株主・投資家情報

CEOメッセージ

株主・投資家の皆様へ

株主・投資家の皆様には、日頃より、帝人グループの企業活動に格別のご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

2023年度の当社業績は、前年度対比で増収・増益となりましたが、マテリアル事業において一部用途での需要軟化や顧客による在庫調整の影響、ヘルスケア事業において導入一時金支払いや後発品参入の影響もあり、低水準な状況が継続しました。一方、アラミド・複合成形材料・ヘルスケアの課題3事業の収益性改善と、役員・スタッフの経営体制変革を中心に、全社で構造改革を進めた結果、300億円以上としていた収益性改善は概ね目標に近い成果を上げることができました。ただし、その中でもアラミド事業・複合成形材料事業の生産安定化については改善時期が遅れ、アラミド事業については第4四半期には改善に至ったものの、複合成形材料事業については依然として課題が残る状態となっています。

この結果を総括した上で、本年5月に2025年度までの新中期経営計画を公表し、当該期間内に継続して収益性改善を進めて基礎収益力の回復を図るとともに、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」の実現に向けて、不採算事業・非注力事業への対応を含む事業ポートフォリオ変革を実行していくこととしました。「地球の健康を優先し、環境を守り、循環型社会を支える会社」、「より支えを必要とする患者、家族、地域社会の課題を解決する会社」を目指し、人々の心と体のケア、その人々が暮らす地球のケアの両方に取り組むために最適な事業ポートフォリオとなり社会に価値を提供していけるよう、長期的な視野に立った変革プロセスを進めて参ります。

当社は2023年8月よりパーパスブランディング活動「Journey to One Teijin」を実施しています。これはグローバルで社員一人一人に内在する思い、暗黙知を言語化し、帝人グループの存在意義であるパーパスを明確化するための活動です。経営陣と社員の間で価値観が共有され、共感が得られる会社となることで実行力を向上させることを目指しています。更に、このパーパスを基軸としてガバナンス・技術・人財といったグローバル経営基盤を強化し、成長軌道への回帰に向けた変革を下支えするものとして発展させていきます。

本年度は、「資本コストや株価を意識した経営の実現」としても、事業ポートフォリオ変革をはじめとするこれら施策を着実にひとつひとつ実行する姿をお示しし、株主の皆様のご期待に応えられるよう取組みを進めて参ります。

株主・投資家の皆様には、変わらぬご理解とご支援をお願い申し上げます。

代表取締役社長執行役員 CEO

内川哲茂