社会・環境(CSR)

コンプライアンス・リスクマネジメント

コンプライアンス・リスクマネジメントの推進

基本姿勢

コンプライアンスとリスクマネジメントは、コーポレート・ガバナンスを支える内部統制の柱であり、切り離せない両輪であるという考えの下、国内外グループ会社への企業倫理の浸透と事業継続マネジメント(BCM)の推進に努めています。

行動規範

Integrity

私たちは、法令・規則を遵守し、人権および地域コミュニティを尊重して、誠実に行動します。

コンプライアンス・リスクマネジメントの推進体制

グループCSR委員会の下に設置されたグループコンプライアンス・リスクマネジメント部会を年2回開催し、コンプライアンス・リスクマネジメント(CRM)に関する方針・施策・活動を審議し、グループ内への展開を図っています。 2017年度は、行動規範の見直し、BCP関連規定の見直し、GDPR(EU一般データ保護規則)への対応などに取り組みました。

国内では、事業グループおよびグループ会社にCRMの責任者と推進責任者を定め、各職場での活動を管理・運営しています。海外では、事業グループおよびグループ会社が独自に教育を実施するほか、帝人(株)が主催するグローバルコンプライアンス会議を、毎年、主要な海外地域と共に開催しています。2017年度は、中国で1回開催しました。さらに、2017年度は初の試みとして、主要な海外グループ会社の代表が日本に集まり、グローバルCSR会議を開催しました。

コンプライアンスとリスクマネジメントの位置付け

コンプライアンスとリスクマネジメントの位置付け

コンプライアンス・リスクマネジメント活動のPDCAサイクル

コンプライアンス・リスクマネジメント活動のPDCAサイクル

CSR管掌によるレビューの結果(法令違反および事件・事故の有無)

事業グループおよびグループ会社におけるCRM活動の当年実績(期間1月1日~12月31日)について、毎年2月にCSR管掌によるレビューを実施しています。このレビューでは、事業グループおよびグループ会社が提出するCRM活動調査票に基づき、活動の実績と重大な法令違反および事件・事故の有無を確認しています。

2018年2月のCSR管掌レビューにおいて、法令違反および事件・事故に関するもので重大案件はありませんでした。

企業倫理・コンプライアンス活動

「コンプライアンスは健全な企業風土を形成する活動である」という考えから、業務関連法令や社内規程だけでなく、企業倫理を周知徹底する教育を実施しています。

また、帝人グループ内で法的・倫理的に不適切な問題が発生した場合に、組織の自浄作用を働かせて組織内で解決することを目的として、相談・通報制度(ホットライン)を運営しています。

行動規範の改定

行動規範

帝人グループは、社会環境の変化に応じて、国連SDGs(持続可能な開発目標)やグローバル・コンパクトなどへの対応を明確にするため、また、グループ社員が価値観を共有し、意識と行動を変革していくため、2017年度に従来の「企業行動規範」を全面的に改定し、新しい「行動規範」を策定しました。新たな「行動規範」は5つの項目から成り、欧州、米州、アジアをはじめ、事業を展開する多数の国や地域の多様な文化のもとで働く社員が覚えやすく理解しやすいようになっています。2018年度は、従来の「企業行動基準」などに定めていた内容を、「行動規範」の解説文としてまとめる予定です。

また、公務員贈賄防止については、2016年に新しいルールの策定に着手し、2017年度は、グループ内の各組織と意見交換を行いました。2018年度に、各国や地域事情を加味した細則を含め、新ルールを策定する予定です。

企業倫理全員研修の開催

帝人グループでは、毎年、全ての役員・社員(契約社員や派遣社員を含む)を対象に、企業倫理全員研修を実施しています。

2017年度の参加率は、国内は92%と昨年より1ポイント増加しました。海外では対象となるグループ会社数が昨年度の77社から67社となり、参加率は53%(4,847人)保証対象指標となりました。
研修の教材については、社員全員が企業倫理を身近なものとして考えることができるよう、ケーススタディを日本語版4事例、英語版3事例用意しています。

企業倫理全員研修確認シートによる調査

企業倫理全員研修確認シート

国内では毎年、グループ会社の役員・社員(契約社員や派遣社員を含む)を対象に「企業倫理全員研修確認シート」による調査を実施し、全員研修への参加率と企業倫理への関心・理解を調査しています。2017年度は合計12,503人保証対象指標を対象に実施し、12,390人保証対象指標から回答を得ました(回答率約99%)。全員研修への参加率は役員・管理職が91%、一般社員が93%で、「参加できなかったが自習した」人も合計すると99.7%となり、どの社員区分においてもほぼ全員が企業倫理を学びました。全員研修の内容についての問いには、71%が「理解を深めた」と回答しました。各職場の状況に適したテーマ・内容に工夫した結果、参加者の理解が深まる研修になっていることがうかがわれます。

企業倫理・コンプライアンスの浸透に向けた活動

(1)階層別研修

国内では、CSR・信頼性保証部が国内グループ会社の新入社員、中堅社員、新任課長、新任部長に対する階層別研修の一環として、CSRの基礎知識や社員の役割をテーマに討議を取り入れた教育を毎年実施しています。2017年度の参加者は321人保証対象指標でした。
海外では、新任管理職を対象に研修プログラム「EaGLES」のe-ラーニングを実施することで、企業倫理の浸透を図っています。

(2)巡回研修

2016年度から、CSR・信頼性保証部が各事業や関係会社の拠点に出向いて実施する巡回型の企業倫理研修を、本格的に開始しました。

この研修では、企業倫理・コンプライアンスを身近な問題として認識してもらうため、社内外で起こりがちな事例を元にしたケーススタディを取り入れています。また、巡回先の事業や関係会社のニーズに合わせてカリキュラムを組むことで、研修効果の向上を図っています。2017年度は、10カ所で20回開催し、のべ427人が受講しました。

上記以外にも、コンプライアンス・ホットラインを担当している弁護士を講師に招いて2事業所で研修を行い、94名が参加しました。また、本社部長会でも同様の研修を行い、50名が参加しました。このほか、新たに帝人グループの一員となった会社に対しても同様の研修を行いました。

(3)推進責任者研修

CSR・信頼性保証部が主催し、東京・大阪本社で開催しています。2017年度は、企業倫理とコンプライアンスに重点を置いた研修を実施し、推進責任者59人保証対象指標が参加しました。企業倫理月間の全員研修で使用する教材を用いてグループワークによるケーススタディを実施し、他社で実際に発生した事例を基に討論することで、全員研修を展開する際のポイントを学びました。

(4)各職場での教育

2017年度企業倫理月間告知ポスター

国内外の推進責任者が、国内外の各職場で随時教育を実施しています。各職場で自主的に教育・学習しやすい環境に整えるため、常時イントラネット上に教材や事例集を掲載しています。

また、毎年10月の企業倫理月間では、国内外の各職場で「企業行動規範」などの再確認を行っているほか、多言語によるCEOメッセージの発信や企業倫理月間告知ポスターの掲示などを行っています。

2017年度のCEOメッセージでは、「企業倫理においても、イノベーションを生み出すためにも、ネガティブなことを率直に話し合える雰囲気が重要」であることが強調されました。また、ポスターの標語は毎年社内公募しており、2017年度は「企業倫理はみんなが主役 あなたの意識で会社が変わる」を採用しました。

言語は年々増やしており、2017年度は、日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)・タイ語・インドネシア語・ドイツ語・韓国語・オランダ語にフランス語、スペイン語、ベトナム語、ミャンマー語を加え、計13言語となりました。

(5)e-ラーニング

国内グループ会社の新入社員、中堅社員、新任管理職を対象に、それぞれ初級編、中級編、上級編のプログラムを構築しています。2017年度は、受講者合計481人保証対象指標に対し、修了者は479人保証対象指標でした。

倫理意識調査アンケートの実施

企業倫理意識調査の実施

倫理意識調査アンケート結果

従来、一部の従業員を対象に実施してきた「倫理意識調査アンケート」を拡充し、2016年度より「CSR意識調査アンケート」を実施しています。本アンケートは、従業員の倫理意識や満足度に加えて、企業理念・ブランドステートメントやダイバーシティなど、CSR全般をカバーしています。

2017年度は国内グループ会社の全従業員を対象にアンケートを実施し、9,894人(79.7%)から回答を得ました。
「あなたは、帝人グループの倫理意識は社会の模範になるくらい高いと思いますか」という質問に対し、「そう思う」「どちらかというと、そう思う」と評価する回答者が75%である一方、「そう思わない」「どちらかでいとうと、そう思わない」と評価する回答者が12%いることがわかりました。
また、「あなたは、職場で自分の上司に直ちに報告しづらい違反行為やその疑いを発見したとき、自社・自事業または帝人グループのホットラインや相談窓口に相談しようと思いますか」そういう質問に対し、「そう思う」「どちらかというと、そう思う」と評価する回答者が76%である一方、「そう思わない」「どちらかでいとうと、そう思わない」と評価する回答者が15%いることがわかりました。

今後も、倫理意識の向上を目指し、相談しやすく自浄力のある職場づくりに向けた啓発活動に取り組みます。

相談・通報窓口の運営

2017年度の社内からの相談・通報内容保証対象指標

帝人グループでは、1999年に全てのグループ会社社員を対象とした相談・通報窓口を開設しました。現在、国内の帝人グループの組織で働く人は誰でも利用可能です。2006年からは社外取引先向け窓口をウェブサイトに設けています。これに加え2013年度からは、毎年10月の企業倫理月間に、「企業倫理意見箱行き」の直送封筒を国内グループ企業の社員全員に配付しています。

海外のグループ会社で働く社員は、帝人グループの相談・通報制度のうち、企業倫理意見箱や直接通報などが利用できるほか、Teijin Holdings USA, Inc.とTeijin Aramid B.V.が、それぞれ、北米にあるグループ会社、Teijin Aramid B.V.傘下のグループ会社社員からの相談・通報を受け付けています。2017年度は、帝人(中国)投資有限公司が中国グループ会社における法令遵守および帝人グループ倫理規定遵守の強化を目的に、中国にあるグループ会社の社員を対象にした相談・通報窓口を開設しました。

相談・通報窓口の利用促進に向けては、国内・海外を通じて、企業倫理月間にすべての職場に掲示するポスター(13言語)に、直接通報窓口の連絡先を記載しているほか、国内では、イントラネット内にホットラインのページを常時設置し、ホットライン携帯カードの配布や巡回型研修の機会を利用して周知しています。2017年度のグループ内からの相談・通報件数は昨年と同数の95件でした。

なお、帝人グループ外からの通報は、帝人グループのウェブサイト(日本語)に2006年に設置した「取引先からの通報受付」で受け付けています。2013年からは、グローバルウェブサイト(英語)にも設置しました。

これら帝人グループの相談・通報制度は、CSR管掌の裁定の下に運営しています。重大なリスクとなり得る相談・通報はTRM(Total Risk Management)コミティーに報告され、トップマネジメントが対処します。また、社員の啓発や予防的見地より、社員からの相談・通報内容と対応については、プライバシーを守りつつ、半期ごとにイントラネット上に全件を開示しています。

リスクマネジメント活動

帝人グループでは、一元統轄的なリスクマネジメントを実践するため、CSR管掌の下にCSR・信頼性保証部を置き、その配下に、リスクに関して総合的に管理する「TRMグループ」を設置しています。

2017年度は、定量的にリスクを抽出・評価するためのリスク対策シートを主要なグループ会社(国内37社、海外44社)に展開し、得られたデータを基に特定された各種リスクへの対策を図りました。さらに、それぞれの損害規模および発生頻度の観点から定量化を実施し、帝人グループとしてのリスク重大性評価を行いました。

事業運営リスク対応、事業継続計画(BCP)の状況

海外拠点への対応

世界各地で自然災害やテロ事件などが発生していますが、2017年度も帝人グループ関係者への直接の被害は確認されませんでした。また、海外拠点とリスク対応の連携を深めるため、欧州(オランダ、ドイツ)の各拠点担当者と現地において協議を行いました。

業務継続計画(BCP)

2017年度は、「経営中枢機能の業務継続計画」を作成しました。本社ビルが機能不全となった場合でも継続すべきマネジメント業務の特定や実行方法、緊急対策本部の設置場所などを取り決め、文書として関係者に配布しました。

安否確認訓練

緊急時の従業員安否確認訓練として、帝人グループのインフォコム(株)の緊急時安否確認システム「エマージェンシーコール」を活用した国内通報訓練を2017年6月から2018年3月にかけて実施しました。最終的な参加者は11,829人保証対象指標となりました。8月の訓練では一部の部署を除き通報後24時間で安否応答が確認できない人に対して、各部署で追跡して再確認をとるというプロセスを入れ、通報48時間後の安否確認率は99.7%と昨年の99.3%から上昇しました。

事業継続訓練の実施

事業継続マネジメントの一環として、国内各事業所や研究所などにおいて、防災訓練と地震避難訓練を実施しています。

また、本社スタッフの緊急対応訓練では、「模擬会社対応訓練(モック・ディザスター)」を導入し、2017年3月、参加者20名によるロールプレイング方式での緊急対応訓練を東京本社で実施しました。

情報セキュリティ

帝人グループでは、営業機密や技術情報、個人情報などの漏えい防止策を講じるとともに、情報システムの管理を徹底することで、情報セキュリティの維持・向上に努めています。さらに、各部署でIT責任者、個人情報保護責任者および営業秘密責任者を定め、情報システムやネットワーク、施設、個人情報、営業機密などの情報資産の管理状況を毎年確認しています。同時に、経営監査部が全てのグループ会社に対して情報セキュリティ監査と個人情報保護監査を実施しています。

2017年度も外部からのサイバー攻撃による実質的な情報流出はありませんでした。