株主・投資家情報

CEOメッセージ

株主・投資家の皆様へ

株主・投資家の皆様には、日頃より、帝人グループの企業活動に格別のご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

帝人グループは、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」の実現に向け、中期経営計画2020-2022の3ヵ年において、重点領域への積極的な資源投入やイノベーション創出基盤の強化など、「成長基盤確立」への取り組みを進めてきました。しかしながら、COVID-19やウクライナ情勢などにより外部環境が激変し、マテリアル事業領域を中心に大きな影響を受けたことに加え、工場設備故障や火災の発生等もあり収益性が大幅に悪化しました。ヘルスケア事業領域においては、超高齢化社会で必要とされる地域密着型総合ヘルスケアサービス事業への展開を見据え、国内トップレベルのシェアを誇る在宅医療事業で培ってきた患者さんやその家族、地域社会を支える事業基盤の強化を進めましたが、将来の収益に資する新規製品・サービスの創出は未だ不十分な状況に留まり、収益性の目標達成には至りませんでした。

そのような状況を踏まえ、これまでの成果と課題をファクトベースで検証し、現状や目指すべき方向性を再確認した結果、まずは足元を固めるための抜本的な改革が必要と判断し、今年2月に「帝人グループ 収益性改善に向けた改革」を発表しました。具体的には、複合成形材料・アラミド・ヘルスケアの3事業を課題事業とし、改善施策を進めます。また、外部環境変化にレジリエントに対応するために、経営判断・実行の迅速化を狙いとした役員・スタッフの経営体制変革に取り組みます。そして、この改革の成果をベースとして、事業ポートフォリオの再構築、成長戦略を反映した新中期経営計画を2024年度に公表することとしています。

帝人グループは、人々の心と体のケアと、その人々が暮らす地球のケアの両方に取り組んでいる数少ない企業のひとつです。お客様や患者様、社会の課題や困りごとに向き合い、寄り添う事が当社の強みであり、存在意義(パーパス)であると考えています。その強みをより強固なものとしていくために、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」をより具体化し、「地球環境を守る会社」、「より支えを必要とする患者、家族、地域社会の課題を解決する会社」になることを目指していきます。

帝人グループは創業105周年を迎えました。その歴史の中で、多くの困難を乗り越え、危機を克服しながら、社会のニーズを先取りし、新たなビジネスへの変革と挑戦により成長を続けてきました。厳しい状況にある現在、当社の創業者が信念と情熱をもち、パイオニア精神で事業を起こした時の原点に立ち戻り、危機を変革と成長への転換点としたいと思います。成長軌道への回帰に向け、全社一丸となってこの1年で改革を成し遂げるべく取り組んでまいります。

株主・投資家の皆様には、変わらぬご理解とご支援をお願い申し上げます。

2023年4月1日

代表取締役社長執行役員CEO

内川  哲茂