株主・投資家情報

コーポレート・ガバナンスの概要

基本的な考え方

帝人グループでは、企業価値の持続的向上を基本的使命であると踏まえた上、多様なステークホルダー(利害関係者)に対する責任を果たしていくために、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。コーポレート・ガバナンスの基本を「透明性の向上」「公正性の確保」「意思決定の迅速化」「監視・監督の独立性の確保」とし、「独立社外取締役が半数以上を構成する取締役会と執行役員制」、「独立社外取締役が過半数を構成する監査等委員会」、「独立社外取締役が過半数を構成する指名諮問委員会・報酬諮問委員会」等を通じ、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・強化に努めています。
当社は2025年6月25日付で監査等委員会設置会社に移行し、経営に関する意思決定の迅速化、取締役会における経営上の重要課題に関する議論の充実および監督機能の強化を図っています。

コーポレートガバナンス・コードへの対応状況

当社は、東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」に記載された項目をすべて実施しています。詳細につきましてはコーポレート・ガバナンスに関する報告書をご覧ください。

政策保有株式

(1) 政策保有株式に関する方針

当社は、取引維持・強化及び業務提携の推進等を図ることにより、中長期的な企業価値向上に資すると判断した企業の株式を保有しています。
保有する株式については、個別銘柄ごとに保有目的及び合理性について中長期的な観点から精査し、保有の適否を取締役会にて毎年検証しています。
検証においては、配当・取引額等の定量効果と資本コストの比較に加え、経営戦略上の重要性や事業上の関係等を総合的に勘案しています。
なお、検証の結果、保有意義が希薄化したと判断したものについては売却を進めており、2025年度においても、特定投資株式1銘柄の全保有株数、特定投資株式1銘柄の一部保有株数を売却し、売却価額の合計は5億円となりました。
今後も、現在保有する政策保有株式企業との協議を継続し、上場株式については原則として全株式を売却するよう努めます。
また、当社の株式を保有する政策保有株主から売却等の意思表示がなされた際には、売却を妨げることなく適切に対応しています。

  1. *売却価額は、当社単体における上場株式の額

(2) 政策保有株式に係る議決権行使基準

保有すると判断した株式に係る議決権の行使については、当社の中長期的な企業価値並びに投資先企業の株主価値の向上の観点から、議案ごとに確認を行い、賛否を判断します。投資先企業の企業価値に重大な影響が生じる可能性のある議案については、特に留意して必要な情報を収集し精査します。

ガバナンス強化に向けた主な取り組み

1999年
  • 取締役の人数:24名→9名
  • 独立社外監査役 3名選任(監査役会の過半数)
  • 執行役員制度を導入(業務執行における意思決定の迅速化と責任体制の明確化)
  • アドバイザリー・ボードの設置
2003年
  • 独立社外取締役:3名選任
2012年
  • 独立社外取締役:4名選任
2015年
  • 指名諮問委員会/報酬諮問委員会を設置
2021年
  • 取締役会議長を常時独立社外取締役に
  • 役員報酬制度を改定(譲渡制限付株式報酬および業績連動型株式報酬を導入)
  • 名誉顧問制度を廃止 *、顧問・特別顧問制度を廃止
2022年
  • アドバイザリー・ボードの体制・機能を変更
    (議長を取締役会の議長である独立社外取締役に変更するとともに、CEO/会長を含むすべての取締役の指名/報酬諮問機能を、指名諮問委員会または報酬諮問委員会に一本化)
2023年
  • 取締役会の構成メンバーを変更
    (独立社外取締役の構成比率を50%へ引き上げ)
2024年
  • 取締役会の構成メンバーを変更
    (独立社外取締役の構成比率を57%に引き上げ)
2025年
  • 監査等委員会設置会社へ移行
  • 社外アドバイザー体制の変更
  1. *現シニア・アドバイザーから適用

組織形態:監査等委員会設置会社

取締役会

取締役会は、原則月1回開催され、法令・定款に定められた事項のほか、帝人グループ全体の経営方針、全体計画等の重要事項について審議し決定または承認するとともに、取締役の職務執行を監督しています。取締役会規則において取締役会付議事項を定めるほか、意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化を目的に、執行役員制度を導入し、帝人グループの業務執行に関する重要事項(各事業および機能運営に係わる個別中・短期計画、個別重要事項)について、各執行役員に対して適切な権限の委譲を行っています。
定款において、取締役の定数を12名以内とし、そのうち監査等委員である取締役は5名以内と定めています。また、原則として取締役総数の半数以上を社外取締役とすることとしています。2026年8月時点で、当社の取締役会は11名(うち4名は女性)で構成し、当社の定める独立取締役の要件を満たす社外取締役は6名です。なお、監査等委員でない取締役は6名、うち独立社外取締役は3名で構成し、任期は定款で1年と定めています。一方、監査等委員である取締役は5名、うち独立社外取締役は3名で構成し、任期は定款で2年と定めています。監視・監督と業務執行の分離の一環として、取締役会議長は原則として監査等委員でない社外取締役から選定することとしています。


主な議題・審議事項

経営・事業戦略
  • 長期ビジョンの見直しと新中期経営計画、戦略
  • 中期経営計画2024-2025の進捗モニタリング
  • サステナビリティの方針
  • 人的資本/知財に関する取り組み
  • 事業戦略上の重要投資案件
  • 重要投資案件等の進捗モニタリング
  • 2026年度短期経営計画 他
コーポレート・ガバナンス
  • 取締役会の実効性評価
  • 内部統制システム運用評価結果報告および内部統制システムの基本方針
  • コーポレート・ガバナンスガイドの改定
  • コーポレート・ガバナンスに関する報告書の提出
  • 政策保有株式の状況
  • リスクマネジメント・コミティー 2025年度実績・2026年度計画
  • 監査等委員会監査計画および定期活動報告 他
決算/IR/株主総会
  • 決算および業績見通し
  • 剰余金の配当
  • ステークホルダーコミュニケーション取り組み状況
  • 定時株主総会総括 他
役員人事/報酬
  • 帝人グループ執行役員(経営役員*)の就退任および委嘱業務
  • 取締役および帝人グループ執行役員の報酬制度および報酬額 他
  1. *経営役員:帝人グループ全体の経営戦略等の審議に必要不可欠なコアメンバーとなる帝人グループ執行役員

取締役のスキルマトリックス

当社は、中期経営計画や経営課題に基づき、「スキル項目の選定理由」を踏まえて、スキルマトリックスを設定しています。各取締役が保有しているさまざまな知識、経験、能力の中から、「取締役会・監査等委員会の役割・責務を果たすうえで特に貢献を期待するスキル」を表し、全体としてバランスを備えた取締役会・監査等委員会の構成を目指しています。
また、ジェンダーを含めた多様性の向上にも努めており、取締役のうち女性(楠瀬玲子、鳥居知子、南多美枝、竹岡八重子の4氏)の比率は36%です。なお、南多美枝氏は外国籍です。

スキル項目の選定理由

カテゴリー スキル項目 スキル項目選定理由
経営・変革 事業会社(上場)経営
  • 経営環境を踏まえ、上場事業会社運営上の機会とリスクを把握し、企業価値向上のために、総合的観点から適切な意思決定、監督が重要と考えます
事業再構築・社内改革
  • ポートフォリオ変革を進める上で、事業再構築や社内改革などチェンジマネジメントをリードした経験や知見が生かされると考えます
機能・基盤 生産・技術・品質・知財・DX
  • 生産革新、品質管理・信頼性保証、研究開発、知的財産やDXの取り組みは、競争力や収益力向上の基礎として、重要性がますます高まると考えます
グローバル組織マネジメント
  • 異なる価値観や複雑さを内包するグローバル組織運営の知見は、組織能力の最大化やリスクマネジメントに生かされると考えます
人的資本・DE&I
  • 経営戦略の実効性向上のための帝人グループのパーパス浸透による企業文化の変革と人的資本の取り組みとして、「戦略を実装する『適所』の確立と『適材』の確保」「人財が活躍するための施策」を進めることが企業価値向上に必須と考えます
財務・会計・IR
  • ポートフォリオ変革、持続的な成長を支える強固な財務基盤に向けて、財務戦略・資本政策や資本市場とのコミュニケーションは重要と考えます
リスクマネジメント・法務
  • 情報収集と分析を通じ、複雑化・高度化するリスクに適切に対処することは、企業価値維持・向上に必要不可欠であると考えます
サステナビリティ
  • 帝人グループのパーパス"Pioneering solutions together for a healthy planet"を起点として、サステナビリティの観点で企業価値向上を追求することは重要と考えます

スキルマトリックス

取締役(執行役員・独立社外取締役)

執行役員 独立社外取締役
内川
哲茂
森山
直彦
中原
雄司
津谷
正明
楠瀬
玲子
前田
東一
経営・変革 事業会社(上場)経営 ● ● ●
事業再構築・社内改革 ● ● ● ● ● ●
機能・基盤 生産・技術・品質・知財・DX ● ● ● ●
グローバル組織マネジメント ● ● ● ● ●
人的資本・DE&I ●
財務・会計・IR ● ●
リスクマネジメント・法務 ● ●
サステナビリティ ● ● ● ●
  1. *取締役会・監査役会の役割・責務を果たす上で、特に貢献を期待するスキルを記載するもので、保有するすべてのスキルを表すものではありません。なお「機能・基盤」においては、2つ程度を目安としています。

取締役(常勤監査等委員・独立社外取締役/監査等委員)

常勤監査等委員 独立社外取締役/監査等委員
鳥居
知子
浜島
直樹
辻󠄀
幸一
南
多美枝
竹岡
八重子
経営・変革 事業会社(上場)経営
事業再構築・社内改革 ●
機能・基盤 生産・技術・品質・知財・DX ● ●
グローバル組織マネジメント ● ●
人的資本・DE&I ● ●
財務・会計・IR ● ●
リスクマネジメント・法務 ● ●
サステナビリティ
  1. *取締役会・監査役会の役割・責務を果たす上で、特に貢献を期待するスキルを記載するもので、保有するすべてのスキルを表すものではありません。なお「機能・基盤」においては、2つ程度を目安としています。

取締役の活動状況

氏名 当社における
地位
在任期間 期待される役割 出席状況
(2025年度)
取締役 内川 哲茂 代表取締役
社長執行役員
5年 事業再構築や収益力向上の主導、課題事業の固定費削減を含む構造改革、非中核事業の売却や戦略的な事業統合、収益基盤強化に向けた構造転換の加速(中期経営計画2026-2028の実現) 取締役会13回中13回
森山 直彦 代表取締役
専務執行役員
5年 成長戦略立案・推進や変革の主導、事業ポートフォリオ変革と持続的成長に向けた方向性の確立、中期経営計画を推進する上で生じるさまざまな障壁への戦略的対応 取締役会13回中13回
中原 雄司 取締役
執行役員
1年 新たな成長機会の創出、スペシャリティマテリアルズの付加価値向上、ビジネスモデルの転換加速、持続的な競争優位の確立 取締役9回中9回*1
独立社外
取締役
津谷 正明 取締役 4年 上場会社CEO・会長の経験と豊富な事業経験、高い見識に基づく意思決定や業務執行の監督ならびに経営への助言 取締役会13回中13回
楠瀬 玲子 取締役 2年 経営統合を行った企業における企業変革やグローバルな組織運営の経験、DE&Iの視点に基づく幅広い知見・高い見識に基づく意思決定や業務執行の監督ならびに経営への助言 取締役会13回中13回
前田 東一 取締役 1年 上場会社社長・会長の経験と豊富な事業経験、卓越した見識に基づく意思決定や業務執行の監督ならびに経営への助言 取締役9回中9回*2
常勤監査等委員 鳥居 知子 取締役(常勤監査等委員) 2年 科学・技術に関する知識に基づくヘルスケア事業での豊富な業務経験と、事業活動や企業風土への理解に基づく意思決定、業務執行の監査・監督、助言 取締役13回中13回
(うち監査役として4回)*2
監査等委員会13回中13回
監査役会3回中3回
浜島 直樹 取締役(常勤監査等委員) ー 経理・財務と事業管理の双方にまたがる経験と知見に加え、当社の事業構造への深い理解や幅広いステークホルダーの視点への精通に基づく意思決定および業務執行の監査・監督、助言 2026年6月に就任
独立社外取締役/監査等委員 辻󠄀 幸一 取締役(監査等委員) 3年 公認会計士や企業経営等の経験に基づく高い見識や、リスクマネジメントの知見を踏まえた業務執行の監査・監督、助言 取締役13回中13回
(うち監査役として4回)*2
監査等委員会13回中13回
監査役会3回中3回
南 多美枝 取締役(監査等委員) 3年 グローバル企業におけるヘルスケアや産業材関連事業、複数地域での責任者経験および、マーケティングの知見を踏まえた意思決定、業務執行の監査・監督、助言 取締役会13回中12回
監査等委員会13回中13回
竹岡 八重子 取締役(監査等委員) 1年 企業法務(知的財産権・コンプライアンス等)の高い見識および豊富な社外役員経験を通じて培われた経営視点、企業内監査体制の知見を踏まえた意思決定、業務執行の監査・監督、助言 取締役会9回中9回*1
監査等委員会13回中13回
  1. *12025年6月に取締役に就任して以降、2026年3月までの出席状況
  2. *22025年4月から同年6月は監査役としての出席状況、2025年6月に取締役(監査等委員)に就任して以降、2026年3月までの出席状況

取締役会の実行性評価

取締役会の一層の実効性確保および機能向上を目的に、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を年に1回実施しています。

2025年度の実効性評価の方法

実効性評価結果の総括

2025年度も現行のコーポレート・ガバナンス体制および運用に問題はなく、当社の取締役会は、全体として適切に機能しており、実効性が確保されていることと評価されました。また、監査等委員会設置会社への移行が適切に行われ、取締役会議長の強いリーダーシップによる自由闊達な議論の促進や監査等委員会・指名諮問委員会・報酬諮問委員会の各委員長による情報連携の努力が確認される等、モニタリングボードを志向した取り組みが着々と進められていることが確認されました。一方で、モニタリングボードの実現に向けて必要な議論・取り組みが残っていることも確認されました。

取締役会のさらなる実効性向上のために2025年度に取り組んだ実績

2024年度の取締役会の実効性評価における課題への対応

                         
課題 対応
重要課題の議論深化
  • 期初に重要課題を抽出・優先順位付けし、検討ポイントを整理
  • 年間アジェンダ・スケジュールを策定し、議論を深化
経営執行体制の再整備と機能向上
  • コーポレート機能が、グループ会社の同機能とグローバルに連携する各種取り組みを強化
  • 新中期経営計画の達成に向けて、事業領域ごとに最適化を目指す「所管」の設置を決定
経営人財の育成(専門性強化・次世代の育成)
  • デジタル・情報システム管掌を新設し、専門性の高い外部人財を採用
  • 社外取締役が次世代経営チーム育成プログラムにも参画

その他の取り組み

項目 具体的内容
監査等委員会設置会社への移行
  • 経営に関する意思決定の迅速化、取締役会における経営上の重要課題に対する議論の一層の充実および監督機能の一層の強化を目的に、監査等委員会設置会社に移行
  • ⇒モニタリングボード化に向けた取り組みが着実に進展
協議・情報共有機会の確保
  • 取締役会とは別に取締役による定例会合を設け、方向性協議や情報共有を実施
  • ⇒取締役会における審議の前提事項や考え方の共有が促進
監査等委員会からの定期活動報告
  • 監査等委員会の活動内容を2か月に1回取締役会へ報告する仕組みを導入
  • ⇒重要な監査関連情報の早期共有により、取締役会の監督機能を強化

2025年度の取締役会の実効性評価にて認識された課題と今後の取り組み

2025年度に実施した取締役会の実効性評価も踏まえ、取締役会で議論した結果、2026年度においては以下の課題への取り組みを一層推進していくこととしました。今後も取締役会の実効性を向上させ、コーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めていきます。

課題 対応
モニタリングボード化を踏まえた重要審議課題設定と審議の実効性向上
  • 年間アジェンダ設定と経営環境変化に応じた適宜見直し
  • 取締役会での議論・意思決定の質を高める前提となる事前提供情報の充実化と論点整理
  • 取締役会から執行への権限委譲の拡大による適切な役割分担の確立
グループ連結経営の実効性を向上させるための体制整備の監督

以下の検討・実行状況を監督

  • 重要リスクの把握・管理に重要な役割を担う第2線(リスク管理・コンプライアンス等)によるモニタリング・支援・助言機能の強化
  • グローバルな内部監査体制強化に向けた検討の加速と、これを踏まえた組織体制・監査手法、マニュアル、人財配置・教育等の基盤整備
新中期経営計画の進捗・前提に対する適切なフォローアップの実施
  • 新中期経営計画のマイルストーンや想定した前提条件に対するモニタリング
  • 経営環境変化や計画からの乖離が生じた際には、適時に課題を設定し、執行側による対応策の検討・実行状況を監督
取締役会・監査等委員会による監督に資する情報提供の充実
  • 事業責任者/機能責任者と取締役との間での重要業務執行についての直接討議機会の拡充
  • 監査等委員会、指名諮問委員会、報酬諮問委員会の間の情報共有の充実化
  • コーポレート・セクレタリーを設置し、社外取締役への情報提供、連絡・調整・活動支援体制を強化

監査等委員会

監査等委員会は5名(うち3名は女性)の監査等委員である取締役で構成され、うち3名は当社の定める独立取締役の要件を満たしています。さらに、委員長を社外取締役とすることで独立性を高めています。また、監査等委員会は法律や財務・会計などの専門性を有する委員で構成され、専門的知見に基づき取締役の職務の執行を監査しています。

2025年度の活動内容

当社は2025年6月25日に「監査等委員会設置会社」へと移行し、監査等委員が取締役として取締役会における議決権を有すること等により、取締役会の監督機能を強化しました。移行に伴い、監査等委員会による監査体制の円滑な運営に向けた枠組みづくりを推進し、組織監査体制の強化を図っています。そのような中、2025年度は「①企業活動の健全性に焦点を当てた監査、②リスクアプローチによる予防監査の重視、③現地往査による実態把握強化、④会計監査人監査・内部監査との適切な連携」を基本方針として、以下の重点監査事項の監査に取り組みました。

主な重点監査事項
  • 課題を有する事業・グループ会社の改善計画の遂行状況および次期中期経営計画の策定プロセスのモニタリング
  • 監査等委員会設置会社への移行後の新たな経営体制での対応状況のモニタリングならびに海外拠点を含むグループ内部統制システムおよび内部監査機能の強化
  • 法令改正・規制強化・人権尊重等の社会要請への対応状況およびコンプライアンス体制・内部統制システムの整備・運用
  • 会計制度変更等への対応状況、ESH事故対策、生産設備・管理システムの整備・運用
  • IT基盤の整備およびDX推進の方向性ならびに情報セキュリティリスクへの継続的な対応状況

主な活動として、取締役会その他重要な会議への出席、重要な決裁書類等の閲覧、本社および主要事業所における業務・財産の状況調査、重要なグループ会社への往査、CEOや監査等委員でない取締役、主要執行役員、コーポレートスタッフ部長との面談等を行い、内部統制上の課題の有無について確認しました。
こうした活動で把握した課題や監査等委員会での検討内容について、定期的に取締役会へ報告・提言を行い、監査等委員でない取締役との認識共有や議論を通じて、会社の内部統制に関する取り組みの改善につなげています。また、監査等委員でない取締役の選任・報酬等に関して、指名諮問委員会・報酬諮問委員会での検討プロセスや議論の適切性を確認しています。

2026年度の活動内容

監査等委員会は、2026年5月に公表した「帝人グループ 中期経営計画2026-2028」で掲げた成長軌道への回帰に向けた経営の重要課題への取り組みを最重要監査テーマとして位置づけています。また、各事業・各機能のリスクとその重要度を可視化するため、リスク・ヒートマップ※による管理を導入しました。これは、各事業・各機能について監査上の要点ごとにリスクを3段階で評価・分類し、ハイリスク領域を 一目で把握できる仕組みとなっています。このマップを執行サイドと共有し、改善施策の進捗を継続的にフォローすることで、監査活動の実効性向上と企業価値の向上につなげていきます。

主な重点監査事項
  • 中期経営戦略上のリスクのモニタリング
  • 事業・機能別のリスク・ヒートマップによる管理と発生時の対応、再発防止の取り組み
  • グループ全体の内部統制(J-SOX含む)整備・運用
  • 海外グループ会社の内部監査体制強化を含む、内部監査組織再整備
  • 監査等委員でない取締役の選任・報酬等の検討プロセスおよび議論の適切性

指名諮問委員会/報酬諮問委員会

役員人事、報酬に関して一層の透明性の向上を図るため、取締役会の諮問機関として、指名諮問委員会および報酬諮問委員会を設置しています。それぞれの委員会では、下記の事項を審議し、取締役 会への提案、提言を行っています。両委員会は、監査等委員でない社外取締役全員、会長およびCEO(会長空席の場合は、監査等委員でない社外取締役全員およびCEO)で構成します。各委員会の委員長は、監査等委員でない社外取締役から選定するものとし、委員長が各委員会の議長となります。なお、CEOに関する案件については、利害関係者であるCEOは原則として決定メンバーに入りません。また、会長に関する案件については、利害関係者である会長は原則として決定メンバーに入りません。

審議事項

指名諮問委員会

  1. (a)CEOの交代および後任者の推薦
  2. (b)代表取締役候補者の選任・退任
  3. (c)取締役候補者(会長を含む)の選任・退任
  4. (d)監査役候補者の選任・退任
  5. (e)経営役員の人事(選任・退任・解任、昇格・降格)、シニア・アドバイザーの委嘱・解嘱に関する事項
  6. (f)独立社外取締役の独立性基準に関する事項
  7. (g)CEOの後任候補者の選定ならびにCEOによる後任候補者の育成計画、進捗状況のレビュー
  8. (h)役員関連規則(報酬関連を除く)に関する事項

報酬諮問委員会

  1. (a)取締役、経営役員、シニア・アドバイザー(以下帝人グループ役員と称する)の報酬制度に関する事項
  2. (b)帝人グループ役員の報酬水準に関する事項
  3. (c)監査等委員でない社内取締役(CEOを含む)および経営役員の業績評価と報酬額に関する事項
  4. (d)役員関連規則(報酬関連)に関する事項
  5. 2025年度の各諮問委員会の主な審議事項

    指名諮問委員会
    • CEO再任審査およびCEOによる後任候補者の育成計画・進捗状況のレビュー
    • 役員人事制度の改定
    • 2026年度役員人事
    • 社外役員の独立性
    報酬諮問委員会
    • 役員報酬制度の改定
    • 役員報酬水準の検討
    • CEOを含む社内取締役、経営陣幹部の2024年度業績評価および報酬額の算定

    取締役候補者の指名および経営陣幹部の選解任の方針と手続き

    取締役候補者については、当社の取締役にふさわしい人格・見識ともに優れた人物を、本人の能力、過去の業績等を勘案したうえ、取締役会で決定し株主総会に提案しています。また、会長、CEOを含む取締役、経営陣幹部の選任およびCEOの後継者の指名については指名諮問委員会において審議された後に取締役会に提案され、取締役会で提案を十分に考慮して決議します。経営陣幹部に不正、不当若しくは背信を疑われる行為があったとき、その他経営陣幹部としてふさわしくない事由があったときは、指名諮問委員会で審議のうえ、取締役会で解任を決定します。

    グループ経営戦略会議/グループマネジメント会議

    取締役会から権限委譲された当社および帝人グループの業務執行に関する重要事項については、CEOが、原則として毎月2回以上開催される「グループ経営戦略会議」および月1回開催される「グループマネジメント会議」での審議を経て意思決定します。「グループ経営戦略会議」は、CEO、経営役員、その他CEOが指名した者がメンバーとなり、CEOがこれを招集し、その議長となります。また、「グループマネジメント会議」は、CEO、経営役員、事業本部長、その他CEO が指名した者がメンバーとなり、CEOがこれを招集しその議長となります。なお、メンバー以外に常勤監査等委員が両会議に出席します。

役員報酬

当社における取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容に係る決定方針は、独立社外取締役を過半数とする報酬諮問委員会において、毎期、その妥当性を審議した上で、取締役会の決議により決定しています。報酬諮問委員会の審議においては、経営環境の変化や株主・投資家の皆様からのご意見等を踏まえるとともに、グローバルに豊富な経験・知見を有する第三者機関より審議に必要な情報等を得ています。なお、以下記載における「取締役」とは、別段の定めのない限り、取締役(監査等委員である取締役を除く)を指します。

報酬制度の基本方針

  1. ⅰ.短期および中長期経営目標の達成を動機づけ、かつ、中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めるものであること
  2. ⅱ.会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性が高いものであること
  3. ⅲ.ステークホルダーとの価値の共有や株主重視の経営意識を高めることを主眼としたものであること
  4. ⅳ.グローバルに優秀な経営人財を確保するために経営者のインセンティブとなる報酬水準、報酬内容とすること

報酬水準

取締役の役員報酬水準については、国内の大手企業が参加する報酬調査結果をベースとして、毎年、役位およびジョブグレードごとに総報酬の基準額の妥当性を検証の上、決定します。

役員報酬の構成

  1. ⅰ. 執行役員を兼務する社内取締役の報酬は、会社業績には連動しない定額報酬である基本報酬に加えて、短期の業績達成および中期経営計画の達成や中長期的な企業価値の向上に向けたインセンティブを付与することを目的として、変動報酬である業績連動報酬(短期インセンティブ報酬)、譲渡制限付株式報酬(中長期インセンティブ報酬)および業績連動型株式報酬(中長期インセンティブ報酬)で構成します。
    なお、執行役員を兼務しない社内取締役については、それぞれの委嘱業務に応じた基本報酬および業績連動報酬のみまたは基本報酬のみとし、譲渡制限付株式報酬(中長期インセンティブ報酬)および業績連動型株式報酬(中長期インセンティブ報酬)は付与対象外とします。
  2. ⅱ. 社外取締役の報酬は、会社業績には連動しない基本報酬のみとします。なお、 監査等委員である取締役の報酬は、職務に鑑みて、基本報酬のみとします。

役員報酬の構成比率

執行役員を兼務する社内取締役については、以下の通りの報酬構成比率としています。

定額報酬

変動報酬

役員報酬支給額(2025年度)