2013年7月31日

震災発生時の安全確保に大きく貢献

超軽量天井材の開発について

帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:大八木 成男)は、このほど、建築構造物に使用される吊り天井を大幅に軽量化できる、ポリエステル製の天井材を開発しました。
これは、帝人が製造・販売しているポリエステル製のタテ型不織布「V-Lap」*に不燃加工を施したもので、従来の天井材に比べて柔らかく、重さが約10分の1と軽量であるため、天井の仕上げ材(表面を形成する素材)として使用することにより、万一、天井が落下した場合にも、安全確保に大きく寄与することが期待されます。
今後、震災時においても、体育館、屋内プール、ホール、空港、大型店舗などの人が集まる建築構造物の安全性を大きく向上させるソリューションとして、建材メーカーなどとともに市場開拓を進めていきます。
*「V-Lap」: 特殊な製造方法により、繊維を垂直(タテ)方向に配向させた不織布。嵩高構造による軽量性や易成型性などの特徴がある。寝装用などのクッション材として先行展開しているが、自動車向けを中心とした各種吸音材としての機能も優れており、当分野での展開も推進している。また、次世代住宅用断熱材としての開発も進めている。
 

1.背景
(1) 体育館、屋内プール、ホール、空港、大型店舗など、多くの建築構造物においては、天井裏に空調・照明・換気などの設備や断熱・遮音・吸音材などを組み込むため、一般に吊り天井が使用されていますが、大規模地震の発生のたびに天井の落下事故が報告されており、特に東日本大震災に際しては人的・物的被害が相次いだことから、安全性に対する懸念が高まっています。
(2) こうした状況を受けて、本年7月12日に公布され、来年4月1日より施行される改正建築基準法施行令には、新たに天井の脱落防止措置に関する条項が加わり、今後、地震などの強い衝撃に対する構造耐力上、より安全な天井を使用することが求められるようになります。
(3) また、天井の落下防止対策としては耐震施工が原則となっていますが、特に公共性の高い場所においては、万一の落下に備え、加えて天井全体の軽量化も求められています。
(4) 帝人グループは、自社で展開している高強力・高機能のアラミド繊維や炭素繊維を活かし、コンクリート構造物の耐震補強や地盤・盛土の補強など、社会インフラや人々の安全・安心を支える「ライフプロテクション」分野において幅広いソリューションを提供しています。特に、東日本大震災以降、全社を挙げて震災復興および「ライフプロテクション」分野の技術とソリューションの創出に取り組んでおり、このたびの超軽量天井材はその一環として開発を進めてきたものです。

2.超軽量天井材の特長
このたび開発した超軽量天井材は、帝人のポリエステル製タテ型不織布「V-Lap」に不燃加工を施したもので、以下の特長があります。
(1) 超軽量
重量は1㎡あたり約0.7kgで、一般に天井材として広く使われている石膏ボードの約10分の1、ロックウールの約7分の1の軽さを実現しました。これを天井の仕上げ材として使用することにより、天井全体の軽量化が実現することができます。また、軽量かつ薄型であることから、天井材の運搬や施工作業の効率化を期待することができます。
(2) 柔らかい
ポリエステル製であることから、従来の天井材に比べて柔らかく、万一、天井が落下した場合も、被害を最小限に抑えることが期待できます。
(3) 燃えにくい
建築基準法の規定に基づく不燃材料として国土交通大臣の認定を取得しています。
(4) 吸音性能と断熱性
「V-Lap」の特徴である垂直方向に配向させた不織布構造により、吸音性能と断熱性を備えています。
(5) 環境にやさしい
「V-Lap」は、使用済みペットボトルを再生したマテリアルリサイクル繊維で作られています。また、接着剤を使用していないため、揮発性有機化合物の発生がほとんどありません。
3.今後の展開
(1) 帝人はこの超軽量天井材について、震災時に人の集まる建築構造物の安全性を大きく向上させるソリューションとして、建材メーカーなどとともに市場開拓を進め、来年度からの本格的な事業展開を目指します。
(2) 現在、鋼製下地材メーカーとして最大手である株式会社桐井製作所(本社:東京都千代田区、社長:桐井 隆)とともに、実用化に向けた仕様や施工に関する開発を進めており、今後共同で市場開拓を推進していく計画です。

当件に関するお問い合わせ先
・報道関係のお問い合わせ
帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 (東京)03-3506-4055 (大阪)06-6268-2763
・その他のお問い合わせ
帝人株式会社 エンジニアリングファイバー部 ノンウーブン課 06-6268-2523
 

掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、内容が変更になっている場合がありますので、あらかじめご了承下さい。