切使用しないため、市場に流通しているポリエチレン繊維に比べ、水や大気など地球環境への化学物質排出量やエネルギー消費量を削減することができます。

3.「Endumax」の今後の展開
 (1) テイジン・アラミドは、すでに防弾用途において、「Endumax」テープを一方向に並べて重ね合わせた耐衝撃・耐衝突プレートやパネル、およびコンポジット製品を市場に投入し、採用拡大を図っています。このたびロープ・ケーブル向けに用途を拡大し、さらに今後も「Endumax」の市場拡大を図ることで、2015年には高機能ポリエチレンのターゲット用途において15~20%のシェア獲得を目指します。
 (2) テイジン・アラミドは、現在、オランダ・エメン市にある工場内で「Endumax」を生産していますが、今後、設備を増強していく計画で、2012年末には生産能力が年間1,000トンとなる予定です。また、市場の状況に応じて設備増強や新工場建設を検討していきます。
参考帝人の高機能ポリエチレンテープ「Endumax」について
「Endumax」は、ポリエチレンの中で最も高機能グレードとされる超高分子量ポリエチレンを原料としており、軽量で、同じ重量の鉄と比べて11倍という世界最高の強度を誇り、炭素繊維と同等の剛性を有している。また、既存の超高分子量ポリエチレン製品と比べて1.5倍以上の高い弾性率を備えている。さらに、非常に高い耐衝撃性を持ち、耐切創性、耐摩耗性、耐薬品性にも優れている。超高強度テープという特性を生かして、薄型や平坦な形状を持つ製品を効果的に補強することができ、防弾プレート、耐衝撃・衝突プレート、高圧ガスパイプなどの配管補強、耐切創手袋、ロープ、ネットなど、幅広い用途への展開が可能。帝人テクノプロダクツ株式会社(本社:大阪市中央区)の研究施設(山口県岩国市)およびテイジン・アラミドにおいて開発し、2011年10月にオランダ・エメン市にあるテイジン・アラミドの工場内で商業生産を開始した。
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