2017年7月 6日

機器在庫と労務工数を「レコピック®」で最適化

聖路加国際病院での棚管理システムの実証結果について

帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:鈴木 純)は、2015年度に棚管理システム「レコピック」*1が採用された聖路加国際病院(所在地:東京都中央区、院長:福井 次矢)において、その医療機器管理への有用性について実証を行ってきました。その中で看護師などの業務負担の軽減や医療機器の余剰在庫の削減、および医療機器の稼働平準化に効果があることが実証され、このたび、「レコピック」が病院経営に改善効果のあるソリューションであることが明らかになりました。

*1「レコピック®」:UHF帯のRFID(Radio Frequency Identificationの略。電波による個体識別技術のこと)を使用して、書籍や文書、物品の入出庫やロケーションを正確かつ効率的に管理する棚管理システム。

1.経緯

  1. (1)
    医療機器の管理は、安全性重視と器台管理の簡便さから、臨床工学室などでの中央管理が主流となっています。しかし、中央管理では、本来患者対応に当たるべき看護師などが機器の持ち出しや返却などを行わなければならず、業務負担の増大が課題となっていました。これに対し、各病棟での分散管理は、看護師などの利便性が向上するものの、機器の使用状況が把握できないという課題がありました。さらに、いずれの管理方法においても、各病棟で機器の抱え込みや余剰在庫が定常的に発生するといった課題もありました。
  2. (2)
    当社は、2次元通信シート「セルフォーム」*2を活用し、2011年よりUHF帯のRFIDによる棚管理システム「レコピック」を展開しています。「レコピック」は、空間に広がる特性があるUHF帯の電波を棚の表面に限定的に伝搬させることができるため、他の医療機器への影響が少なく、加えて、医療機器の所在や使用時間、院内での使用台数などを常時把握することが可能です。こうした特性から、2015年度に聖路加国際病院において「レコピック」が採用され、その有用性について実証を行うこととなりました。

    *2「セルフォーム®」:東京大学発のベンチャー企業である株式会社セルクロスが開発した2次元通信技術「@CELL」と、帝人のシート製造技術を用いて開発した2次元通信シート。通信シートに信号を封じ込め、シート表面に発生する電磁波(エバネッセント波)を使って通信する。このシートを用いることで、2次元の「面」で情報を伝搬することができ、簡便な接続や情報漏洩リスクの少ない通信が可能となる。

2.実証結果

  1. (1)
    このたびの実証により、余剰在庫のある最も近い病棟を瞬時に判別できるため、看護師などが臨床工学室に移動する回数を約45%削減できることが明らかになりました。さらに、管理対象となる医療機器の種類を広げることで、約85%の削減を達成しました。これにより、看護師による患者対応が拡充できるなど、医療サービスの向上と業務負担の軽減を同時に達成することができました。
  2. (2)
    また、医療機器1台ごとの使用時間および1日ごとの使用台数から、医療機器の余剰在庫を推定することが可能となり、1,900万円相当の機器を削減する余地があることが判明しました。さらには、1台ごとの使用状況が明確になるため、機器稼働の平準化とメンテナンス時期の明確化が可能となりました。
  3. (3)
    これらの結果から、「レコピック」を用いて、医療機器を各病棟 などで分散管理し、機器の所在情報を中央管理することにより、効率的な病院経営に寄与する有効なソリューションとなることが明らかになりました。

3.今後の展開
今後、当社は大病院を中心に「レコピック」を強力に展開するとともに、2次元通信シート「セルフォーム」を活用した無線LAN用途や、ビーコンを使用した「ペーパービーコン」など、電波の「面」による伝搬用途をさらに開拓し、IoTソリューションの充実を図ることで、2020年度には20億円以上の売上を目指して事業拡大していきます。
 

  • 当件に関するお問い合わせ先
    帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 03-3506-4055

 

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