研究開発戦略

テイジンは、ブランドステートメント"Human Chemistry, Human Solutions"のもと、技術革新を核として、人々の暮らしを豊かにし、社会の発展に貢献するために、事業の持続的成長を実現する研究開発を行うとともに、新事業の創出をグローバルな視野で推進しています。

また、中長期経営ビジョン「CHANGE for 2016」では、テイジンの成長を推進するための成長戦略と、それを支える経営基盤の強化を掲げています。その具体策の一つである技術ポートフォリオの変革によって、既存事業群では最終顧客により近い製品の開発と技術の融合化による新しい機能・ソリューションの創発・提案を目指します。

技術を核とした成長戦略のための研究開発戦略

テイジンは、技術革新が企業成長の基本であるとの認識のもと、基礎研究を含めたグループ全体の研究開発戦略を設定し、グループ各社の連携を強化して、研究成果の早期実現を図っています。

テイジンには、事業の持続的成長や事業構造の変革を可能とする基幹技術群と、それを支える高分子化学や創薬技術、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーなどの基盤技術があります。これらの技術をベースに、「グリーンケミストリー」「ヘルスケア」およびこれらの融合領域を重点技術領域と定めて研究開発の強化を進めています。

技術ポートフォリオ変革

中長期経営ビジョンで策定した技術ポートフォリオ変革では、既存事業の幅出しに加えて、素材開発・素材視点での用途開拓から一歩顧客側に踏み込み(ダウンストリーム化)、既存技術同士の融合による機能提供型(ソリューション提供型)への変革を目指すとともに、素材技術とヘルスケア技術の融合による新規領域への展開を図ります。

素材技術は原料合成・重合、1次加工、2次加工、高次加工を得て最終製品化されます。素材技術では高次加工を中心に後工程において技術の強化・獲得に力を入れています。また1次加工、2次加工、高次加工においてソリューション提供を目指しています。ヘルスケア技術は探索研究、開発研究、臨床開発を得て製品化されます。ヘルスケア技術では探索研究、製品化の工程を中心に技術の強化・獲得に力を入れています。そして素材技術とヘルスケア技術の融合により新領域への展開を図ります。

素材事業のソリューション提供に向けての技術力強化

従来より、素材事業は顧客志向を掲げ、顧客のニーズや課題に対して最適の素材を提案し、供給することにより一定以上の収益を上げてきました。一方で、従前の素材提供型のビジネスモデルでは、顧客・市場の潜在的なニーズの掘り起こしによる成長性のある新規事業の創発には限界があります。そのために、既存技術の幅出し、深掘りを行い、競争力をつけることはもとより、先端素材と高次加工技術の組み合せや顧客と一体となった商品開発の推進によって、ユニークな部材・デバイスの開発を行います。(自社、コラボレーション、オープンイノベーションなど)

また素材をフレキシブルに組み合わせることによって、顧客・市場にとって価値のある新たなソリューションの提供を可能にするために、テイジン内外にこだわらず活用できる素材領域の拡充を行っていきます。

融合領域の展開

テイジンの素材事業が保有する技術の内、生体吸収ポリマーなどの新規素材開発、ナノ材料加工、微細成形加工など医療の要求特性にマッチした技術と、細胞工学、蛋白質工学、製剤設計や医療機器設計などのヘルスケア技術を融合させることで、再生医療/組織修復材料、DDS(薬物送達)基材、医療機器材料、スポーツメディシン分野で、新ヘルスケア事業を創出していきます。

ナノ材料加工、微細成形(マイクロ構造成形体)、新規素材開発(生体吸収性ポリマー、生体適合ポリマー)の素材技術と細胞工学、蛋白質工学、製剤、医療機器設計(装置設計、機能解析)のヘルスケア技術が融合し、新ヘルスケア事業を創出します。新ヘルスケア事業には再生医療/組織修復材料(細胞医薬品・止血材・骨充填材)、DDS(薬物送達)基材(マイクロニードル・インジェクタブルゲル・ナノ繊維成形体)、医療機器材料(人工心肺・人工血管・人工関節)、スポーツメディシン(変形性関節症治療機器・ロコモティブシンドローム治療機器)があります。

技術人財の育成

帝人テクノカレッジ

持続的な成長を実現するには、技術革新とそれを推進する技術人財の育成が不可欠です。テイジンでは、高分子・バイオ関連分野の研究者とのネットワーク構築および若手研究者の育成を目的とした「帝人21世紀フォーラム」の開催や、各専門分野の大学教授や研究者をメンバーとした「帝人技術アドバイザリー会議」における若手の研究者と将来技術、革新プロセス、技術トレンドなどを議論する機会、そして国内外の最先端の研究機関への若手研究員派遣などを通じて、将来を担う技術人財の育成に力を入れています。また、OBを講師とする「帝人テクノカレッジ」などを通じて、現場での知識・技能・技術の伝承を図っています。

さらに、かつて帝人に在籍され2010年ノーベル化学賞を受賞された根岸英一先生(米国パデュー大学)を名誉フェローに迎え、先生の研究指導を通じて、優秀な人財の育成も行っています。