2013年1月17日

先端巨大症および下垂体性巨人症の治療薬
「ソマチュリン®皮下注」の発売について

帝人ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:荒尾 健太郎)は、先端巨大症および下垂体性巨人症の治療薬「ソマチュリン皮下注」を、本日発売しました。

先端巨大症および下垂体性巨人症は、成長ホルモンの過剰分泌が原因で、身体の先端部や手足の異常な成長、およびそれに伴う高身長などの症状を引き起こす疾病です。放置すると、糖尿病や高血圧、心筋梗塞、脳血管障害、睡眠時無呼吸症候群などの合併症を併発し、一般の健康な人に比べて死亡リスクが2~5倍に高まり、平均寿命が約10年短くなるとされています。薬物療法としてはソマトスタチン誘導体*が使用されますが、現在、日本国内で使用できるソマトスタチン誘導体は1種類のみで、新たな治療選択肢が求められていました。
*ソマトスタチン誘導体:成長ホルモンの分泌を抑制するホルモン「ソマトスタチン」を模した物質

このたび発売した「ソマチュリン皮下注」は、イプセン社(本社:フランス・パリ)が開発・製造したソマトスタチン誘導体で、既に世界約60カ国で使用されており、帝人ファーマが日本における本剤の販売権を有しています。長期にわたり効果が持続するため、4週間に1度の投与で治療が可能です。また、従来の薬剤とは異なり、あらかじめ薬剤が注射器に充填された状態で包装・製品化されていることから、投与時における煩雑な薬剤調製も不要です。帝人ファーマでは、日本におけるピーク時の売上高として約20億円を期待しています。

【帝人ファーマ 代表取締役社長 荒尾 健太郎のコメント】
「ソマチュリン皮下注」は世界約60カ国で使用されており、長期にわたる効果の持続性や、簡単な操作で投与できるデバイスの利便性が、医療従事者および患者の皆さまから高く評価されています。このたび本剤を日本国内で販売できることとなり、大変喜ばしく思っています。患者の皆さまのQOL(Quality of Life)向上に貢献できるよう全力で取り組んでいきます。

【イプセン社 上級副社長兼COO クリストフ・ジャンのコメント】
日本における本剤の発売は、世界的な販売拡大を目指す上で大変重要です。「ソマチュリン皮下注」を、先端巨大症および下垂体性巨人症に苦しんでおられる日本の患者の皆さまに使っていただけることを大変喜ばしく思っています。
※商標「ソマチュリン」はイプセン社の登録商標です。
参考
・先端巨大症および下垂体性巨人症について
(1) 「先端巨大症」は、脳下垂体にできた腫瘍が原因で、骨や筋肉の成長を促すホルモンが過剰に分泌される代謝系疾患の1つで、額やあごの突出、鼻、口唇、手足など身体の先端部や心臓の肥大、頭痛、視野狭窄など、さまざまな症状を引き起こします。また、成長期に罹患すると、高身長となったり、手足が異常に成長することから「下垂体性巨人症」と診断されます。
(2) 症状の進行速度は非常に遅いため、患者本人や周囲も罹患していることに気付かないことが多い疾病ですが、合併症として、糖尿病や高血圧などの代謝異常や、狭心症、心筋梗塞、脳血管障害、睡眠時無呼吸症候群などにつながる恐れがあります。また、甲状腺腫や悪性腫瘍を伴うことも多く、一般の健康な人に比べて死亡リスクが2~5倍に高まり、平均寿命も約10年短くなるとされている重篤な疾病です。
(3) 国内の患者数は、潜在患者も含め約1万人とされており、医療費が公費助成される難病に指定されています。
(4) 本疾病の治療法としては、原因である腫瘍の摘出手術が一般的ですが、腫瘍が大きく手術が難しい場合や、手術後も成長ホルモンの分泌量が過剰である場合には、薬物治療や放射線治療が施されます。

・帝人ファーマの代謝・循環器系領域における取組みについて

(1) 帝人ファーマが自社創製した「フェブキソスタット」(一般名)は、世界で約40年ぶりとなる痛風・高尿酸血症治療剤で、世界戦略製品として大型化を期待しています。既に海外の導出先企業を通じて、2009年3月以降、北米、欧州、韓国、台湾など20カ国以上で販売を開始しており、日本においても2011年5月より「フェブリク錠」の名称で販売を開始しています。さらに、中国、メキシコ、中東、北アフリカなど、世界各国で独占販売契約を締結しており、こうしたグローバル展開を進めることにより、2014年度までには世界約60カ国での上市、海外導出先企業の売上高を含め、ピーク時に1,600億円の売上を目指しています。
(2) その他、高血圧や糖尿病などを治療する代謝・循環器系領域の医薬品としては、動脈硬化性疾患のリスクを高めるメタボリックシンドロームや糖尿病の重要な治療ターゲットである高トリグリセライド血症を改善する「トライコア」や「ソルミラン」、狭心症や心筋梗塞の冠動脈を広げる作用を持つ経皮吸収型テープ剤「アンタップ」などがあります。


・イプセン社(Ipsen)の概要
イプセン社は、神経・内分泌・泌尿器腫瘍・血友病を4つの柱として、グローバルに事業を展開している医薬品企業です。グループ全体の売上高は約11億ユーロ(2011年)、従業員数は4,500名に及び、2011年には売上高の約23%に相当する約2億5,000万ユーロを研究開発に投じています。詳細については、イプセン社のホームページをご覧ください。

当件に関するお問合せ先
・報道関係のお問合せ
帝人株式会社 広報室 (東京)03-3506-4055 (大阪)06-6268-2763

・その他のお問合せ
帝人ファーマ株式会社 学術情報部 03-3506-4053

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