資源循環
サーキュラーエコノミーの実現に向けて
帝人グループは、グローバルな社会課題の一つである「サーキュラーエコノミーの実現」に向けた施策を推進しています。サーキュラーエコノミーの実現には、資源を可能な限り長期にわたり有効活用することが不可欠です。資源の価値を維持しながら効率的に循環させることで環境負荷を低減し、製品やサービスのライフサイクル全体における廃棄物や有害物質の排出を最小化することが求められます。帝人グループは、さまざまなパートナーとの連携を通じて、バリューチェーンの各段階において①~⑦に示すような取り組みを推進しています。

顧客課題起点のソリューション提供
バリューチェーン全体には、さまざまな顧客課題が存在しています。そうした顧客課題を起点に、自社の強みと多様なパートナーとの協働を通じて幅広いソリューションを提供することで、帝人グループは資源を循環させるエコシステムの構築に貢献しています。
顧客課題例
- 環境価値訴求による差別化・市場競争力の向上
- 厳格化する環境規制への対応
- 技術障壁の克服とスキームの確立
- バリューチェーン全体でのデータ連携と省資源・易リサイクル設計

アラミド繊維のリサイクル取り組み
アラミド事業では、20年以上前から使用済み製品をサプライチェーンより回収し、「トワロン」パルプに再生するメカニカルリサイクルを展開しています。また、さまざまな技術開発や、サーキュラープロダクションプロセスに順次取り組んでいます。繊維から繊維にリサイクルするフィジカルリサイクルについては、2023年4月に最初のリサイクル原料を使用した「トワロン」長繊維の量産機での試作生産に成功し、2024年4月に2回目の生産を実施しました。さらに、ケミカルリサイクルの技術開発を長期的視点で進めるとともに、持続可能な原材料調達にも取り組んでいきます。アラミド事業では、顧客の要求に応えながら、今後の法規制にも対応していきます。

欧州の環境規制に準拠したデジタルプロダクトパスポート対応製品の展開
欧州地域の環境規制のひとつである「持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)」に準拠した製品の展開に向けて、2024年11月にオランダのIT企業Circulariseに出資し、同社のシステムを用いて、アラミド繊維と炭素繊維の一部製品において、デジタルプロダクトパスポート*に対応した、当該製品を用いた実証を行いました。
- *デジタルプロダクトパスポート(DPP):製品がいつ・どこで・どのような素材を用いて製造・使用・廃棄されたのかを網羅的に記録したデジタル証明
また2025年度には、廃車由来のリサイクルポリカーボネート樹脂「Panlite® CM(パンライト CM)」および「Multilon® CM(マルチロンCM)」を対象としたデジタルプロダクトパスポート(DPP)の実証プロジェクトを実施しました。本プロジェクトでは、原材料由来やリサイクル含有率、トレーサビリティ情報をサプライチェーン全体で可視化するとともに、機密情報を保護しながら信頼性の高いデータ共有を実現しました。これにより、ELV規則をはじめとする将来的な規制対応に向けた基盤構築と、循環型材料の価値を証明する仕組みの有効性を示しました。
環境配慮型のPC樹脂製品「サーキュラーマテリアルズ(Circular Materials:CM)」についての詳細は以下ページをご覧ください。
指標
2025年度の埋立廃棄物量は3.2千トンとなり、売上高原単位は0.39t/億円となりました。
埋立廃棄物量と売上高原単位の推移

- *マテリアルセグメントの連結子会社であった Teijin Automotive Technologies NA Holdings Corp.(以下、TAT-NA)は、2025年3月に締結した株式譲渡契約に基づき2025年7月に売却完了。2021年度~2023年度はTAT-NAを含み、基準年と2024年度以降の実績は集計対象外
- *埋立廃棄物量は直接埋立処分する廃棄物の量を対象に集計
- *埋立廃棄物量については、売却したTAT-NAによる排出量が大きかったことから、TAT-NAを集計対象外とした2024年度より実績が大幅に減少
- *売上高原単位を算定する際には、連結売上高を分母に適用して算定。なお、2024年度より連結売上高からバウンダリー除外対象会社の売上高を控除した額を分母に適用して算定
