マテリアリティとKPI
帝人グループの5つのマテリアリティと、重要指標および目標値を紹介します。
帝人グループのマテリアリティ
マテリアリティは、長期ビジョン「未来の社会を支える会社」を実現するために帝人グループが優先的に取り組む重要な社会課題です。
「中期経営計画2020-2022」では、世界的な社会課題とSDGsが掲げるゴールを踏まえ、自社にとってのリスクと機会を整理し、2020年度以降の経営課題として取り組む5つのマテリアリティを特定しました。2022年度に公表した「帝人グループ収益性改善に向けた改革」においても、取り組むべき重要課題は変更せず、ポストパンデミック社会において、重要課題を解決する企業への変革を加速することを目指します。
マテリアリティとSDGs
マテリアリティの詳細情報はこちら
マテリアリティ特定プロセス
帝人グループは、社会課題を幅広く把握・整理し、帝人グループにおける重要度とステークホルダーへの影響度の観点から重要課題の分析・抽出を行い、サステナビリティ管掌が外部有識者と対話した上、最終的には経営会議で帝人グループのマテリアリティを特定しています。
STEP1 課題把握・整理
SDGsを始めとする社会における課題のトレンドを広く把握、整理
STEP2 重要度判定
事業への影響度(ポジティブ側面・ネガティブ側面の双方を考慮)と、発生の見込み・確率の両面から、帝人グループにおける重要度を判定。
STEP3 重要課題抽出
STEP2で分析した課題群から、帝人グループにおける重要度とステークホルダーへの影響度が特に高い課題を重要課題として抽出。
STEP4 外部有識者とのダイアログ
帝人グループのマテリアリティの特定プロセスと抽出課題について、外部有識者と対話を実施。
実施内容
マテリアリティの特定プロセスと抽出課題についてのダイアログを2019年10月に実施し、外部有識者に幅広い見地からご意見をいただきました。
事業領域とソリューションの連動が企業価値を高める
SDGsを軸にマテリアリティを整理するにあたり、それぞれの事業活動の結果として3つのソリューションがあり、それがどう社会に貢献するのかを見せられると、ストーリー性が高まると考えます。また、ひとつの素材や事業を、複数のソリューションにオーバーラップさせることで、より広い範囲で企業価値を高めることができるのではないでしょうか。SDGsに対応することでどんなビジネスチャンスが生まれるのか、社員一人ひとりが理解することも重要だと考えます。
次の100年に向けて、未来からのバックキャストが重要
長期投資家の立場から見ると、企業がESGやSDGsに取り組む意味は、長期的・持続的な価値創造のためであるといえます。既存事業の積み重ねと未来に対するコミットメントからの逆算が重要です。「何をすべきか」だけでなく、「なぜそうするか」を考え、次の100年を描いた上でバックキャストも進めてほしいと思います。事業環境の変化を捉え、これまでの成功体験の外にどれだけセンサーを張れるかも今後ますます重要になるでしょう。
気候変動に対する長期的な価値創造を期待
TCFDへの支持表明は短期的視点でも評価できます。一方、ビジョンや戦略の策定においてはより長期の視点を持ち、創業150年後のありたい姿からバックキャストする形で2030年の目標を定めると良いでしょう。企業トップが方向性を示すことで、CO2などを削減するためにどうすべきか、社員からもさまざまなアイデアが出ると思います。企業として生き残っていくためには、気候変動に対しても価値創造の観点から考え、取り組むことが重要です。
過去に開催した主なダイアログ
- 人権に関する外部有識者とのダイアログ(2021年度)
- 人権に関する外部有識者とのダイアログ(2020年度)
- 人権に関する外部有識者とのダイアログ(2019年度)
- コーポレート・ガバナンス対談(2018年度)
- ダイバーシティ&インクルージョンの推進(2017年度)
- マテリアリティの取り組み(2016年度)
- CSR調達(2015年度)
- マテリアリティの特定(2014年度)
- 女性活躍のその先へ 真のダイバーシティとは(2013年度)
- 「アラミド繊維のグローバルリーダー」としての責任とは(2012年度)
- 災害時のCSRを考える(2011年度)
- 中国での環境取り組みはどうあるべきか(2010年度)
- よりよい在宅酸素療法をめざして(2009年度)
- 「エコサークル®」のさらなる拡大をめざして(2008年度)
- 環境配慮設計ガイドラインの運用(2007年度)
- 「エコサークル®」の推進(2006年度)
STEP5 マテリアリティの特定
経営会議において審議・確認し、「帝人グループのマテリアリティ」を特定。
2019年12月の経営会議において、現在の5つのマテリアリティを特定しました。
KPIと目標
帝人グループが設定したKPIと目標は以下の通りです。
環境負荷低減
環境負荷低減については、「中期経営計画2020-2022」で設定したKPIを継続(一部数値を引き上げ)しています。
- *1CO2以外に、メタン、一酸化二窒素を含む。CO2排出量は、GHGプロトコルを参考に算定し、他社に販売したエネルギー量に相当するCO2排出量は控除していない。また、化学反応バランスに基づき算定した炭素繊維生産時の非エネルギー起源CO2排出量を集計対象に含む。燃料の排出係数は地球温暖化対策推進法に基づく係数を使用。電力の排出係数は、国内は電力会社別の調整後排出係数、海外は原則電力会社固有の係数を使用しているが、電力会社固有の係数を把握できない場合、国際エネルギー機関(IEA)公表の最新年の国別排出係数を適用
- *2スコープ3排出量のうち、カテゴリー1(購入した製品・サービス)を対象。ただし、繊維・製品事業にて販売目的で購入した商品に関するカテゴリー1の排出量は除く
- *3淡水取水量は、工業用水、地下水、上水道の合計
- *4売上高原単位を算定する際には、連結売上高を分母に適用して算定
- *5化管法第一種指定化学物質および一般社団法人日本化学工業協会指定化学物質のうち、国際連合が定めるGHS (Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)分類における水性環境有害性またはオゾン層への有害性を有する化学物質を対象として、大気、水域、土壌への排出量を集計
- *6埋立廃棄物量は、直接埋立処分する廃棄物の量を対象に集計
- *7当社製品によるサプライチェーン川下でのCO2削減効果を算出したもの
- *8CO2総排出量は、スコープ1、スコープ2および、スコープ3のうちカテゴリー(C)1(購入した製品・サービス)、C2(資本財)、C3(スコープ1,2に含まれない燃料およびエネルギー活動)、C4(輸送、配送(上流))、C5(事業から出る廃棄物)、C6(出張)およびC7(雇用者の通勤)を対象に算出
人的資本(人財の多様性を含む)
2023年度、経営体制の見直しにおける執行役員数低減に合わせ、長期目標を再設定しています。
①「中期経営計画2020-2022」におけるKPIと目標
KPI | 目標 | |||
---|---|---|---|---|
役員*1 ダイバーシティ |
女性役員数 | 2031年4月1日 | 10人以上 | |
非日本人役員数 | 2031年4月1日 | 12人以上 | ||
女性活躍 重点目標*2 |
日本*3 |
管理職数 | 2031年4月1日 | 300人以上 |
米国 | 上級管理職数*4 | 2031年4月1日 | 10人 | |
欧州 | グローバルコア人財数*5 | 2031年4月1日 | 10人 | |
中国 | 上級管理職数*4 | 2031年4月1日 | 12人 | |
ASEAN | 上級管理職数*4 | 2031年4月1日 | 8人以上 |
- *1取締役、監査役、グループ執行役員・理事
- *2地域別の課題に応じて設定
- *3国内グループ主要4社:帝人(株)、帝人ファーマ(株)、帝人フロンティア(株)、インフォコム(株)
- *4グループ会社社長を含む上級管理職
- *5すでに相当数存在する管理職からグループ執行役員候補として選抜・認定された人財
② 2023年度以降のKPIと目標
マイルストーン 2026年4月 |
目標 2031年4月 |
||
---|---|---|---|
女性役員 | |||
非日本人役員 | |||
従業員満足度 |