2012年12月12日

レスキュー隊向け救助服の快適性を向上 伸縮性に優れるアラミド繊維織物の開発と販売開始

帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:大八木 成男)は、消防の特別救助隊(レスキュー隊)が着用する救助服向けとして、このほどアラミド繊維100%のストレッチ織物を開発し、来年2月より販売を開始することとしました。
この織物は、元来伸縮性が極めて低いとされるアラミド繊維に伸縮性を付与することで優れたストレッチ性を実現し、それにより、救助服を着用した隊員が活動する際の運動性と快適性を向上させることが可能となります。アラミド繊維100%によるストレッチ性を有する救助服は、世界で初めてのものとなります。
 

アラミド繊維100%のストレッチ織物を使用した救助服

1.背景
(1) 帝人グループは、長期耐熱性や難燃性に優れるメタ系アラミド繊維「コーネックス」と、高強力のパラ系アラミド繊維「トワロン」「テクノーラ」を併せ持ち、消防、警察、製造現場などの安全を支える「ライフプロテクション」分野において幅広いソリューションを提供しています。消防の特別救助隊が着用する救助服向けとしては、これまでも主にメタ系アラミド繊維の織物を供給し、隊員の安全確保に貢献してきました。
(2) 特別救助隊は、火災、事故、災害などに際しての人命救助活動を主要な任務としており、隊員が着用する救助服に求められる性能としては、最新の技術を取り入れた防護性や耐久性などはもちろんのこと、動きやすさ、着用者への負担軽減などの快適性に対するニーズが高まりつつあります。そのため、あらゆる動きに対応できるストレッチ性を備えた救助服の開発が望まれていました。
(3) 一般的に、織物にストレッチ性を付与するためには、数パーセントに相当するポリウレタンを混紡あるいは交編織するなどの方法が広く用いられていますが、ポリウレタンは時間の経過とともに劣化が進むほか、可燃であるため、耐久性や安全性の面で問題があるとされています。一方、アラミド繊維は元来伸縮性が極めて低く、加えて、熱安定性が高いことから加工による伸縮性の付与が困難であるため、アラミド繊維100%によるストレッチ性を有する救助服の実現は困難とされてきました。

2.新製品の特長
(1) 帝人は、独自技術を用いてアラミド繊維に特殊加工を施すことで繊維に伸縮性を付与することに成功し、これにより、アラミド繊維100%によるストレッチ性のある織物を実現しました。
(2) この織物は次の特長を有しており、救助服を着用した隊員が活動する際の安全性と快適性を同時に実現します。
・アラミド繊維の特長である優れた長期耐熱性、難燃性、強度などを損なうことなく、一般的に作業服に求められる伸縮性を実現しています。
・ポリウレタンなどの可燃素材を含まないため、燃えにくい製品となっています。

3.展開計画
(1) この救助服向けの生地は、来年2月より、帝人が救助服アパレルメーカーに向けて販売を開始する計画です。その後、アパレルメーカーが救助服を商品化し、来年3月より国内市場に投入される予定です。
(2) 帝人は、この救助服向けの生地について、2014年度には年間1億円の売上げを見込んでいます。
参考帝人のアラミド繊維について
アラミド繊維は、一般的に高強力、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性などの特性を持つ高機能繊維の1つで、パラ系とメタ系の2種類に大別される。帝人グループは、この異なる2種類のアラミド繊維を事業化している世界屈指のメーカー。パラ系アラミド繊維は、特に強度、防弾・防刃性などに優れ、主として防護衣料、自動車のブレーキパッドなどの摩擦材やタイヤの補強材、光ファイバーケーブルの補強材などに使われており、年率7~9%の市場成長が見込まれている。帝人グループは、オランダ・エメン市で生産する「トワロン」と、愛媛県松山市で生産する「テクノーラ」で世界市場の約2分の1を占める。帝人が山口県岩国市で生産するメタ系アラミド繊維「コーネックス」は、長期耐熱性や難燃性に優れ、耐熱フィルターやゴムベルト・ホースの補強材などの産業資材、および消防服などのユニフォームに使われている。
当件に関するお問合せ先
帝人株式会社 広報室 (東京)03-3506-4055 (大阪)06-6268-2763

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