コーポレート・ガバナンスの概要
基本的な考え方
帝人グループでは、株主価値の持続的向上を基本的使命であると踏まえた上、多様なステークホルダー(利害関係者)に対する責任を果たしていくために、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。コーポレート・ガバナンスの基本を「透明性の向上」「公正性の確保」「意思決定の迅速化」「監視・監督の独立性の確保」とし、「独立社外取締役を含む取締役会と執行役員制」「独立社外監査役を含む監査役体制」「独立社外取締役が過半数を構成する指名諮問委員会・報酬諮問委員会」等を通じ、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・強化に努めています。また、コーポレート・ガバナンスに関する指針を帝人グループ「コーポレート・ガバナンスガイド」として制定し、公表しています。
コーポレートガバナンス・コードへの対応状況
当社は、東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」に記載された項目をすべて実施しています。詳細につきましてはコーポレート・ガバナンスに関する報告書をご覧ください。
政策保有株式に関する方針
(1) 政策保有株式に関する方針

当社は、取引維持・強化および業務提携の推進等を図ることにより、中長期的な企業価値向上に資すると判断した企業の株式を保有しています。保有する株式については、個別銘柄ごとに保有目的および合理性について中長期的な観点から精査し、保有の適否を取締役会にて毎年検証しています。検証においては、配当・取引額等の定量効果と資本コストの比較に加え、経営戦略上の重要性や事業上の関係等を総合的に勘案しています。
なお、検証の結果、保有意義が希薄化したと判断したものについては売却を進めており、2023年度においても、合計11銘柄(全株式売却5銘柄、一部株式売却6銘柄)を売却し、売却価額の合計は241億円となりました。
今後も、現在保有する政策保有株式企業との協議を継続し、上場株式については原則として全株式を売却するよう努めます。
また、当社の株式を保有する政策保有株主から売却等の意思表示が示された際には、売却を妨げることなく適切に対応しています。
- (注)売却価額は、帝人(株)単体における上場株式の額
(2) 政策保有株式に係る議決権行使基準
保有すると判断した株式に係る議決権の行使については、当社の中長期的な企業価値ならびに投資先企業の株主価値の向上の観点から、議案ごとに確認を行い、賛否を判断します。投資先企業の企業価値に重大な影響が生じる可能性のある議案については、特に留意して必要な情報を収集し精査します。
ガバナンス強化に向けた主な取り組み
1999年 |
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2003年 |
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2012年 |
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2015年 |
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2021年 |
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2022年 |
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2023年 |
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2024年 |
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- *現シニア・アドバイザーから適用
組織形態:監査役会設置会社
現時点の会社法のもとで、取締役会に要求されている重要な経営判断・意思決定と、経営の監視・監督機能の両機能を適切に機能させるためには、社内取締役執行役員が主導する業務執行体制と、社外取締役が力点を置く経営の監視・監督機能および監査役・監査役会による監視・監査機能を核としたガバナンス体制を両輪として回していくことが適切であると判断しており、当社は、当面「監査役会設置会社」を継続することとしています。

(2024年9月末時点)
取締役会

(2024年9月末時点)
取締役会は、原則月1回開催され、法令・定款に定められた事項のほか、帝人グループ全体の経営方針、全体計画などの重要事項について審議し決定または承認するとともに、取締役の職務執行を監督しています。取締役会規則において取締役会付議事項を定めるほか、意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化を目的に、帝人グループの業務執行に関する重要事項(各事業および機能運営に係わる個別中・短期計画、個別重要事項)について、各執行役員に対して適切な権限の委譲を行っています。意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化を目的に、取締役の定数を定款で10名以内と定め、大幅な権限委譲のもとで執行役員制度を導入しています。現在、当社の取締役は7名(うち2名は女性)で、当社の定める独立取締役の要件を満たす社外取締役は4名です。また、取締役の任期は定款で1年と定めています。
取締役候補者については、当社のトップマネジメントを担当するに相応しい人格・見識ともに優れた人物を、本人の能力、過去の業績等を勘案した上、取締役会で決定し株主総会に推薦しています。
監視・監督と業務執行の分離の一環として、取締役会の議長は社外取締役から選定することとしています。
2023年度取締役会
開催状況
開催回数:13回
主な議題・審議事項
経営・事業戦略 |
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コーポレート・ガバナンス |
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決算/IR/株主総会 |
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役員人事/報酬 |
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取締役会の実効性評価
取締役会のさらなる実効性確保と機能向上を目的に、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を年に1回実施することとしています。2023年度の当社取締役会の実効性評価の方法および結果の概要は次の通りです。
分析・評価の方法
全取締役および全監査役(社外役員を含む13名)を対象に、外部専門家の助言を参考にした記名式の自己評価アンケートを実施しました。アンケートの評価項目は右記の10の領域から構成され、66の質問に対し、5段階で評価の上、コメントする形式です。加えて、取締役会で議論すべき経営課題の掘り下げ、課題解決に向けた具体的なアクションプランの策定につなげるべく、自己評価アンケートをもとに、一部の取締役・監査役(7名)に対して外部専門家によるインタビューを実施しました。アンケートおよびインタビューの結果に基づき、取締役会の実効性および取り組むべき課題・改善策について取締役会で議論しました。
- 1.取締役会全体
- 2.構成
- 3.事前準備等
- 4.運営
- 5.審議
- 6.指名諮問委員会
- 7.報酬諮問委員会
- 8.監査役
- 9.自己評価
- 10.その他
評価結果
前記プロセスによる取締役会の実効性評価の結果、現状のコーポレート・ガバナンス体制および運用に問題はなく、当社の取締役会は、全体として適切に機能しており、実効性が確保されていると評価されました。
2023年度までに認識した課題への対応状況
- (1)事業ポートフォリオに関する議論
2023年度の取締役会において、2024年5月に公表した新中期経営計画の議論を通じ、事業ポートフォリオ管理を徹底し既存事業の見直しを行うとともに、重要産業セクターを中心とした成長を目指し、中長期的には従来の素材単体から、機能材料事業、加工・ソリューション型事業、在宅医療事業で培ったサービス基盤を活かした提供価値主体の事業展開へ変革するべく、異なる技術や機能の組み合わせ・顧客とのすり合わせ能力を磨くことで複雑化する顧客ニーズに対応していくことを確認しました。引き続き、新中期経営計画の進捗状況の確認とともに議論を継続していくことを確認しています。
- (2)上記(1)をベースとした人的資本などへの経営資源の配分に関する議論
2023年度の取締役会において、人的資本投資に関する方向性および施策についての報告がなされました。また、新中期経営計画の議論の中で「戦略を実装する『適所』の確立と『適材』の確保」と「人財が活躍するための施策」を大きな柱とする人事戦略を策定し、具体的なアクションプランを実行していくこととしました。引き続き、新中期経営計画に沿った形で議論を継続していくことを確認しています。
- (3)上記(1)をベースとしたデータとデジタル技術等の事業での活用実態と取組方針に関する議論
2023年度の取締役会において、新中期経営計画の議論を通じてDX人財育成についての報告がなされました。イノベーション創出のための重点施策として、デジタル・IT技術を活用したDX推進活動に積極的に取り組んでいくことが確認され、引き続き、議論を継続していくことを確認しています。
- (4)サプライチェーンも含めたBCP対応に関する議論
2023年度の取締役会において、CEOを委員長とするTRMコミティーから取締役会に対する「経営戦略リスク」や「業務運営リスク」に関する定期的な報告の中で、事業別、顧客起点のBCP/BCM整備を行っている旨の報告がなされました。さらにBCP対応を促進するため、引き続き、議論を継続していく予定です。
- (5)親子上場の合理性に関する議論
2023年度の取締役会において、新中期経営計画の議論を通じて上場子会社であるインフォコム(株)や(株)ジャパン・ティッシュエンジニアリングについて、上場を維持することの合理性について議論しました。帝人グループのみならず、(株)ジャパン・ティッシュエンジニアリングの価値最大化の観点から、上場維持が合理的であると判断しています。親子上場に関しては定期的な確認が必要であり、2024年度の取締役会においても継続して上場維持の合理性について議論する予定です。
なお、インフォコム(株)については、さらなるグループシナジーの模索と同時に、あらゆる選択肢の検討を進めてきましたが、帝人グループおよびインフォコム(株)の企業価値および株主共同の利益の向上を図る上で、ベストオーナーへのインフォコム株式の譲渡が最適であると判断し、2024年6月18日の取締役会において、当社が保有するインフォコム(株)の全株式の売却を決定しました。なお、株式売却後、インフォコム(株)は当社の連結子会社から外れることとなりますが、当社とインフォコム(株)は、本取引の完了後もIT分野における取引関係は従前通り継続しITに関するガバナンスを維持していきます。
2023年度に認識された課題と今後の取り組み
2023年度の実効性評価を踏まえ、取締役会で議論した結果、以下の課題への取り組みを一層推進していくこととしました。
- i)中長期の経営計画の進捗確認・必要に応じて戦略再検討
- ⅱ)サステナビリティ戦略に関する議論
- ⅲ)DX戦略に関する議論
- ⅳ)人的資本に関する議論
- ⅴ)取締役会の実効性のさらなる向上に向けた施策
- ⅵ)親子上場の合理性に関する議論
当社はこれらの施策を通じて、取締役会の実効性を向上させ、コーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めていきます。
監査役会/グループ監査役会

(2024年9月末時点)
監査役は法律や財務・会計などの専門性や経験を有し、その豊富な専門的知見や経験に基づき取締役の職務の執行を監査しています。また、グループ全体の監視・監査の実効性を高めるため、グループ会社の監査役等で構成するグループ監査役会を定期的に開催しています。
2023年度監査役会
基本方針
- 企業活動の健全性に焦点を当てた監査
- 重要性が増す海外主力事業の実態把握
- リスクアプローチによる予防監査の重視
- 会計監査人監査、内部監査との適切な連携
開催状況
開催回数:12回
重点監査事項
監査視点 | 重点監査事項 |
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ガバナンス |
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企業倫理・コンプライアンス |
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業務運営リスクへの備え |
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経営戦略リスクへの備え |
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スキルマトリクス
取締役
取締役 | 独立社外取締役 | |||||||
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内川 哲茂 |
森山 直彦 |
山西 昇 |
大西 賢 |
津谷 正明 |
南 多美枝 |
楠瀬 玲子 |
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経営・変革 | 事業会社(上場)経営 | ● | ● | ● | ||||
事業再構築・社内改革 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
事業 | 当社事業・関連領域 | ● マテリアル |
● ヘルスケア |
● マテリアル |
● 航空産業 |
● 自動車産業 |
● ヘルスケア |
● 自動車産業 |
機能・基盤 | 生産・技術・品質・知財・DX | ● | ● | ● | ● | |||
グローバル組織マネジメント | ● | ● | ● | ● | ● | |||
人的資本・DE&I | ● | ● | ||||||
財務・会計・IR | ● | |||||||
リスクマネジメント・法務 | ● | ● | ● | |||||
環境・社会 | 環境 | ● |
(2024年9月末時点)
監査役
監査役 | 独立社外監査役 | |||||
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嶋井 正典 | 鳥居 知子 | 中山 ひとみ | 有馬 純 | 辻󠄀 幸一 | ||
経営・変革 | 事業会社(上場)経営 | - | - | - | - | - |
事業再構築・社内改革 | - | - | - | - | - | |
事業 | 当社事業・関連領域 | - | - | - | - | - |
機能・基盤 | 生産・技術・品質・知財・DX | ● | ||||
グローバル組織マネジメント | ● | ● | ||||
人的資本・DE&I | ● | ● | ||||
財務・会計・IR | ● | ● | ||||
リスクマネジメント・法務 | ● | ● | ● | |||
環境・社会 | 環境 | ● |
(2024年9月末時点)
- 注取締役会・監査役会の役割・責務を果たす上で、特に貢献を期待するスキルを記載するもので、保有するすべてのスキルを表すものではありません。なお「機能・基盤」においては、2つ程度を目安としています。
取締役・監査役・外国人有識者の活動状況
各人が保有しているさまざまな知識、経験、能力の中から、「取締役会・監査役会の役割・責務を果たす上で特に貢献を期待するスキル」を表し、全体としてバランスを備えた取締役会・監査役会の構成を目指しています。
また、ジェンダーを含めた多様性の向上にも努めており、役員のうち女性(南多美枝、楠瀬玲子、鳥居知子、中山ひとみの4氏)の比率は30%を超える水準となります。なお、南多美枝氏は外国籍です。
氏名 | 当社における地位 | 在任期間 | 期待される役割 | 指名/報酬 諮問委員会 |
アドバイザリー・ボード | 出席状況 (2023年度) |
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取締役 | 内川 哲茂 | 代表取締役 社長執行役員 |
3年 | 実行力強化に向けた体制づくりと社内変革を推進する強いリーダーシップ、2024年5月に公表した中期経営計画の実現 | ✔ | ✔ | 取締役会13回/13回 |
森山 直彦 | 代表取締役 専務執行役員 |
3年 | 成長戦略立案・推進や変革の主導、中期経営計画を推進する上で生じるさまざまな障壁や変動要素に対する戦略的かつ適切な対応 | 取締役会13回/13回 | |||
山西 昇 | 代表取締役 常務執行役員 |
1年 | 製造現場の継続的な生産安定性の維持・向上に向けた生産・製造基盤の整備・強化ならびに業務運営リスクマネジメント | 取締役会10回/10回 | |||
独立社外 取締役 |
大西 賢 | 取締役 | 5年 | 上場会社社長・会長の経験と豊富な事業経験、高い見識に基づく意思決定や業務執行の監督ならびに経営への助言 | ✔ | ✔ | 取締役会13回/13回 |
津谷 正明 | 取締役 | 2年 | 上場会社CEO・会長の経験と豊富な事業経験、高い見識に基づく意思決定や業務執行の監督ならびに経営への助言 | ✔ | ✔ | 取締役会13回/13回 | |
南 多美枝 | 取締役 | 1年 | グローバル企業における、ヘルスケアや産業材関連事業、グローバル責任者としての経験やDE&Iの視点からの広い知見・高い見識に基づく意思決定や業務執行の監督ならびに経営への助言 | ✔ | ✔ | 取締役会10回/10回 | |
楠瀬 玲子 | 取締役 | - | 自動車産業関連企業等での企業変革やグローバルな組織運営の経験、DE&Iの視点からの広い知見・高い見識に基づく意思決定や業務執行の監督ならびに経営への助言 | ✔ | ✔ | 2024年6月に就任 | |
監査役 | 嶋井 正典 | 常勤監査役 | 5年 | 豊富な経理・財務の知識および経験と、事業内容への深い理解に基づく経営全般の監視と助言 | 取締役会12回/13回 監査役会12回/12回 |
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鳥居 知子 | 常勤監査役 | - | 科学・技術に関する知識に基づくヘルスケア事業での豊富な業務経験と、事業活動や企業風土への理解に基づく業務監査の実効性向上 | 2024年6月に就任 | |||
独立社外 監査役 |
中山 ひとみ | 監査役 | 7年 | 弁護士としての知見・経験に基づくコンプライアンスおよびリスクマネジメントの観点からの貢献と経営全般への監視と助言 | 取締役会13回/13回 監査役会12回/12回 |
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有馬 純 | 監査役 | 4年 | 政策等への豊富な知見に基づく、環境・エネルギーやグローバルな組織運営、コンプライアンスの観点を含めた経営全般の監視と助言 | 取締役会13回/13回 監査役会12回/12回 |
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辻󠄀 幸一 | 監査役 | 1年 | 公認会計士としての知見・経験に基づくコンプライアンスおよびリスクマネジメントの観点からの貢献と経営全般への監視と助言 | 取締役会10回/10回 監査役会9回/9回 |
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外国人 有識者 |
Thomas M. Connelly, Jr. *1 | グローバルでの豊富な企業経験および事業経験に基づく企業価値向上のための助言 | ✔ | - | |||
Gerardus Johannes Wijers *2 | グローバルでの豊富な企業経験および経済・経営に関する高い見識に基づく経営への助言 | ✔ | - |
- *1元アメリカ化学会CEO
- *2SEOアムステルダム・エコノミクス監査委員会議長
(2024年9月末時点)
スキル項目の選定理由
カテゴリー | スキル項目 | スキル項目選定理由 |
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経営・変革 | 事業会社(上場)経営 | 経営環境を踏まえ、上場事業会社運営上の機会とリスクを把握し、企業価値向上のために、総合的観点から適切な意思決定、監督が重要と考えます |
事業再構築・社内改革 | ポートフォリオ変革を進める上で、事業再構築や社内改革などチェンジマネジメントをリードした経験や知見が活かされると考えます | |
事業 | 当社事業・関連領域 | 適切なリスクをとりながら事業に関する重要意思決定や監督を行う際に、当該領域における知見が活かされると考えます |
機能・基盤 | 生産・技術・品質・知財・DX | 生産革新、品質管理・信頼性保証、研究開発、知的財産やDXの取り組みは、競争力や収益力向上の基礎として、重要性がますます高まると考えます |
グローバル組織マネジメント | 異なる価値観や複雑さを内包するグローバル組織運営の知見は、組織能力の最大化やリスクマネジメントに活かされると考えます | |
人的資本・DE&I | 経営戦略の実効性向上のための帝人グループのパーパス浸透による企業文化の変革と人的資本の取り組みとして、「戦略を実装する『適所』の確立と『適材』の確保」「人財が活躍するための施策」を進めることが企業価値向上に必須と考えます | |
財務・会計・IR | ポートフォリオ変革、持続的な成長を支える強固な財務基盤に向けて、財務戦略・資本政策や資本市場とのコミュニケーションは重要と考えます | |
リスクマネジメント・法務 | 情報収集と分析を通じ、複雑化・高度化するリスクに適切に対処することは、企業価値維持・向上に必要不可欠であると考えます | |
環境・社会 | 環境 | 「未来の社会を支える会社」として、持続可能な社会の実現に取り組む中において、特に地球環境に対する知見や経験は重要であると考えます |
指名諮問委員会/報酬諮問委員会
役員人事に関して一層の透明性の向上を図るため、取締役会の諮問機関として、指名諮問委員会および報酬諮問委員会を設置しています。それぞれの諮問委員会では、下記の事項を審議し、取締役会への提案、提言を行っています。
指名諮問委員会
- CEOの交代および後任者の推薦
- 代表取締役候補者の選任・退任
- 取締役候補者(会長を含む)の選任・退任
- 監査役候補者の選任・退任
- 社内取締役および経営陣幹部の昇格・降格、選任・退任、シニア・アドバイザーの委嘱・解嘱に関する事項
- 独立社外取締役および独立社外監査役の独立性基準に関する事項
- CEOの後任候補者の選定ならびにCEOによる後任候補者の育成計画、進捗状況のレビュー
報酬諮問委員会
- 帝人グループ役員の報酬制度に関する事項
- 帝人グループ役員の報酬水準に関する事項
- 社内取締役(CEO含む)および経営陣幹部の業績評価と報酬額に関する事項

(2024年9月末時点)
メンバーは独立社外取締役4名、取締役会長(現在は空席)、CEOで構成され、諮問委員会の委員長である独立社外取締役が諮問委員会の議長となります。なお、原則として、現CEOに関する事案については、CEOは退席し、審議には参加しません。また、会長に関する事案については、会長は退席し、審議には参加しません。
2023年度諮問委員会
開催状況
開催回数:指名諮問委員会 8回、報酬諮問委員会 8回
主な議題・審議事項
指名諮問委員会 |
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報酬諮問委員会 |
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アドバイザリー・ボード

(2024年9月末時点)
社外の有識者による助言を通じた「経営の質」の向上を図ることを目的に、「アドバイザリー・ボード」を設置し、取締役会の諮問機関と位置づけ運営しています。メンバーは5~7名の社外アドバイザー(現在、社外取締役4名、外国人有識者2名で構成)と取締役会長(現在は空席)、CEOで構成され、アドバイザリー・ボードの議長は取締役会議長である独立社外取締役が務めます。
アドバイザリー・ボードでは、下記の事項を議論し、取締役会への助言を行っています。
- i)会社の重要課題に対する戦略(ポートフォリオ戦略、人的資本戦略等)に関する事項
- ⅱ)コーポレート・ガバナンス、CSR、企業倫理などに関する事項
- ⅲ)会社の業績に関する事項
- ⅳ)内外政治・経済・法制に関する事項
- ⅴ)その他経営全般に関する事項
グループ経営戦略会議/グループマネジメント会議
取締役会から権限委譲された帝人グループの業務執行に関する重要事項については、原則として毎月2回以上開催されるグループ経営戦略会議および月1回開催されるグループマネジメント会議での審議を経てCEOが意思決定します。
「グループ経営戦略会議」は、CEO、経営役員、その他CEOが指名した者がメンバーとなり、CEOがこれを招集しその議長となります。また、「グループマネジメント会議」は、CEO、経営役員、事業本部長、その他CEOが指名した者がメンバーとなり、CEOがこれを招集しその議長となります。
なお、メンバー以外に社内監査役である常勤監査役が両会議に出席します。
役員報酬の基本方針
当社取締役個人別の報酬等の決定方針は、独立社外取締役を過半数とする報酬諮問委員会において、毎期、その妥当性を審議した上で、取締役会の決議により決定しています。報酬諮問委員会の審議においては、経営環境の変化や株主・投資家の皆様からのご意見等を踏まえるとともに、グローバルに豊富な経験・知見を有する第三者機関より審議に必要な情報等を得ています。
また、当社は2021年度より、コーポレート・ガバナンスおよびステークホルダーの視点、ならびに中長期視点(サステナビリティ、ESG)での企業価値創造をさらに強化することを目的に、中長期インセンティブ報酬として直接交付型株式報酬制度(譲渡制限付株式報酬および業績連動型株式報酬)を導入しました。さらに、2024年度には上記目的に加え、株式報酬に対する納税資金対応を導入し株式報酬制度の運用性を高めることで、株式価値増大への貢献意欲を促進することを目的とした新たな株式報酬制度に変更しました。
報酬制度の基本方針
- 短期および中長期経営目標の達成を動機づけ、かつ、中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めるものであること
- 会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性が高いものであること
- ステークホルダーとの価値の共有や株主重視の経営意識を高めることを主眼としたものであること
- グローバルに優秀な経営人財を確保するために経営者のインセンティブとなる報酬水準、報酬内容とすること
役員報酬制度
執行役員を兼務する社内取締役については、以下の通りの報酬構成比率としています。
役位 | 定額報酬 | 変動報酬 | 総報酬額 | ||
---|---|---|---|---|---|
基本報酬 | 業績連動報酬 | 譲渡制限付株式報酬 | 業績連動型株式報酬 | ||
代表取締役社長執行役員 | 45% | 20% | 10% | 25% | 100% |
その他取締役 | 50% | 25% | 10% | 15% | 100% |
定額報酬
基本報酬 | 取締役の役位/ジョブグレードに応じた固定額を支給します。 |
---|
変動報酬
業績連動報酬 | 基礎収益力の回復、ならびに事業ポートフォリオ変革推進に向け、「事業利益」「税後事業利益ROIC」および非財務指標(安全)を含む取締役個人の業績目標に基づき支給します。 |
---|---|
譲渡制限付株式報酬 | 役位/ジョブグレードに応じた基準額相当の譲渡制限付株式および株式ユニットを付与します。 |
業績連動型株式報酬 | 中長期的な企業価値向上・株主価値向上の実現に向け、「当期利益ROE」「TSR」「サステナビリティ」を業績評価指標とし、目標の達成度等に応じて譲渡制限付株式および株式ユニットを付与します。 |
- 注1 株式ユニットとは、1ユニット当たり、当社の普通株式1株当たりの株価に相当する金額の金銭の支給を当社から受けることができるものです。
- 注2 執行役員を兼務しない社内取締役は、「譲渡制限付株式報酬」「業績連動型株式報酬」の支給対象外とし、それぞれの委嘱業務に応じた金銭報酬のみ支給しています。
- 注3 社外取締役、監査役は「業績連動報酬」「譲渡制限付株式報酬」「業績連動型株式報酬」の支給対象外とし、基本報酬のみ支給しています。
(2024年9月末時点)
役員報酬支給額(2023年度)
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) |
報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる 役員の員数(名) |
|||
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基本報酬 | 業績連動報酬 | 譲渡制限付 株式報酬 |
業績連動型 株式報酬 |
|||
取締役 (社外取締役を除く) |
248 | 184 | 28 | 35 | - | 7 |
監査役 (社外監査役を除く) |
76 | 76 | - | - | - | 2 |
社外取締役 | 72 | 72 | - | - | - | 5 |
社外監査役 | 41 | 41 | - | - | - | 4 |
- 注1 2023年度の経営状況および2023年6月21日に開催された第157回定時株主総会で選任された社内取締役4名全員より業績連動報酬の一部(4名合計で24百万円)の受領辞退(減額)の申し出があったことを踏まえ、当社の報酬諮問委員会において審議した結果、当該申し出のあった金額分を減額して業績連動報酬の額を算定することとしており、上記表中の報酬等の総額248百万円および業績連動報酬28百万円には、当該減額分の金額は含まれておりません。
- 注2 取締役(社外取締役を除く)に対する業績連動型株式報酬は、当事業年度の目標を達成しなかったため、当事業年度の職務執行分に対応する業績連動型株式報酬の付与のための報酬額はありません。