サステナビリティ

ダイバーシティ&インクルージョン

社員の多様性を活かし、社会が必要とする新たな価値を創造し続けられる企業風土醸成やダイバーシティ&インクルージョン推進、またそれを実現するための多様な働き方の実現を目指しています。

グローバルに事業活動を行う上で、人種、宗教、性、文化的背景などが異なる多様な人財の能力を活かすことは不可欠です。帝人グループは、組織を活性化し、イノベーションを加速させるため、働き方の多様化・女性の活躍・人財の多様化をさらに推進します。さまざまな価値観や経験を持つ人財が能力を最大限に発揮し、多様なコラボレーションが生まれる組織を目指します。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

帝人グループは、多様な人財を活用することが創造性を高め、イノベーションを促進すると考えており、2000年に専任組織(現在のグロバールダイバーシティ&インクルージョン推進室)を設置して以降、グローバル人財の採用、女性の活躍の推進などに積極的に取り組んできました。

これまで日本を中心にダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みを進めてきましたが、事業のグローバル化に伴い、現在は取り組みを世界に広げています。「中期経営計画 2020-2022」では、それぞれの課題状況に応じた地域戦略を立て、グループ全体のKPIを設定しました。

主要アクション

主要アクション

KPI

2019年
10月*6
2020年
4月*6
2021年
4月*6
マイルストーン
2023年4月*6
2031年
4月*6
役員*1ダイバーシティ 女性役員数 3 4 4 6以上 10以上
非日本人役員数 3 5 5 6以上 12以上
女性活躍重点目標*2 日本*3 管理職数 117 127 143保証対象指標 174 300以上
米国 上級管理職数*4 2 2 2 4 10
欧州 グローバルコア人財数*5 0 1 1 3 10
中国 上級管理職数*4 - 4*7 4 9 12
ASEAN 上級管理職数*4 - 5*7 5 5以上 8以上
  1. *1取締役、監査役、グループ執行役員・理事
  2. *2地域別の課題に応じて設定(中国・ASEANは2020年9月設定)
  3. *3国内グループ主要4社:帝人(株)、帝人ファーマ(株)、帝人フロンティア(株)、インフォコム(株)
  4. *4グループ会社社長を含む上級管理職
  5. *5すでに相当数存在する管理職からグループ執行役員候補として選抜・認定された人財
  6. *6各10月1日、4月1日時点のデータ
  7. *7KPI設定時の2020年8月1日時点のデータ

Power of Culture Project(企業風土変革プロジェクト)

帝人グループでは、イノベーションの創出に大きくかかわるのが企業風土であると考えており、アジャイルで革新的、かつ包括的な新しい企業風土を目指しています。そのため、2020年9月に企業風土変革を目的とした「Power of Culture Project」をスタートしました。帝人グループにとって望ましい企業風土を明確にし、それに向かって変革していくことを目的としたプロジェクトです。

2020年度は、第一段階として国内外の全役員が集まり、新しい企業風土がどのようにあるべきか、今後どのような行動を強化していくべきかを議論しました。この議論の結果、経営陣が新たな「帝人グループリーダーシップ憲章」に合意し、変革への強いコミットメントを示しました。「帝人グループリーダーシップ憲章」は、新たなリーダーシップ開発プログラムや2021年度に実施予定のグローバルエンゲージメントサーベイなど、多くの人事・D&Iの取り組みの基盤となります。今後、対象を広げて3年計画でプロジェクトを進める予定です。

グローバルエンゲージメントサーベイ

2020年度は、2021年度に実施する全グループ会社を対象とした「グローバルエンゲージメントサーベイ」に向けた準備を行いました。サーベイの結果から社員のエンゲージメントを把握するとともに、既存の企業風土と望ましい企業風土とのギャップを明らかにし、改善のために行動することが目的です。

すべての社員が自分の能力を最大限に発揮できるインクルーシブな環境を整えることで事業活動に貢献し、長期ビジョンの実現を目指します。

女性活躍の推進

帝人グループは、2000年に女性活躍推進の専任組織を設置しました。それ以降、トップダウンで、「母集団の拡大」「ワークライフバランスの推進」「ダイバーシティ&インクルージョンの企業風土醸成」「女性のキャリア継続・キャリアップの支援」の4つの目的達成に向けた制度の創設、教育研修や啓発に取り組んでいます。

国内では2002年から女性管理職数に関する目標を定め、各事業・機能のトップ(役員)が各事業・機能単位でのKPIを設定して、女性社員の育成やキャリア支援をしています。また、ダイバーシティ&インクルージョンの状況は取締役会に報告しています。

また、国内主要グループ会社の管理職一歩手前の選抜メンバーに対する「女性リーダーシップ研修」(集合研修、アクションラーニング、発表を含む半年間の研修)を継続して開催しています。第10期となる2020年度は20人が受講し、合計受講者数は198人となりました。その中でコア人財として選抜プログラムを受けている者や管理職として昇進した者がおり、各職場でリーダーシップを発揮しています。

新卒総合職における女性採用数と割合の推移保証対象指標

新卒総合職における女性採用数と割合の推移
  • *各年度4月時点の採用数を対象に集計。
  • *国内グループ主要4社:帝人(株)、帝人ファーマ(株)、帝人フロンティア(株)、インフォコム(株)

女性管理職数の推移保証対象指標

女性管理職数の推移
  • *各年度3月31日現在のデータ。
  • *国内グループ主要4社:帝人(株)、帝人ファーマ(株)、帝人フロンティア(株)、インフォコム(株)
  • *女性管理職比率:管理職数全体に占める女性管理職の割合。

社員のキャリア構築支援

営業、研究・開発やエンジニアといった職種は、他の職種と比べて、女性のロールモデルが多くありません。帝人グループ(国内)では、企業の垣根を超え、営業職の女性社員(エイジョ)が実証実験を通して自社や業界の課題解決を目指すプロジェクト「新世代エイジョカレッジ」を推進しています。2020年度は、2つの女性の営業チームが営業力向上のための仕組みとその成果をプレゼンしました。また、研究開発などに従事する理工系女性のキャリア意識形成のため、先輩社員との座談会を開催しました。

社員の中には、配偶者の海外転勤によりキャリアを中断しなければならない社員もいます。そのような場合にも、キャリア継続ができるよう「配偶者海外転勤同行休職制度」を設け、最長3年間の休職を可能としました。海外転勤同行休職期間中に語学などの自己啓発に励み、スキルアップして復職する社員もいます。これまでに20人がこの制度を利用しました。

女性活躍推進法に基づく行動計画

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき、女性の活躍に関する状況および行動計画を公表します。

行動計画 情報公表の項目
帝人(株)
帝人ファーマ(株)
帝人フロンティア(株)
インフォコム(株)

退職者再雇用制度

帝人(株)と帝人ファーマ(株)では、結婚・出産・育児・介護・配偶者の転勤などを事由とする退職者が、その後10年以内に退職事由が解消して再入社を希望し、採用ニーズと合致した場合に、正社員として再雇用する制度「Hello-Again」を設けています。2020年度末までに14人の退職者を「Hello-Again」で雇用しました。

また、全ての国内グループ会社に、定年後の継続雇用制度を設けており、2020年度はグループ41社合計で117人保証対象指標の定年者を継続雇用しています。

障がい者の雇用

2021年4月1日現在、国内グループ会社(連結)のうち法令で障がい者雇用が義務付けられている29社合計の雇用数*は262.5人保証対象指標で、法令で定められた259人を上回っています。2021年3月の法定雇用率引き上げや高年齢化による退職の影響が大きく、各社別の法定雇用数については、16社保証対象指標が未達となりました。2021年度は、引き続き各社の活躍事例の共有化や採用担当者への意識付けを図るとともに、法令で定められた人数以上の雇用を目指します。

2019年2月、知的・精神などの障がいのある方がやりがいと働く楽しさを感じられる職場の創出を目的に、特例子会社となる帝人ソレイユ(株)を設立しました。帝人ソレイユ(株)は、農業(野菜と花の栽培・販売)とオフィスサポート(事務補助)を中心に、多様な職場・業務の展開を進めており、2021年4月には新たに岩国地区オフィスサポートのチームも立ち上げました。また、2021年6月の日野地区での清掃業務の開始に向けた準備を進めています。

  • *雇用者数は、在籍障がい者数(頭数)ではなく、障害者雇用率制度上の障がい者雇用率の算出基礎となる、障害状況及び労働時間を考慮して計算された障がい者数です。

ダイバーシティ意識啓発の展開

グローバルに事業活動を推進する上で、国籍・人種・性別・価値観・発想・経験などが異なる多様な人財の能力を活かすことは不可欠です。帝人グループは、企業理念の一つに「社員と共に成長します」を掲げ、一人ひとりの個性と魅力を活かし、能力を最大限に活用できる環境を整備しています。

ダイバーシティ&インクルージョンは経営戦略の一つとして推進しており、トップ自らが様々な機会を通じて社員にダイバーシティ&インクルージョンの目的、方針を発信しています。

ダイバーシティ&インクルージョン推進においては、マネジメント層の理解が大切なことから、2018年度から役員および部長以上を対象としたダイバーシティインデックスのサーベイを行っています。女性管理職の比率などの数字で表せないマネジメント層の意識や理解度を客観的に測り、次の施策検討につなげています。インクルーシブな企業風土を造るためには、社員が安心して意見を言える企業風土が必要ですが、心理的安全性の評価項目は3年連続増加しました。一方、一番実施が必要なものとして60%もの社員が既成概念にとらわれない風土改革を挙げており、更なる企業風土変革に取り組んでいきます。

また、2002年からダイバーシティ意識啓発冊子「together」を毎年発行しています。2020年版からは、グループ全社員に配布するため、日本語版だけでなく英語版・中国語版も作成しています。2021年度の最新号では、「組織再編とD&I」「私たちに必要な変化」をテーマにCHOがヘルスケア事業・マテリアル事業の役員とそれぞれ対談しています。また海外のグループ会社の取り組みの他、女性営業チームによる課題解決プロジェクトを特集しました。

LGBTに関しては、2015年度から新入社員研修や新任管理職研修におけるダイバーシティ講義に組み込み、理解を促進しています。2019年度からは、帝人グループの企業倫理月間の研修に合わせてLGBTの研修も実施しています。
また、社員からの相談窓口となる人事総務の社員に対しては、バーチャルリアリティを活用した研修やe-ラーニングを活用しています。

このほか、2017年度以降、日本最大級のLGBTのイベント「東京レインボープライド」のパレードに社員有志で参加しています。2020年7月からは帝人(株)および帝人ファーマ(株)の人事・給与などの制度を改正し、各種手当や福利厚生においてLGBT当事者の同性パートナーが配偶者と同様に扱われるようにしました。このような取り組みを評価いただき、2020年のWork with Pride でGOLDの認定をいただきました。

今後も、性的指向、性自認・性表現などの多様なあり方を受容する環境づくりを進めていきます。

人財育成とグローバルタレントマネジメント

ダイバーシティ&インクルージョンの中期経営計画主要アクションの1つに、グローバルタレントマネジメントを掲げ、次世代グローバルリーダーの育成を強化しています。

帝人グループ人事基本方針

帝人グループでは、2003年に「帝人グループ人事基本方針」を策定しました。

帝人グループ人事基本方針

人財マネジメントの目標

  • 企業理念の一つ「社員と共に成長する」の実現
  • 生産性の継続的向上と社員のQOL向上

基本方針

  1. 1.社員との良好な雇用関係継続のための努力
  2. 2.成果・職務・能力を重視した処遇(透明性・公平性・納得性の追求)
  3. 3.職務要件と人財の状況を踏まえて、適材・適所の配置の努力
  4. 4.社員の能力開発への積極的支援
  5. 5.ダイバーシティの尊重

帝人グループ人事中長期計画

2020年度から2022年度までの中期経営計画において、イノベーション創出の重点施策として、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」を掲げています。働き方の多様化・女性活躍・人財多様化をこれまで以上に推進し、組織の活性化・イノベーション創出を加速します。

ダイバーシティの浸透と働き方改革

社員一人ひとりのQOL向上を見据え、多様な働き方の選択とライフプランを支援する仕組みを構築

性別・国籍・経験・価値観を問わない多様な人財の活用促進

社員一人ひとりの希望に合わせ、国・会社・組織をまたいだ柔軟な人財配置・異動ができる人事制度の構築

時代に即応した多様なワークスタイルを支援する制度設計の促進

社員一人ひとりのニーズに合わせたキャリア開発が可能となるような教育・研修制度の構築

リーダーシップ開発プログラム(コア人財の育成)

2020年度、「Power of Culture Project」での議論の結果に基づき、新しいリーダーシップ開発プログラムを設計しました。このプログラムには、戦略的なアサインメント、人財の適正な評価、メンター制度のほか、女性や非日本人の参加に関するKPIも組み込まれています。2021年度は、帝人のすべての経営陣がメンター研修を受け、経営陣がトップクラスの人財のメンターとなります。

コア人財研修への海外人財選抜数の増加

帝人グループでは、将来を担うコア人財の育成に向け、次のプログラムを実施しています。2021年度はコア人財の育成プログラムを見直し、日本と海外拠点の人財の能力発揮度を把握するなどの対応を進めていきます。

1)「STRETCHⅠ」、「STRETCHⅡ」

「STRETCH」とは「Strategic Executive Team Challenge」の略で、海外を含むグループ会社の社員を対象に行っている、グローバルな舞台で活躍できる人財を育てるグループコア人財育成プログラムです。 2020年度、「STRETCHⅠ」は部長相当前後対象に7人、「STRETCHⅡ」は課長相当前後を対象に17人が選抜研修に参加しました。

2)JuMP

「JuMP」とは「Junior Management Program」の略で、コア人財の候補者を育成する3年間の選抜研修プログラムです。2020年度はコロナ禍のため、全てオンラインでの実施となりました。新規選抜は36人(うち2人が海外から参加)、選抜2年目は32人(うち5人が海外から参加)で、研修の最後にグループに分けれて新規事業の提案を発表しました。また、隔年で実施している海外コースは、2021年度に日本を含む各地域から16人を新規に選抜し、オンラインで研修をスタートさせます。

リーダーシップ研修プログラム「EaGLES(イーグルス)」

EaGLES

「EaGLES」は、2011年度から実施しているグループ共通のリーダーシップ研修プログラムです。

すべての管理職が持つべきリーダーシップと帝人グループの価値観や経営方針、歴史などを身につけられる内容となっており、これらのスキル・知識を必要としている国内外全ての社員が、毎年順番に受講しています。

研修プログラムは、①e-ラーニング(日本語・英語・中国語・タイ語)、②世界5地域(日本・EU・米国・中国・タイ)での集合研修、③学習成果測定、の3ステップ構成となっており、海外で集合研修を実施する際には、帝人(株)の各地域の代表が参加する懇親会が開催され、貴重な交流の場になっています。

2020年度はCOVID-19感染症拡大防止のためオンラインで開催し、日本では68人が受講しました。

ビジネスのグローバル化に対応する研修

新卒社員海外研修

国内グループ主要3社(帝人、帝人フロンティア、インフォコム)の新卒採用社員全員を、新興国に派遣しています。2011年度の中国・インド派遣をはじめ、2013年度からはインドネシア、2014年度からはベトナム、2016年度からはタイを派遣先に追加しました。企業・官公庁への訪問や現地の同世代優秀人材との討議・フィールドワークなどを通じ、多様な文化に触れることでグローバル化への意識を高めています。

2020年度、2021年度はCOVID-19染症拡大防止のため中止しました。再開については状況を見ながら判断していきます。

人財育成と教育研修

帝人グループでは、「社員各自の自己啓発による主体的な研鑽」を促進・奨励し、「現場でのOJT」「配置・ローテーション」「教育研修」と連携して、体系的にグループ人財の育成を図っています。

人財育成と教育研修の基本的な考え方

人財育成の基本は、社員各自の自己啓発による主体的な研鑽を促進・奨励することにある。

  1. 1.現場でのOJT

    上司が日常業務を通じて部下を個別に育成・指導することにより、自己啓発・研鑽を促す手段。仕事に対する緊張感や、仕事の完成に向けてのプロセスを通じた充実感・達成感を与え、部下の成長を支援する。

  2. 2.配置・ローテーション

    個々人の能力開発・伸長の機会であり、さらなる自己啓発・研鑽を促す手段。上司は、部下の長所や個性を的確に把握するとともに、「自己申告」などの情報を踏まえて、適正な配置・ローテーションに努める。

  3. 3.教育研修

    経営ニーズと現在および将来の職務遂行に必要な要件を踏まえた内容を提供し、個々人の自己啓発・研鑽の契機となる機会を提供する「Off-JT」手段。上司は、部下を教育研修に積極的に派遣することにより、グループ内外社員との相互啓発、視野の拡大を図る。

  4. 4.キャリア開発・360度評価

    年に1回、社員と上司が自己申告の面談を持ち、社員のキャリア開発を行う。また、社員自身の気付きを促すため、全管理職社員を対象に360度評価を行う。
    人事考課の結果は、上司から本人にフィードバックをし、社員の成長に繋がる指導やアドバイスを伝える。人事考課の結果に納得できない場合は、人事部へ直接自己申告できる制度を活用する。

配置・異動

帝人グループは、「人財需要に応じたグループ全体での人財の適材適所活用」と「社員の適性・意思をより反映した異動」を目指し、さまざまな制度を設けています。

人事異動では、客観的で透明性の高い異動を実現するための「年間人事計画」を、国内外のグループ会社で策定。国内グループ会社では、自己申告制度も備え、本人の意向を尊重した配置・異動となるように努めています。加えて、グループ内公募制度(ジョブチャレンジ制度)を1988年に日本企業としていち早く制定し、2020年度はこの制度を用いて11人が異動しました。

また、2018年1月から「FA(フリーエージェント)制度」を導入し、社員本人が自身の能力・経験などを希望する異動先事業に開示し、異動先事業の選考を受けられるようにし、2020年度はこの制度を用いて14人が異動しました。

このほか、国内外のグループ会社の社員で「STRETCH」に選抜された人財には、事業部や国境を越えた異動が計画的に実施されています。

国内グループ会社では、正社員以外(契約社員・派遣社員)の人員配置状況も毎年調査しています。2020年度の調査対象は国内グループ36社でした。

帝人グループの教育研修制度と配置・異動に関するしくみ

帝人グループの教育研修制度と配置・異動に関するしくみ
  1. *1サクセションプラン:事業継続の視点から、主要ポストの後継者を育成するプラン。
  2. *2STRETCH:Strategic Executive Team Challenge、管理職向けのグループコア人財育成プログラム。
  3. *3JuMP:Junior Management Program、将来の幹部を目指す中堅社員向けリーダー育成プログラム。
  4. *4SDP:Speciality Development Program、総合職向け営業・技術・スタッフの専門能力教育プログラム。
  5. *5ジョブチャレンジ制度:人財のグループ内公募制度。グループ会社直属上司の許可をとらずに応募が可能で、決定すれば上司は覆すことができない。

働き方改革とワークライフバランス

ダイバーシティ&インクルージョンの中期経営計画主要アクションの1つに、働き方改革を掲げ、適切な労働時間管理や、多様な人財・働き方に対応できる柔軟な人事・処遇制度設計を推進しています。

働き方改革

2020年度はCOVID-19対策を契機として、東京と大阪の本社を中心にテレワークの利用を拡大しました。出社が前提とならないニューノーマル(新常態)に対応した新しい働き方を検討し、社員のマインドセットと業務プロセスの変革に着手しました。

具体的には、「ペーパーレス」「業務可視化」「コミュニケーション」「オフィススペース&ソーシャルディスタンシング」「制度・評価」の5つのテーマについて組織横断的な議論を重ね、多くの課題に対する対策を実施しました。例えば、「コミュニケーション」においては、テレワークが中心になった社員に対して部署のコミュニケーション状態を可視化するためアンケート形式のサーベイを実施し、その結果を踏まえ必要な対策を部署単位で作成する、という取り組みを行っています。デジタル化も推進しながら、全社一丸となって効率的でより良い働き方を確立していきます。

在宅勤務制度の整備状況

帝人(株)、帝人ファーマ(株)では、2019年度より、育児・介護などの事由がなくともオフィス以外での勤務も可能な「テレワーク制度」を導入しています。勤務場所の制約を緩和したほか、自己都合による中抜けができるようにしました。2021年4月より、月間70時間を超えるテレワークを実施した月はテレワーク勤務手当を支給することとし、テレワークにより発生する社員負担軽減を図ることとしました。働き方の柔軟性を高め、社員一人ひとりが持てる力を最大限に発揮できるようにしています。

また、COVID-19感染拡大防止に向けた施策としても、このテレワーク制度を最大限活用しており、そのための臨時措置として①1カ月70時間の上限を撤廃、②社宅の空き室を一部サテライトオフィスに転用、③従来制度対象外としていた新卒新入社員・パート社員・派遣社員にもテレワーク利用を認めるという施策を実施しています。ただし感染リスク軽減のため、法人契約をしているサテライトオフィスは個室・会議室のみ利用可としており、不特定多数の方と接触する恐れのあるオープンスペースは利用禁止としています。

今後は、コロナ危機後の新しい働き方の構築と実現に向けた施策を講じていきます。

ワークライフバランスの推進

帝人(株)では、ワークライフバランスの推進を強化するため、2014年10月に「配偶者海外転勤同行休職制度」を導入し、配偶者の海外転勤に同行する場合は3年間の休職ができるようにしています。2021年3月末までに、20人が利用し、12人が復職しています。

みんなの仕事と育児両立ハンドブック

2018年4月には、「みんなの仕事と育児両立ハンドブック」を作成しました。出産した当事者だけでなく、支えるパートナー、仕事と育児を両立する部下を持つ上司、チームメンバーなど全員がお互いを理解し、支えあう職場環境づくりが進んでいます。都市部を中心に保育園が不足し、保育園が決まらず、予定していた時期に育児休職から復職できないケースがあります。育児休職中の保活をサポートするために、2017年から保活コンシェルジュサービスを提供しており、スムーズな復帰に繋げています。

厚生労働省の調査では日本人の2人に1人が生涯のうちでがんに罹患しています。社員自身ががんのほか様々な病気に罹患した時の仕事と病気治療の両立のため、2020年10月から病気治療等短時間勤務制度を導入しました。
また、この制度は、不妊治療を受けている社員にも適用されます。

実労働時間の短縮

国内グループ会社では、従来から時間外労働の事前申請やノー残業デーの徹底に取り組んでいます。

2020年度の国内グループ主要4社*の時間外労働時間数は1ヵ月当たり12.0時間保証対象指標(2019年度より1.0時間減少)、年次有給休暇取得率は75%保証対象指標(2019年度より8ポイント減少)でした。2021年度は、さらに実労働時間の短縮を目指し、改善を進めていきます。

「適正な労働時間の実現」に当たっては、まず、ITツールや外部コンサルタントなどを活用して業務の棚卸や見える化を進め、業務の抜本的見直し(IT活用、業務の標準化、会議の効率化など)を進めています。また、コロナ禍によりテレワークが中心になっている社員の中には、仕事とプライベートの切り替えがうまくできない者もいるため、PCログを参考にした労働時間把握のほか、ガイドラインに沿って勤務間インターバル(休憩)が確保できているかどうかをフォローしています。

国内帝人グループでは、「全社員が年間総実労働時間2,000時間以下、年間年次有給休暇取得10日以上」という目標を掲げてきました。現時点では達成できていませんが、コロナ後も見据えた新しい働き方を構築していく中で、達成を目指していきます。

  • *国内グループ主要4社:帝人(株)、帝人ファーマ(株)、帝人フロンティア(株)、インフォコム(株)

育児休職取得促進

国内グループ会社では、妊娠中や産休前後の女性社員への対応マニュアルを作成し、上司の理解と円滑なコミュニケーションを促しているほか、男性社員の育児休職取得を促進するため、「次世代育成支援対策推進法(改正次世代法)に基づく行動計画」に、育児休職取得を促進する啓発活動などを盛り込み、実践しています。例えば、毎月、育児休職取得該当男性社員とその上司向けに個別にメールを送り、取得方法などを案内することで、育児休職を取得しやすい環境づくりを行っています。

2020年度に国内グループ主要4社で育児休職を取得した者は234人保証対象指標でした。そのうち、男性社員の取得者は94人で、お子さんの出生数により変動があるものの、取得者が増加していっています。今後も、子どもを持つ前から育児休職取得の計画が立てられるように啓発活動を継続し、男性社員が気軽に長期の育児休職を取得できる職場風土づくりに努めます。

育児休職取得者数の推移保証対象指標

育児休職取得者数の推移
  • *国内グループ主要4社:帝人(株)、帝人ファーマ(株)、帝人フロンティア(株)、インフォコム(株)

仕事と介護の両立

イントラネット掲載情報

今後、団塊世代が後期高齢者の年齢に到達していくにつれ、仕事と介護の両立が必要となる社員が増加します。その対策として2020年度は、国内帝人グループ合同で、家族と一緒に参加できる介護のウェブセミナーを3回にわたり開催しましたほか、カードゲーム方式で学べる介護のワークショップをオンラインで開催しました。

また、帝人グループ共通のイントラネットには、随時「仕事と介護の両立」に向けた準備や制度の利用方法などを具体的に掲載しているほか、外部の専門家につながる「介護相談デスク」も設けています。

介護は、突然やってくることもあります。今後は、介護に対する備えと、介護に直面したときに必要な情報に直ぐにアクセスできる情報提供と、遠距離介護者のサポートなどを置いた施策を展開し、介護と仕事との両立を支援していきます。

介護休職制度

国内グループ主要4社のうち3社では、1対象者1事由につき最大730日間の介護休職制度を取得できる制度を設けています(分割取得可)。これは、「育児・介護休業法」で定められた休業期間の「延べ93日」を大きく上回っています。
また、介護短時間勤務、勤務開始・終了時間の調整などは、介護が必要な期間中ずっと利用できます。

2020年度の国内グループ主要4社を合わせた介護休職制度利用者数は3人保証対象指標、介護短時間勤務制度利用者数は4人でした。
今後団塊ジュニアの世代が後期高齢者世代となっていくため、仕事と介護の両立をする現役世代の増加が予想されます。今後も意識啓発のためのセミナーを継続的に開催し、ワークライフバランスのとれた企業風土の醸成に努めていきます。

ボランティア休職制度

帝人グループはボランティア活動促進の観点から、帝人(株)および帝人ファーマ(株)で有給のボランティア休職制度を導入しています。2021年3月末現在、ボランティア休職中の社員は13人です。

帝人グループ労務管理実態の把握

帝人グループでは、グループ各社の労務管理状況を定期的に調査しています。グループ各社の労務管理上の課題を把握し、特に労働CSRの観点から必要な施策を実施しています。調査の対象は、国内49、海外20のグループ会社であり、労働CSR指標(基礎指標)についての調査書を送付し、毎年、回答を集めています。また、労働関係法規の変更があった場合などは、すべての国内グループ会社に対して、労務管理状況や就業規則、人事制度に関する調査を随時実施しています。

なお、国毎に労働関連法規が異なるため、海外グループ会社に関しては、基本的項目に対して調査を行っていますが、必要に応じて、人事制度や給与制度に関する追加調査を実施しています。

調査内容項目(国内グループ会社)

労働CSR指標(基礎指標)--毎年実施

  1. (1)在籍人員(職位別/性別)
  2. (2)平均勤続年数・平均年齢
  3. (3)採用人員(職位別/性別/新卒・キャリア別/事務系・技術系別)
  4. (4)退職人員(職位別/事由別)
  5. (5)定年後再雇用実績(職位別)
  6. (6)役員人員(性別)
  7. (7)有期雇用人員
  8. (8)時間外労働時間(月あたり)
  9. (9)年次休取得率/日数
  10. (10)育児休職/育児短時間勤務利用実績
  11. (11)介護休職/介護短時間勤務利用実績

労務管理実態--随時実施
法対応

  1. (1)高齢者雇用
  2. (2)労働時間
  3. (3)派遣・請負
  4. (4)母性保護・育児
  5. (5)介護・看護
  6. (6)雇用機会均等

労務施策

  1. (1)ワークライフバランス(時間外労働時間/年次・有給休暇取得率/フレックスタイム制度の導入状況など)
  2. (2)退職金制度
  3. (3)ダイバーシティ推進状況
  4. (4)採用・教育
  5. (5)福利厚生制度(社宅・寮/その他課題)
  6. (6)その他課題(現在課題として認識しており支援を希望する内容ほか)
調査内容項目(海外グループ会社)

労働CSR指標(基礎指標)のうち以下について調査

  1. (1)在籍人員(職位別/性別)
  2. (2)平均勤続年数・平均年齢
  3. (3)採用人員
  4. (4)退職人員

健全な労使関係の維持

帝人グループでは、労働組合を重要なステークホルダーと位置付け、健全な労使関係の維持と関係強化に努めています。また、労使関係の基本である「事前協議の徹底と相互理解」を重視しています。労使会議に関しては、帝人(株)では包括労働協約において、会社、組合いずれか一方の申し出により開催できると定めており、これを遵守しています。

国内グループ会社については、役員・管理職などを除く社員が労働組合に加入しています。経営層と主な労働組合の役員が一堂に会する「グループ労使経営協議会」や適宜開催される労使委員会などで、事業全般に関する意見交換や職場環境の改善に向けた話し合いを行っています。これまでの取り組みでは、ワーク・ライフ・バランス推進のための制度拡充において、「時間単位の年次有給休暇制度」「育児短時間勤務の分割取得」を労使共同で推進したほか、ノー残業デーの職場内巡視を労使が協力して継続的に実施してきました。

2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために幼稚園や保育園の休園・学校の臨時休校があり、子育て中の社員に大きな負担が発生しました。そこでバックアップ休(失効積立有休休暇)や家族看護休暇の取得要件緩和・ベビーシッターなどを利用する時の費用を補填し、社員を支援しました。

海外グループ会社では、労働組合やワークカウンシル(労使協議会)を設置して、より良い職場環境と労働条件の実現に向けて、会社と従業員の代表とが協議を重ねています。

帝人(株)、帝人ファーマ(株)と帝人労働組合(帝人グループで最大の労働組合)の労働協約 前文

帝人(株)、帝人ファーマ(株)と帝人労働組合とは、相互にその地位を尊重し、相協力して事業の健全なる発展と組合員の福祉を図り、産業平和を確立する目的をもってここに労働協約を締結し、双方誠意をもってこれを遵守することを確約する

(注)帝人労働組合との労働協約は、全ての帝人労働組合の組合員(正社員・嘱託社員)に適用されています

人事体制とグローバル人財採用

ダイバーシティ&インクルージョンの中期経営計画主要アクションの1つに、人事体制の変更を掲げ、グローバル戦略に対応した人事組織再編を行っています。

人財マネジメントのグローバル化対応

2020年4月、人事・総務管掌配下に「コーポレート人事戦略部」を設置しました。日本と海外拠点の人財をグローバル共通で育成・管理できる人事システムの構築と運用を目指しています。初年度となった2020年度は、社員がグローバルに活躍するための人事制度や配置の仕組みの構築に着手しましたほか、地域ごと(欧州、米国および中国)に人事の統括責任者を定めて、グローバルベースの人事戦略・施策を実施しました。

2019年度に新しい施策として立ち上げた「海外実務研修制度」(若手社員が海外グループ会社で実務を経験するとともに、国際感覚を磨き人的ネットワークの構築を目指す)は、2020年度はコロナ禍のため開催できませんでした。2021年度は再開を予定しています。

国内におけるグローバル人財の採用

帝人グループでは、人財のグローバリゼーションとダイバーシティの加速・推進を掲げた採用活動に取り組んでいます。

2020年度は、日本国内に留学中の外国籍大学生向けセミナーに参画するなど、グローバル人財の採用に向けた取り組みを積極的に進めました。その結果、2020年度(2021年4月入社)の新卒総合職入社者として、外国籍学生2人と海外在住・長期留学経験者19人を迎え入れることができました。