次世代シルク調ポリエステル素材

「フィブリット®」の開発と販売

帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:日光 信二)は、優しい手触りと上質な外観を持つ次世代シルク調ポリエステル素材「フィブリット」を開発し、このたび販売を開始します。

「フィブリット®」の外観写真
「フィブリット®」の生地断面写真
(糸の側面にフィブリルを発現)

開発の背景

  1. 1.近年のファッション市場は、アスレジャーをはじめとして合成繊維特有の人工的な質感の素材がトレンドとして定着する一方、天然繊維使いを中心とするナチュラルな風合いと外観を持つ素材の人気も高まっています。
  2. 2.その中でも、特にシルクやキュプラを用いたフィブリル素材*1は、表面の繊細な毛羽による柔らかな風合いが人気を得ていますが、素材が天然繊維であることから湿潤時の染色堅牢度*2や糸の強度が不安定であり、洗濯による染料の染み出しや毛羽の離脱による色移りや色あせ、型崩れしやすい点などが課題となっています。
  3. 3.こうした中で帝人フロンティアは、フィブリル化を安定させるために特殊な加工技術を施すことなどにより、最高級シルクとされる天蚕(てんさん)のような優しい手触りと、上質な外観、さらにイージーケア性を兼ね備えた次世代シルク調ポリエステル素材「フィブリット」を開発しました。
    *1 フィブリル素材: 生地の表面に繊細な繊維の毛羽立ちを発現(フィブリル化)させた素材。
    *2 染色堅牢度: 洗濯、水・汗、摩擦、太陽光照射などの環境下における繊維生地の変退色などの程度を数値化したもの。洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度、耐光堅牢度などを総称して染色堅牢度と呼ぶ。1~5級で示され、変退色しにくいものほど数値が大きくなる。

「フィブリット®」の特長

「フィブリット」は、繊維表面をフィブリル化させることで天蚕の柔らかさを再現するとともに、優雅な光沢と優れた発色性で上質な外観を演出する素材です。染色堅牢度や糸の強度安定性に優れるポリエステル長繊維を原料に用いることで毛羽の離脱を抑制できるため、従来のフィブリル素材の弱点であった洗濯による色移りや色あせ、型崩れしやすい点、シワになりやすい点などの課題を克服しました。

【参考】濃色生地における摩擦堅牢度の比較
「フィブリット®」 従来のフィブリル素材

乾摩擦

汚染 4級以上 4級以上
退色 4級以上 4級以上
湿摩擦 汚染 4級以上 2-3級
退色 4級以上 3級

※試験方法:JIS L0849-IIによる評価

今後の展開

  1. 1.薄地生地向けから中肉生地向けまで素材のバリエーションを拡充し、ブラウスやアウターをはじめ、国内外のファッション市場における幅広い用途で販売展開していきます。
  2. 2.販売目標としては、2019 年度に10,000m、2020年度に100,000m、2021 年度には150,000mを目指します。



当件に関するお問い合わせ先

帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部
03-3506-4055

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