株主・投資家情報

株主・投資家との対話の状況

対話の実施状況と主な対応者

基本的な活動

当社では、株主・投資家の皆様に当社の経営方針・経営戦略への理解を深めていただき、信頼関係を構築することを目的として、さまざまな形態での対話を実施しています。四半期ごとに決算説明会を開催するとともに、投資家とのミーティングを積極的に実施し、詳細な質疑への対応を行っています。また、中長期経営方針やその進捗に関する経営概況説明会、個別事業に関する説明会や工場見学会、ESGの取り組みに関する説明会や、その他重要開示案件に係る説明会なども開催しています。海外IRとしては、北米、欧州、アジア地区を中心に年3~5回、CEO、CFOまたは経営企画管掌等がオンラインまたは対面で個別ミーティングを行っています。また、証券会社等が開催する海外機関投資家向けのカンファレンス等にも積極的に参加しています。さらに、3~5月に大株主との株主面談、12~1月には、投資家と統合報告書に関する意見交換を行う面談も実施しています。また、個人株主向けには、CEOが経営方針や事業概況を経営説明会で説明しているほか、当社製品を展示する施設(テイジン未来スタジオ)の見学会も開催しています。

2023年度の活動

2023年度は、四半期ごとの決算説明会の他、2023年11月に投資家・アナリスト約100名を対象としたアラミド事業説明会を開催し、事業の概況と中長期的な成長戦略などの理解の深化に努めました。また、年間を通じて国内・海外在住の株主との対話に積極的に取り組み、CEOをはじめ、CFO、経営企画管掌、サステナビリティ管掌等の社内取締役が参画しました。2023年12月には社外取締役も株主との対話に参加しました。国内外機関投資家、アナリストとの面談を積極的に実施したことに加え、海外IRとしては対面やオンラインで複数の海外投資家と面談を実施したほか、2024年2月、3月に証券会社主催の対面でのカンファレンスに計2回参加しました。また、個人株主向けに、9月に経営説明会を開催したほか、1月に製品展示施設の見学会を開催しました。

決算説明会(4回)

CEO(第1四半期)、 CEOならびにCFO(第2、第3四半期および年度)

アラミド事業説明会(11月)

CEO、経営企画管掌、アラミド事業本部長

個別面談(年260回程度。海外IR約20回、株主面談約30回、統合報告書面談6回含む)

CEO、CFO、社外取締役、経営企画管掌、サステナビリティ管掌、IR担当者

個人株主向け経営説明会(9月)

CEO

個人株主向け製品展示施設見学会(1月)

対話を行った株主・投資家の属性

海外株主・投資家:約4割、国内株主・投資家:約6割

当社は株主・投資家の皆様との信頼関係の構築を経営の重点事項と位置づけ、積極的な情報開示、双方向コミュニケーションの充実に努めています。大株主である機関投資家に加え、国内外のバリューまたはグロースのスタイルを中心としたアクティブ投資家とも幅広く対話を実施しています。

株主・投資家からの意見・懸念についての経営陣に対するフィードバックの実施状況

当社では株主・投資家との対話で把握した意見を取締役会および経営会議へ報告し、中期経営計画を含む経営戦略策定についての議論の深化などに活用しています。2023年度は、「収益性改善に向けた改革」に取り組みながら、2024年5月に発表した新中期経営計画を策定するにあたり、株主・投資家からの当社業績や成長戦略などに関する意見を取締役会や経営会議にフィードバックしました。また、非財務情報に関する意見等も参考としながら、グローバル経営基盤の強化を進めていきます。

頻度 報告内容
株主・投資家、
アナリストのコメント
毎月 取締役会・経営会議にてサマリーを報告
アナリストレポート 四半期
必要に応じて随時
アナリストレポートのサマリーをメール等で報告
IR活動状況 半期 取締役会・経営会議にて活動内容および主要課題、株主・投資家との対話の状況などを報告

対話の主なテーマや株主の関心事項

2023年度の主な意見交換項目

  • 2023年度の収益性改善計画の進捗状況
  • 新中期経営計画に向けた検討状況(事業ポートフォリオ戦略、成長戦略 など)
  • 株主還元方針
  • ガバナンス向上・改善に向けての取り組み
  • 取締役や社外監査役の選任・検討プロセス
  • 気候変動への取り組みと進捗
  • 人的資本戦略やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
  • 政策保有株式の縮減
  • 親子上場

2023年度の具体的なご要望・ご意見

2023年度の収益性改善計画の進捗状況
  • 今後どのような優先順位でどのような施策を打ち出して進めていくのか、2023年度で目指した改善がきちんと実行できるかなど、実行力を注視したい
  • 外部環境変化に対してもっとスピード感があると良いと感じる。前倒しで進捗できると印象が良くなる
新中期経営計画
  • 構造改革案を出されたことは高く評価するが、収益対策にとどまらずさらなる抜本的改革案を示してほしい
  • 構造改革の先のポートフォリオを考える上で、帝人の持つ強み、帝人らしさを改めて考える必要がある
  • ただ事業売却だけのような対応だと今後の成長性に疑念が出るため、一過性の変化でないところが見たい
  • 将来どの事業分野に経営資源・人財・資金を投入していく考えであるのか示してほしい
株主還元方針
  • 株主還元水準は、中期経営計画でのキャッシュ創出力と、それをどのように成長投資や財務健全性に配分するかなどを含めたキャピタルアロケーションという形で示してもらいたい
ガバナンス体制
  • 組織階層をフラット化することで、事業の情報をとりやすくしていることが良く理解できた
  • 取締役会では、どういった議論がなされ、次期中期経営計画にどう活かされるのかを伺いたい
  • 各諮問委員会や社外取締役が外部の視点できちんと株主の期待通りの役割を果たしているのかに強い関心を持っている
気候変動への取り組み
  • コストだけではなく成長戦略として捉えているのが良いと感じるため、引き続き進捗を知りたい
人材戦略、
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
  • 優秀な人財を集め、良いパフォーマンスができる労働環境を整備できているかに注目している
  • 女性役員比率や従業員満足度などのKPIよりも、何を重要と考え、なぜその施策をとり、それが将来の企業価値向上にどう結びつくのかについて、ストーリー性のある開示を楽しみにしている
親子上場
  • シナジーがあるなら取り込む、シナジーが見込めないなら親子上場から外すなど、何らかの形で方向性を変えていくべきである
財務情報と非財務情報の
統合的開示
  • 現状の多様性に関する数値、CO2排出量などのサステナビリティや人的資本に関するKPIは現状と目標値が時系列で開示されると良い