サステナビリティ

ダイバーシティ&インクルージョン

社員の多様性を活かし、社会が必要とする新たな価値を創造し続けられる企業風土醸成やダイバーシティ&インクルージョン推進、またそれを実現するための多様な働き方の実現を目指しています。

グローバルに事業活動を行う上で、人種、宗教、性、文化的背景などが異なる多様な人財の能力を活かすことは不可欠です。帝人グループは、組織を活性化し、イノベーションを加速させるため、働き方の多様化・女性の活躍・人財の多様化をさらに推進します。さまざまな価値観や経験を持つ人財が能力を最大限に発揮し、多様なコラボレーションが生まれる組織を目指します。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

帝人グループは、多様な人財を活用することが創造性を高め、イノベーションを促進すると考えており、2001年にダイバーシティ推進室を設置して以降、グローバル人財の採用、女性の活躍の推進などに積極的に取り組んできました。女性リーダー育成のため、2012年度から継続して帝人グループ横断で選抜研修を行っているほか、異業種の女性社員との交流を通じた育成を目的に社外研修への派遣も行っています。

当初は日本を中心にダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みを進めてきましたが、事業のグローバル化に伴い、取り組みを世界に広げてきています。グループ全体の主要アクションとKPIは下記の通りです。

主要アクション

主要アクション

KPI

2019年度 マイルストーン2022年度 2030年度
役員*1ダイバーシティ 女性役員数 3人 6人以上 10人以上
非日本人役員数 3人 6人以上

12人以上

女性活躍重点目標*2 日本 管理職数 116人保証対象指標 174人 300人以上
米国 上級管理職数*3 2人 4人 10人
欧州 グローバルコア人財数*4 0人 3人 10人
  1. *1取締役、監査役、グループ執行役員・理事
  2. *2地域別の課題に応じて設定(アジアは別途設定予定)
  3. *3グループ会社社長を含む上級管理職 
  4. *4すでに相当数存在する管理職からグループ執行役員候補として選抜・認定された人財

女性活躍の推進

帝人グループは、2000年に女性活躍推進の専任組織を設置しました。それ以降、トップダウン で、「母集団の拡大」「ワークライフバランスの推進」「ダイバーシティ&インクルージョンの企業風土醸成」「女性のキャリア継続・キャリアップの支援」の4つの目的達成に向けた制度の創設、教育研修や啓発に取り組んでいます。

国内では2002年から女性管理職数に関する目標を定め、各事業・機能のトップ(役員)が各事業・機能単位でのKPIを設定して、女性社員の育成やキャリア支援をしています。また、ダイバーシティ&インクルージョンの状況は取締役会に報告しています。

また、国内主要グループ会社の管理職一歩手前の選抜メンバーに対する「女性リーダーシップ研修」(集合研修、アクションラーニング、発表を含む半年間の研修)を継続して開催しています。第9期となる2019年度は20人が受講し、合計受講者数は177人となりました。その中でコア人財として選抜プログラムを受けている者が11人、管理職として昇進した者が14人おり、各職場でリーダーシップを発揮しています。

新卒総合職における女性採用数と割合の推移保証対象指標

新卒総合職における女性採用数と割合の推移
  • *国内グループ主要4社:帝人(株)、帝人ファーマ(株)、帝人フロンティア(株)、インフォコム(株)

女性管理職数の推移保証対象指標

女性管理職数の推移
  • *国内グループ主要4社:帝人(株)、帝人ファーマ(株)、帝人フロンティア(株)、インフォコム(株)
  • *女性管理職比率:管理職数全体に占める女性管理職の割合

社員のキャリア構築支援

営業やエンジニアといった職種は、他の職種と比べて、女性のロールモデルが多くありません。こうした現状を踏まえ、営業としての働き方やキャリア形成を実感できるよう、異業種合同の「新世代エイジョカレッジ」に参加しているほか、女性営業職としてのスキルアップやマインドセット構築のための女性営業研修を実施しています。特に、女性エンジニアについては、帝人グループ全体の中でもごく少数であることから、組織の枠を超えた交流会なども行っています。

         

社員の中には、配偶者の海外転勤によりキャリアを中断しなければならない社員もいます。そのような場合にも、キャリア継続ができるよう「配偶者海外転勤同行休職制度」を設け、最長3年間の休職を可能としました。海外転勤同行休職期間中に語学などの自己啓発に励み、スキルアップして復職する社員もいます。これまでに20人がこの制度を利用しました。

女性活躍推進法に基づく行動計画

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき、女性の活躍に関する状況および行動計画を公表します。

行動計画 情報公表の項目
帝人(株)
帝人ファーマ(株)
帝人フロンティア(株)
インフォコム(株)

退職者再雇用制度

帝人(株)と帝人ファーマ(株)では、結婚・出産・育児・介護・配偶者の転勤などを事由とする退職者が、その後10年以内に退職事由が解消して再入社を希望し、採用ニーズと合致した場合に、正社員として再雇用する制度「Hello-Again」を設けています。2018年度末までに14人の退職者を「Hello-Again」で雇用しました。
また、全ての国内グループ会社に、定年後の継続雇用制度を設けており、2019年度はグループ51社合計で114人保証対象指標の定年者を継続雇用しています。

在宅勤務制度の整備状況

帝人(株)、帝人ファーマ(株)では、2019年度より、育児・介護などの事由がなくともオフィス以外での勤務も可能な「テレワーク制度」を導入しました。従来は自宅での勤務を前提にしていましたが、法人契約をしているサテライトオフィスでの勤務も可能とした他、自己都合による中抜けができるようにしました。働き方の柔軟性が高め、社員一人ひとりが持てる力を最大限に発揮できるようにしています。

また、コロナウイルス感染拡大防止に向けた施策としても、このテレワーク制度を最大限活用しており、そのための臨時措置として①1カ月70時間の上限を撤廃②社宅の空き室を一部サテライトオフィスに転用③従来制度対象外としていた新卒新入社員・パート社員・派遣社員にもテレワーク利用を認めるという施策を実施しています。

今後は、コロナ危機後の新しい働き方の構築と実現に向けた施策を講じていきます。

グローバル人財の採用

帝人グループでは、人財のグローバリゼーションとダイバーシティの加速・推進を掲げた採用活動に取り組んでいます。
2019年度は、米国で勉学に勤しむ現地大学生や留学中の日本人大学生を対象としたリクルーティング活動や、日本国内に留学中の外国籍大学生向けセミナーなど、さまざまな取り組みを積極的に進めました。その結果、2019年度(2020年4月入社)の新卒総合職入社者として、外国籍学生3人と海外在住・長期留学経験者26人を迎え入れることができました。

ダイバーシティ意識啓発の展開

グローバルに事業活動を推進する上で、国籍・人種・性別・価値観・発想・経験などが異なる多様な人財の能力を活かすことは不可欠です。帝人グループは、企業理念の一つに「社員と共に成長します」を掲げ、一人ひとりの個性と魅力を活かし、能力を最大限に活用できる環境を整備しています。

ダイバーシティ&インクルージョンは経営戦略の一つとして推進しており、トップ自らが様々な機会を通じて社員にダイバーシティ&インクルージョンの目的、方針を発信しています。

また、ダイバーシティ&インクルージョン推進においては、マネジメント層の理解が大切なことから、2018年度から役員および部長以上を対象としたダイバーシティインデックスのサーベイを行っています。女性管理職の比率などの数字で表せないマネジメント層の意識や理解度を客観的に測り、次の施策検討につなげています。

また、2002年からダイバーシティ意識啓発冊子「together」を毎年発行しています。2020年版からは、グループ全社員に配布するため、日本語版だけでなく英語版も作成。この最新号では、「ダイバーシティ&インクルージョンを実現した先にある未来の姿」をテーマにしたCEOとCHOの対談、日本と海外のグループ会社の取り組みを特集しました。

パレードの様子

LGBTに関しては、2015年度から新入社員研修や新任管理職研修におけるダイバーシティ講義に組み込み、理解を促進しています。2019年度は、帝人グループの企業倫理月間の研修に合わせてLGBTについても全社員に研修を実施しました。
また、社員からの相談窓口となる人事総務の社員に対しては、当事者の気持ちに寄り添った対応ができるよう、バーチャルリアリティを活用した研修を行いました。
このほか、2017年度以降、日本最大級のLGBTのイベント「東京レインボープライド」のパレードに社員有志で参加しています。
今後も、性的指向、性自認・性表現などの多様なあり方を受容する環境づくりを進めていきます。

障がい者の雇用

2020年4月1日現在、国内グループ会社(連結)のうち法令で障がい者雇用が義務付けられている28社合計の雇用数は249人保証対象指標で、法令で定められた251人を下回っています。
2018年4月の法定雇用率引き上げや高年齢化による退職の影響が大きく、各社別の法定雇用数については、8社保証対象指標が未達となりました。

2020年度は、引き続き各社の活躍事例の共有化や採用担当者への意識付けを図るとともに、法令で定められた人数以上の雇用を目指します。

2019年2月、知的・精神などの障がいのある方がやりがいと働く楽しさを感じられる職場の創出を目的に、特例子会社となる帝人ソレイユ(株)を設立しました。帝人ソレイユ(株)は、オフィスサポート(事務補助)と農業(野菜と花の栽培・販売)を皮切りに、多様な職場・業務の展開を進めています。

帝人グループ人事基本方針

帝人グループでは、2003年に「帝人グループ人事基本方針」を策定しました。

帝人グループ人事基本方針

人財マネジメントの目標

  • 企業理念の一つ「社員と共に成長する」の実現
  • 生産性の継続的向上と社員のQOL向上

基本方針

  1. 1.社員との良好な雇用関係継続のための努力
  2. 2.成果・職務・能力を重視した処遇(透明性・公平性・納得性の追求)
  3. 3.職務要件と人財の状況を踏まえて、適材・適所の配置の努力
  4. 4.社員の能力開発への積極的支援
  5. 5.ダイバーシティの尊重

帝人グループ人事中長期計画

2020年度から2022年度までの中期経営計画において、イノベーション創出の重点施策として、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」を掲げています。働き方の多様化・女性活躍・人財多様化をこれまで以上に推進し、組織の活性化・イノベーション創出を加速します。

ダイバーシティの浸透と働き方改革

社員一人ひとりのQOL向上を見据え、多様な働き方の選択とライフプランを支援する仕組みを構築

性別・国籍・経験・価値観を問わない多様な人財の活用促進

社員一人ひとりの希望に合わせ、国・会社・組織をまたいだ柔軟な人財配置・異動ができる人事制度の構築

時代に即応した多様なワークスタイルを支援する制度設計の促進

社員一人ひとりのニーズに合わせたキャリア開発が可能となるような教育・研修制度の構築

人財育成と教育研修

帝人グループでは、「社員各自の自己啓発による主体的な研鑽」を促進・奨励し、「現場でのOJT」「配置・ローテーション」「教育研修」と連携して、体系的にグループ人財の育成を図っています。

人財育成と教育研修の基本的な考え方

人財育成の基本は、社員各自の自己啓発による主体的な研鑽を促進・奨励することにある。

  1. 1.現場でのOJT

    上司が日常業務を通じて部下を個別に育成・指導することにより、自己啓発・研鑽を促す手段。仕事に対する緊張感や、仕事の完成に向けてのプロセスを通じた充実感・達成感を与え、部下の成長を支援する。

  2. 2.配置・ローテーション

    個々人の能力開発・伸長の機会であり、さらなる自己啓発・研鑽を促す手段。上司は、部下の長所や個性を的確に把握するとともに、「自己申告」などの情報を踏まえて、適正な配置・ローテーションに努める。

  3. 3.教育研修

    経営ニーズと現在および将来の職務遂行に必要な要件を踏まえた内容を提供し、個々人の自己啓発・研鑽の契機となる機会を提供する「Off-JT」手段。上司は、部下を教育研修に積極的に派遣することにより、グループ内外社員との相互啓発、視野の拡大を図る。

コア人財研修への海外人財選抜数の増加

帝人グループでは、将来を担うコア人財の育成に向け、次のプログラムを実施しています。さらに、2015年度以降は、選抜要件や研修プログラム内容の抜本的な見直しを図り、海外ビジネススクール短期派遣やリベラルアーツ系研修を導入しています。

1)「STRETCHⅠ」、「STRETCHⅡ」

「STRETCH」とは「Strategic Executive Team Challenge」の略で、海外を含むグループ会社の社員を対象に行っている、グローバルな舞台で活躍できる人財を育てるグループコア人財育成プログラムです。
2019年度、「STRETCHⅠ」は部長相当前後対象に7人、「STRETCHⅡ」は課長相当前後を対象に18人が選抜研修に参加しました。

2)JuMP

「JuMP」とは「Junior Management Program」の略で、コア人財の候補者を育成する選抜研修です。3年のプログラムで構成されています。2017年度までの選抜対象は帝人(株)と国内グループ会社に在籍する日本人社員のみとしていましたが、2018年度から各国グループ会社の現地国籍社員にも範囲を拡大しました。
2019年度の新規選抜は34人で、内3人は海外グループ会社の社員でした。また選抜2年目の49人は、日本および海外コース合同で研修の最後に課題に対する提言を発表しました。

人財マネジメントのグローバル化対応

2009年より、人事・総務管掌配下に「コーポレート人事戦略部」を設置し、社員がグローバルに活躍するための人事制度や配置の仕組みを構築しています。
また、地域ごと(欧州、米国および中国)に人事の統括責任者を定め、グローバルベースの人事戦略・施策を実施しています。2019年度は、若手社員が海外グループ会社で実務を経験するとともに、国際感覚を磨き、人的ネットワークの構築ができるよう、新しい施策として、海外実務研修制度をスタートさせました。

リーダーシップ研修プログラム「EaGLES(イーグルス)」

EaGLES

「EaGLES」は、2011年度から実施しているグループ共通のリーダーシップ研修プログラムです。
すべての管理職が持つべきリーダーシップと帝人グループの価値観や経営方針、歴史などを身につけられる内容となっており、これらのスキル・知識を必要としている国内外全ての社員が、毎年順番に受講しています。
研修プログラムは、①e-ラーニング(日本語・英語・中国語・タイ語)、②世界5地域(日本・EU・米国・中国・タイ)での集合研修、③学習成果測定、の3ステップ構成となっており、海外で集合研修を実施する際には、帝人(株)の各地域の代表が参加する懇親会が開催され、貴重な交流の場になっています。
2019年度は日本とEUとで開催し、日本では42人、EUでは14人が受講しました。2020年度以降も継続して実施する予定です。

ビジネスのグローバル化に対応する研修

新卒社員海外研修

国内グループ主要3社(帝人、帝人フロンティア、インフォコム)の新卒採用社員全員を、新興国に派遣しています。2011年度の中国・インド派遣をはじめ、2013年度からはインドネシア、2014年度からはベトナム、2016年度からはタイを派遣先に追加しました。企業・官公庁への訪問や現地の同世代優秀人材との討議・フィールドワークなどを通じ、多様な文化に触れることでグローバル化への意識を高めています。
2020年はコロナウイルス感染症拡大防止のため中止しました。再開については状況を見ながら判断していきます。

帝人グループの教育研修制度と配置・異動に関するしくみ

帝人グループの教育研修制度と配置・異動に関するしくみ
  1. *1サクセションプラン:事業継続の視点から、主要ポストの後継者を育成するプラン。
  2. *2STRETCH:Strategic Executive Team Challenge、管理職向けのグループコア人財育成プログラム。
  3. *3JuMP:Junior Management Program、将来の幹部を目指す中堅社員向けリーダー育成プログラム。
  4. *4SDP:Speciality Development Program、総合職向け営業・技術・スタッフの専門能力教育プログラム。
  5. *5ジョブチャレンジ制度:人財のグループ内公募制度。グループ会社直属上司の許可をとらずに応募が可能で、決定すれば上司は覆すことができない。

ワーク・ライフ・バランス施策の推進

ワーク・ライフ・バランスのための制度見直し

帝人(株)では、ワーク・ライフ・バランスの推進を強化するため、2014年10月に「配偶者海外転勤同行休職制度」を導入し、配偶者の海外転勤に同行する場合は3年間の休職ができるようにしています。2020年6月末までに、20人が利用し、10人が復職しています。

みんなの仕事と育児両立ハンドブック

2018年4月には、「みんなの仕事と育児両立ハンドブック」を作成しました。出産した当事者だけでなく、支えるパートナー、仕事と育児を両立する部下を持つ上司、チームメンバーなど全員がお互いを理解し、支えあう職場環境づくりが進んでいます。

厚生労働省の調査では日本人の2人に1人が生涯のうちでがんに罹患しています。今後は、社員自身が病気に罹患した際の、仕事と病気治療の両立のための施策の導入を検討していきます。

実労働時間の短縮

国内グループ会社では、従来から時間外労働の事前申請やノー残業デーの徹底に取り組んでいます。

2019年度の国内グループ主要4社*の時間外労働時間数は1ヵ月当たり14.0時間保証対象指標(2018年度より0.7時間増加)、年次有給休暇取得率は77%保証対象指標(2018年度より1ポイント減少)でした。2020年度は、さらに実労働時間の短縮を目指し、改善を進めていきます。

「適正な労働時間の実現」に当たっては、まず、ITツールや外部コンサルタントなどを活用して業務の棚卸や見える化を進め、業務の抜本的見直し(IT活用、会議効率化など)をはじめとする「メリハリのある適正な労働時間の実現(長時間労働の是正)」に向けた対応に注力しています。現在はPCログを参考に労働時間を把握しているほか、業務のRPA化(ロボットによる業務自動化)やチャットボットの導入など、IT活用を進めて業務自体の削減と効率化を進めています。

国内帝人グループでは、2020年度末までに達成すべき適正な労働時間の目標として「全社員が年間総実労働時間2,000時間以下、年間年次有給休暇取得10日以上」を掲げています。2019年4月施行の改正労働基準法によって有給休暇5日取得が義務化されましたが、この目標達成に向けた取り組みの中で適切に対応しています。

  • *国内グループ主要4社:帝人(株)、帝人ファーマ(株)、帝人フロンティア(株)、インフォコム(株)

仕事と介護の両立

介護休職制度関連のウェブサイト

今後、団塊世代が後期高齢者の年齢に到達していくにつれ、仕事と介護を両立する社員の増加が予想されます。
2019年度は帝人(株)、帝人ファーマ(株)の全社員を対象にアンケート調査を実施し、社員の状況や介護制度への理解度、介護の可能性に備えた準備の有無などを把握したほか、家族と一緒に参加できる介護のウェブセミナー、カードゲーム方式で学べる介護のワークショップを開催しました。
また、帝人グループ共通のイントラネットには、随時「仕事と介護の両立」に向けた準備や制度の利用方法などを具体的に掲載しているほか、外部の専門家につながる「介護相談デスク」も設けています。

介護は、突然やってくることもあります。今後も、介護に対する備えに重点を置き、セミナー開催などを通じて、介護と仕事との両立を支援していきます。

育児休職取得促進

国内グループ会社では、妊娠中や産休前後の女性社員への対応マニュアルを作成し、上司の理解と円滑なコミュニケーションを促しているほか、男性社員の育児休職取得を促進するため、「次世代育成支援対策推進法(改正次世代法)に基づく行動計画」に、育児休職取得を促進する啓発活動などを盛り込み、実践しています。例えば、毎月、育児休職取得該当男性社員とその上司向けに個別にメールを送り、取得方法などを案内することで、育児休職を取得しやすい環境づくりを行っています。

2019年度に国内グループ主要4社で育児休職を取得した者は196人でした。そのうち、男性社員の取得者は64人で、取り組みを始める前の3倍に増加しました。今後も、子どもを持つ前から育児休職取得の計画が立てられるように啓発活動を継続し、男性社員が気軽に長期の育児休職を取得できる職場風土づくりに努めます。

育児休職取得者数の推移保証対象指標

育児休職取得者数の推移
  • 国内グループ*主要4社:帝人(株)、帝人ファーマ(株)、帝人フロンティア(株)、インフォコム(株)

介護休職制度

国内グループ主要4社のうち3社では、1対象者1事由につき最大730日間の介護休職制度を取得できる制度を設けています(分割取得可)。これは、「育児・介護休業法」で定められた休業期間の「延べ93日」を大きく上回っています。
また、介護短時間勤務、勤務開始・終了時間の調整などは、介護が必要な期間中ずっと利用できます。

2019年度の国内グループ主要4社を合わせた介護休職制度利用者数は3人保証対象指標、介護短時間勤務制度利用者数は4人でした。

今後団塊ジュニアの世代が後期高齢者世代となっていくため、仕事と介護の両立をする現役世代の増加が予想されます。今後も意識啓発のためのセミナーを継続的に開催し、ワーク・ライフ・バランスのとれた企業風土の醸成に努めていきます。

ボランティア休職制度

帝人グループはボランティア活動促進の観点から、帝人(株)および帝人ファーマ(株)で有給のボランティア休職制度を導入しています。2020年3月末現在、ボランティア休職中の社員は11人です。

帝人グループ労務管理実態の把握

帝人グループでは、グループ各社の労務管理状況を定期的に調査しています。グループ各社の労務管理上の課題を把握し、特に労働CSRの観点から必要な施策を実施しています。調査の対象は、国内51、海外19のグループ会社であり、労働CSR指標(基礎指標)についての調査書を送付し、毎年、回答を集めています。

また、労働関係法規の変更があった場合などは、すべての国内グループ会社に対して、労務管理状況や就業規則、人事制度に関する調査を随時実施しています。

調査内容項目(国内グループ会社)

労働CSR指標(基礎指標)--毎年実施

  1. (1)在籍人員(職位別/性別)
  2. (2)平均勤続年数・平均年齢
  3. (3)採用人員(職位別/性別/新卒・キャリア別/事務系・技術系別)
  4. (4)退職人員(職位別/事由別)
  5. (5)定年後再雇用実績(職位別)
  6. (6)役員人員(性別)
  7. (7)有期雇用人員
  8. (8)時間外労働時間(月あたり)
  9. (9)年次休取得率/日数
  10. (10)育児休職/育児短時間勤務利用実績
  11. (11)介護休職/介護短時間勤務利用実績

労務管理実態--随時実施
法対応

  1. (1)高齢者雇用
  2. (2)労働時間
  3. (3)派遣・請負
  4. (4)母性保護・育児
  5. (5)介護・看護
  6. (6)雇用機会均等

労務施策

  1. (1)ワーク・ライフ・バランス(時間外労働時間/年次・有給休暇取得率/フレックスタイム制度の導入状況など)
  2. (2)退職金制度
  3. (3)ダイバーシティ推進状況
  4. (4)採用・教育
  5. (5)福利厚生制度(社宅・寮/その他課題)
  6. (6)その他課題(現在課題として認識しており支援を希望する内容ほか)
調査内容項目(海外グループ会社)

労働CSR指標(基礎指標)のうち以下について調査

  1. (1)在籍人員(職位別/性別)
  2. (2)平均勤続年数・平均年齢
  3. (3)採用人員
  4. (4)退職人員

配置・異動

帝人グループは、「人財需要に応じたグループ全体での人財の適材適所活用」と「社員の適性・意思をより反映した異動」を目指し、さまざまな制度を設けています。

人事異動では、客観的で透明性の高い異動を実現するための「年間人事計画」を、国内外のグループ会社で策定。国内グループ会社では、自己申告制度も備え、本人の意向を尊重した配置・異動となるように努めています。加えて、グループ内公募制度(ジョブチャレンジ制度)を1988年に日本企業としていち早く制定し、2019年度はこの制度を用いて13人が異動しました。
現在、これらの制度は帝人(株)などの国内の主要グループ会社においてのみ運用していますが、今後は海外のグループ会社においても各国の法令・雇用慣行などを踏まえて導入を検討していきます。

また、2018年1月から「FA(フリーエージェント)制度」を導入し、社員本人が自身の能力・経験などを希望する異動先事業に開示し、異動先事業の選考を受けられるようにし、2019年度はこの制度を用いて11人が異動しました。

このほか、国内外のグループ会社の社員で「STRETCH」に選抜された人財には、事業部や国境を越えた異動が計画的に実施されています。

また、国内グループ会社では、正社員以外(契約社員・派遣社員)の人員配置状況も毎年調査しています。2019年度の調査対象は国内グループ31社でした。

健全な労使関係の維持

帝人グループでは、労働組合を重要なステークホルダーと位置付け、健全な労使関係の維持と関係強化に努めています。また、労使関係の基本である「事前協議の徹底と相互理解」を重視しています。

労使会議に関しては、帝人(株)では包括労働協約において、会社、組合いずれか一方の申し出により開催できると定めており、これを遵守しています。

国内グループ会社については、役員・管理職などを除く社員が労働組合に加入しています。経営層と主な労働組合の役員が一堂に会する「グループ労使経営協議会」や適宜開催される労使委員会などで、事業全般に関する意見交換や職場環境の改善に向けた話し合いを行っています。

帝人(株)、帝人ファーマ(株)と帝人労働組合(帝人グループで最大の労働組合)の労働協約 前文

帝人(株)、帝人ファーマ(株)と帝人労働組合とは、相互にその地位を尊重し、相協力して事業の健全なる発展と組合員の福祉を図り、産業平和を確立する目的をもってここに労働協約を締結し、双方誠意をもってこれを遵守することを確約する

これまでの取り組みでは、ワーク・ライフ・バランス推進のための制度拡充において、「時間単位の年次有給休暇制度」「育児短時間勤務の分割取得」を労使共同で推進したほか、ノー残業デーの職場内巡視を労使が協力して継続的に実施してきました。

2019年度は、「適正な労働時間の実現」に向けて、勤務間インターバルに関するガイドラインを導入した他、働き方の柔軟性を高めるため、実施事由を問わず活用可能なテレワーク制度を導入しました。このテレワーク制度の導入が、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた在宅勤務への移行を行う上で、結果として非常に有効なものとなりました。

海外グループ会社では、オランダのTeijin Aramid B.V.やドイツのTeijin Carbon Europe GmbHで、会社と従業員の代表がより良い職場環境の実現に向けて話し合う「ワークカウンシル(労使協議会)」を設置しています。