マテリアリティ2 サーキュラーエコノミーの実現
帝人グループは、製品の長寿命化、3Rの促進によって、サーキュラーエコノミーの構築に貢献します。
これまでの社会は、大量生産、大量消費、大量廃棄を繰り返して進化してきました。しかしその結果、資源の枯渇や環境汚染、ひいては生態系に大きなダメージをもたらしました。帝人グループは素材をはじめとするものづくりの会社として、循環型社会に向け3Rに努めてきましたが、その取り組みをさらに進めていく必要があると考え、「サーキュラーエコノミーの実現」をマテリアリティとして掲げています。
消費するだけの経済が続く社会は「持続不可能」な社会であり、帝人グループは、自然の生態系サイクルのような「捨てる」という概念がない、資源が循環しつづける「サーキュラーエコノミー」への転換に貢献したいと考えています。生産活動で資源循環に努めるのはもちろんのこと、資源が排出されたところにリサイクル製品を還元して使ってもらう「地産地消型マテリアルリサイクル」など、社会の“サーキュラー化”を進めていくとことで、深刻化する海洋プラスチック問題の解決にも貢献していきます。
環境価値ソリューション(リサイクル等)
サーキュラーエコノミーを実現するには、廃棄物の発生を前提とするのではなく、有害な廃棄物を排出せず資源を使い続けることができるような社会の仕組みに変えていく必要があります。帝人グループは、製品の長寿命化とシェアリングにつながる「高耐久・高品質素材」の提供を心掛けるとともに、「リサイクル技術の開発・提供を通じたパートナーシップ」によって、バリューチェーン全体での資源循環性の向上に貢献します。
プラスチック海洋ごみ問題への取り組み
プラスチック海洋ごみは、海洋汚染や食物連鎖を通じた生物・生態系への悪影響が世界的に深刻な問題となっています。
2018年9月、帝人グループは、このプラスチック海洋ごみ問題に取り組む姿勢を示すため、「プラスチック海洋ごみ問題解決に向けた宣言」を発表しました。
プラスチック海洋ごみに対する規制の動きは、既存ビジネスを失うリスクを高める一方、リサイクル市場や代替品市場の伸長の機会と考え、「環境負荷低減」と「環境価値ソリューション」の取り組みを推進しています。
帝人(株)は、使用済み漁網のマテリアルリサイクルの新事業「RE:ism」を2021年にスタートさせ、帝人(株)と漁網製造、プラスチック成型、繊維加工、樹脂加工をそれぞれ専門とする4社で回収から販売までのサプライチェーンを分業して、ポリエステル製漁網を樹脂ペレット化したのち、トレーや文房具などへ生まれ変わらせる事業を展開しています。 これまで海岸に放置されたり埋め立てられたりしてきた漁網を効率的に再生し、海洋ごみの削減に貢献していきます。
その他「サーキュラーエコノミーの実現」に向けた取り組み
- Teijin Aramid B.V.「Sustainability」(英語)
- 帝人フロンティア(株)「THINK ECO」
- 帝人(株)樹脂事業本部「designing Circular Materials」
資源有効活用・廃棄物削減
資源循環を促進するため、帝人グループでは廃棄物削減に向けて、「埋立廃棄物の売上高原単位を 2030年度までに2018年度比20%改善」という目標を掲げています。また、水資源の保全に向けては、水使用量の少ない製品の拡大により、「淡水取水量の売上高原単位を 2030年度までに2018年度比30%改善」という目標を掲げています。