社会貢献
帝人グループ共通の社会貢献活動を展開するとともに、事業グループや事業所の個性を生かした社会貢献活動を行っています。
帝人グループは、帝人グループのサステナビリティ取り組み方針のもと、社会貢献基本方針を定めています。
帝人グループの社会貢献活動推進体系
帝人グループは、社会貢献基本方針に基づき「学術・教育」「健康・スポーツ活動」「環境保全活動」「被災地支援」の観点から、事業グループや事業所ごとに社会貢献活動を推進しています。
また、サステナビリティ推進部が中心となって、社員が気軽に取り組めるグループ横断的な社会貢献プログラムを提案するほか、ボランティア活動を支援しています。これらの取り組みを通じて、主体的に社会貢献活動に参加し、推進できる人財を育成しています。
2022年度の社会貢献活動支出実績
2003年度に日本経団連の1%クラブに登録して以降、経常利益の1%以上を目標として社会貢献費用に充てています。2022年度の社会貢献活動支出は約3.9億円で、経常利益の4.2%でした。
2022年度社会貢献活動支出実績
2022年度社会貢献活動支出実績内訳
項目 | 内容 | 金額(百万円) |
---|---|---|
金銭 | 社会貢献活動に関わる寄付金および経費として支出したもの | 262 |
現物寄付 | 自社製品の社会福祉団体への提供など、現物で提供したもの | 17 |
施設開放 | 体育館やグラウンドの一般開放など、自社施設の開放・提供に関わる経費 | 28 |
社員の参加・派遣 | 社員が業務の一環として地域行事に参加する、講演会での講師を務めるなど、 勤務時間内に社会貢献に類する活動に参加した社員の人件費など |
79 |
合計 | 386 |
- *国内外グループ会社実績、日本経済団体連合会「2018年度社会貢献活動実績調査実施要領」に準拠。
地域コミュニティ発展への支援
学術・教育
日本および中国での奨学金制度
帝人グループは、日本における化学繊維工業のパイオニアである久村清太氏の偉業を称え、独創的な研究開発精神の継承発展と、国家・社会の発展と文化創造に貢献する若き科学技術者の育成を目的として、1953年に「帝人久村奨学金」を創設しました(2011年より「(公財)帝人奨学会」に改組)。企業が設立・運営する奨学会制度としては、日本で最も歴史のある団体の一つであり、約70年にわたり約1,700人の理工系学生を支援しています。
「南通帝人愛心慈善助学基金」の創設
帝人グループの中国におけるテキスタイル製造・販売拠点である南通帝人有限公司は、2014年4月に江蘇省南通地区の中学・高校・大学に通う学生を対象とする奨学基金「南通帝人愛心慈善助学基金」を創設しました。
この基金は、南通地区への貢献と、同地区の学生への経済的助成を目的としたもので、一般企業名を冠した南通開発区初の基金となります。2022年度は「南通開発区慈善教育基金奨学・助学金」に対し、1.8万元の支援を行いました。
「科学の甲子園 全国大会」に協賛
科学の甲子園は、産官学一体となった科学技術系人材の育成を目的に国立研究開発法人科学技術振興機構が2011年度に創設したものです。
帝人グループは、2011年度より高校生向けの「科学の甲子園」と2013年度から新たに創設された中学生向けの「科学の甲子園ジュニア」に協賛しています。女子3名以上を含むチームのうち総合成績最上位であったチームに対して特別賞として、「帝人賞」を授与しています。
中学生向け「科学の甲子園 ジュニア全国大会」は2022年12月に開催され、高校生向け「科学の甲子園 全国大会」は2023年3月に開催されました。 高校生向けの大会では、神奈川県代表チームが優勝し、岩手県代表チームに対して「帝人賞」が授与されました。2022年の高校生向け「科学の甲子園 全国大会」はコロナ禍により筆記競技のみの分散開催となりましたが、2023年は全国の代表校が一堂に会し、実技競技を含めたすべての競技が行われました。
スポーツ活動
「全国高校サッカー選手権大会」に協賛
帝人グループは、企業理念である「Quality of Lifeの向上」「社会と共に成長します」に基づき、「アマチュアスポーツ支援」「青少年のスポーツ支援」といった社会貢献を目的に、1991年より「全国高校サッカー選手権大会」に協賛しています。
各都道府県の代表校には、人工皮革「コードレ®」を使用したサッカーボールの寄贈も行っています。
東南アジアのサッカー少年少女の夢をサポート
Teijin Polyester(Thailand)は、2012年から一般社団法人Japan Dream Football Association(JDFA)のオフィシャルスポンサーをしています。JDFAは、ガンバ大阪の元キャプテンである木場昌雄さんが2011年に設立した組織で、東南アジア諸国におけるサッカークリニック開催などの活動を通じて、未来ある子どもたちに夢を与えるとともに、日本とアジアのサッカーの発展を目指しています。
環境
「みどりの小道」環境日記事業に協賛
帝人グループは、(一財)グリーンクロスジャパンが、全国の小学生児童を対象として実施している環境教育、「みどりの小道」環境日記プロジェクトに協賛しています。
これは、12週間にわたって環境に関する日記をつけ、環境の重要性を再認識してもらおうというものです。2022年度は、約10万冊を全国の小学校などへ配布しました。日記には、帝人グループの取り組みとして、使用済み漁網のマテリアルリサイクルの「RE:isum」を紹介しました。また、2021年に引き続き環境日記コンテストが実施され、114団体4,120作品の応募がありました。コロナ禍のため表彰式は中止となりましたが、受賞者には表彰状が発送されました。
「エコプロ2022~環境問題とSDGsに向き合い持続可能な社会へ」に出展
帝人グループは、国内最大級の環境展示会である「エコプロ2022」に出展し、環境問題提起と問題解決に向けた素材、製品、取り組みなどを紹介しました。
使用済みポリエステル製漁網のリサイクル実現に向け、帝人含め企業11社からなるチーム「Team Re:ism (チーム リズム)」の取り組みを展示しました。
ボランティア人財の育成
グループ横断的活動
ボランティアサポートプログラムの推進
2011年6月、「ボランティアサポートプログラム」を創設しました。このプログラムは、国内グループ社員が取り組むボランティア活動の中から運営委員会が支援先を選定し、社員・役員有志や会社の寄付などからなる「帝人グループ社会貢献基金」を通じて活動費用を一部サポートするというものです。
2022年度は、下記8カ所の非営利団体に活動資金を寄付しました。
- 「ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」(10万円)
- 「熱気球クラブ十勝空旅団」(10万円)
- 「マリモでくしろを盛り上げ隊」(10万円)
- 「特定非営利活動法人 子どもへのまなざし」(10万円)
- 「特定非営利活動法人 松山自殺防止センター」(10万円)
- 「日野の自然を守る会」(10万円)
- 「テイジンサッカースクール」(10万円)
- 「公益社団法人 大阪自然環境保全協会」(10万円)
「絵本を贈る活動 ~book dream project~」を実施
国内グループ社員から提供された不要になった物品を換金して日本の絵本を購入し、外国の図書館等に寄贈する「ブック・ドリーム・プロジェクト」を2008年度から継続して行っています。寄贈に当たっては、現地の言語に翻訳した訳語シールを社員有志がボランティアで絵本に貼り付け完成させています。
2022年度はインドネシアの図書館、養護施設や学校・幼稚園の図書室に51冊を寄贈しました。また、「シーカー・アジア財団」が行うタイの移動図書館活動に換金額のうち51,182円を寄付しました。
被災地支援・人道支援
東日本大震災被災地への継続支援
東日本大震災の被災地に対して、義援金や毛布・マスクなど生活支援物資の提供、および酸素ボンベや酸素濃縮装置など在宅医療機器の無償提供など、総額5億円以上の支援を行ってきました。
また、事業活動を通じて、継続的な復興支援にも取り組んでいます。 IT事業グループのインフォコム(株)は、2013年、宮城県岩沼市に多目的施設の岩沼「みんなの家」を開設し、ITを活用した農業の復興支援と、復興支援を継続するための事業の創出を行っています。被災農家による産地直売や、産直野菜を使った6次産業化商品の開発にも取り組んでいます。
自然災害による被災地への支援事例
帝人グループでは、自然災害によって被災された皆様の支援や被災地の復興に役立てていただくことを目的に、寄付や製品の無償提供を行っています。
- <日本での主な支援>
- 帝人(株)は、2020年7月20日に「令和2年7月豪雨」の被災地支援として、総額300万円の義援金を寄付しました。
グループ会社では、帝人ヘルスケア(株)が「令和2年7月豪雨」にて、患者の安全確保を最優先に、安否確認、ボンベ配送、酸素濃縮装置などの設置を行いました。また、2021年2月13日に発生した「福島県沖地震M7.1」においても、新型コロナウイルスの感染拡⼤が懸念される中、患者の安全を最優先し、早期に安否確認完了の上、緊急対応支援を実施しました。
- <海外での主な支援>
- 帝人グループのTeijin Automotive Technologies 社 では、2021年12月に米6州で発生した竜巻の災害支援として、被害の大きかったケンタッキー州にある施設(Indiana Dream Center)へ200ドルの食料品と洗面用具、700ドルの義援金を寄付しました。
帝人(株)は、2020年7月に貨物船「WAKASHIO(わかしお)」がインド洋のモーリシャス島沖で座礁したことにより流出した燃料油の除去作業を支援するため、高性能油吸着材「オルソーブ」500㎏(油吸着量約10トン分)を、現地で環境回復に取り組む(株)商船三井を通じて、モーリシャス共和国政府へ寄贈しました。
ウクライナへの人道支援
帝人グループは、ウクライナへの人道支援として、グループ全体で4,000万円を上限とする寄付を行うこととしました。これをもとに、帝人(株)は、国連児童基金(UNICEF)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)にそれぞれ500万円の寄付、テイジン・アラミド社(オランダ)は、オランダ国内の財団を通じた 35,000ユーロの寄付を行うなど、日本や欧州などを拠点とするグループ会社が支援を実施しています。
Teijin Automotive Technologies 社 では、直接雇用するウクライナ人従業員を対象に、避難家族の日常生活や住居費に対する経済的支援を行っています。Teijin Carbon Europe社やZiegler社では、避難してきた避難民に衣類、寝袋、医薬品などを提供しています。このほかにも順次、支援を継続していく予定です。