保安防災・労働安全活動
「安全をすべてに優先させる」ことを基本とし、災害ゼロ、事故ゼロを目指しています。
保安防災活動
防災管理の推進体制
帝人グループでは、すべてのグループ会社に共通の防災管理規則を定めています。防災に関する各種ガイドラインに基づいて防災診断や地震対策、火災予防などの災害防止対策を講じるほか、防災教育や防災訓練、防火設備の強化などを計画し、実践しています。
防災活動の実践および成果は、事業所ならびに事業本部ごとに管理しており、不適合がある場合は改善指導を行っています。また、その指導結果については、年度末にサステナビリティ管掌が監査しています。
防災診断の実施
帝人グループでは、自主基準に基づく「防災診断」(1980年から)と「ミニ防災診断」(2008年から)を実施しています。
アラミド事業では、「プロセスセーフティーマネジメント(PSM)」を日本、アジアのTeijin Aramidに属する化学プラントへ展開しています。
2022年度は、樹脂事業本部の一部の工場に「PSM」の導入を図りました。
「防災診断」および「PSM」は、グループ内で多量の化学物質を取り扱う15プラントを対象に実施。それぞれに所属する製造、設備、ESHの専門家が5年周期で安全性を診断しています。2022年度は、「防災診断」を2プラント、「PSM」を1プラントで実施しました。
「ミニ防災診断」では、危険物貯蔵所や可燃物置場、ボイラーなど小規模な火災危険場所(25事業所)を対象に、防火を主眼とした5年周期の診断をしています。2022年度は、6事業所内の20の危険場所で実施しました。
防災診断件数の推移
そのほかの重大事故ゼロを目指した活動
「重大事故」と位置付けている爆発・火災、有害物質の外部漏えい・流出などの災害ゼロを目指し、化学プラントと動力プラントの防災診断や教育・訓練の実施など、さまざまな防災強化施策を実施しています。2022年度は、Teijin AramidのDelfzijl工場にて火災事故が1件発生し、人的被害はなかったものの設備被害により生産に大きな影響を及ぼしました。
重大事故発生件数の推移
防災診断や教育・訓練の実施など、さまざまな防災強化施策を継続して実施しています。
- *重大事故とは、爆発事故や火災事故、危険物や有害物質の漏えい及び流出等を伴う事故であって、人的被害(休業災害)が発生した事故、地域社会に影響を与えた事故または社外の本格的支援を伴う事故をいう。
- *事故件数については、1月~12月で算出しています
防火活動
2008年より、「帝人グループ防火の日」である11月10日に、定期防火点検などの帝人グループ共通の活動や、グループ会社独自の防火活動を実施しています。これらの活動は帝人グループ内で共有し、防火体制の強化に役立てています。
防災訓練(避難訓練)
2011年3月11日に発生した東日本大地震を契機に、自然災害発生時の避難訓練を継続実施しています。訓練後に反省会を実施することにより、地震対応マニュアルの改善に努めています。
2022年度も国内の事業所にて避難訓練(机上訓練を含む)を実施しました。
労働安全活動
労働安全推進体制
労働安全衛生マネジメントシステムの適合証明取得
帝人グループは、作業リスクを低減するため、製造・加工事業所を対象に労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001・安全生産標準化)の適合証明取得を進めています。
2023年3月末時点で、取得推奨事業所のうち70%にあたる合計38の事業所・工場が認証を取得しています。
国内 (11社、17事業所・工場) |
帝人(岩国、松山、三島、揖斐川、三原) 帝人フロンティア(松山、揖斐川) ユニセル(岩国) 帝人テディ(松山) 広島プラスチック(広島) 帝人エコ・サイエンス(松山) 帝人ファーマ(岩国) 帝人興産(愛媛) 東邦化工建設(三島・徳島) 東邦機械工業(徳島) インフォコム西日本(松山) |
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海外 (15社、21事業所・工場) |
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- *安全生産標準化
労働安全推進活動
労働安全の確保に向けた「安全活動3本柱」の推進
労働災害を未然に防止する手段として、帝人グループでは、「5S活動」(整理・整頓・清掃・清潔・躾)、事故にはならなかったものの“ヒヤリ”としたり“ハッ”とした経験を共有する「ヒヤリハット活動」、そして「安全巡視」を安全活動3本柱として位置付けており、日本発のこれらの活動は帝人グループ共通の活動として海外グループ会社も含め展開しています。
これらの活動から得た情報を活用し、個人の危険感受性向上、職場のコミュニケーション向上を図り、帝人グループにおける労働災害の撲滅を目指しています。
また、安全衛生委員会などの法定の会議体、ESH推進委員会などの独自の活動により情報共有と協議を行い、職場の安全確保および安全活動のレベルアップを図っています。
休業災害防止に向けた取り組み
2022年度(4月~3月)は、2件の回転体休業災害が発生しました。
重篤な災害になる可能性が高い、回転体への巻き込まれ災害(回転体災害)の防止は重点課題として取り組んでおり、詳細な発生状況の確認、多角的な視点での原因の究明、より具体的で有効な再発防止に努めています。教育においては、国内を対象として、機械安全に関する教育講座を実施し、回転体災害防止対策の考え方・基準の周知徹底を図っています。設備対策では、海外も含めたグループ内の機械安全の推進状況を定期的に確認し、仮に人間の作業ミスがあっても災害発生に至らない安全な設備を目指して活動しています。
2023年度は、依然として休業災害の大半を占める作業・行動に起因する災害発生を抑制するため、VR技術を活用した危険認知向上・危険感受性向上への対策や、BBS(Behavior based Safety)に基づく安全行動への意識付けを行うとともに、特に作業経験の浅い未熟練者への対策に取り組んでおり、海外事業への展開も進めています。
また、グループの事業所内で発生した請負企業の休業災害に対しても、報告を受けて内容を把握し、請負企業の安全確保に対する取り組みを支援・推進しています。
グループ内での労働災害情報共有と災害発生時の対応
帝人グループ内で発生した休業を伴う労働災害の情報は、すべてイントラネットで公開し、同種や類似の災害再発防止に役立てています。
特に、災害発生状況や原因が「ESH監査規則」に定める「特別監査」の要件に該当した場合は、その事象の内容に応じて本社または事業本部にて特別監査を実施し、現地で要因と状況を把握した上で、再発防止対策の進捗や改善点の有無を確認しています。
2022年度(4月~3月)に発生した回転体休業災害1件については、事業本部による特別監査の対象とし、同様な災害の再発防止対策を徹底します。
労働災害発生状況
2022年(1月~12月)は、社員および請負社員において死亡労働災害の発生はありませんでした(請負社員含め過去5年間死亡災害ゼロ)。
2022年(1月~12月)の全労働災害度数率*は1.35(国内0.86)となり、目標の「1.0以下」を達成することができませんでした。
- *全労働災害度数率は、100万労働時間当たりの従業員休業と従業員不休業の全災害者数を示す(1月~12月で算出)。従業員は、社員、嘱託、パート、派遣社員を含む。
2022年より保証対象
休業災害度数率及び全労働災害度数率
- *休業災害度数率は、100万労働時間当たりの休業災害者数を示す(1月~12月で算出)
- *全労働災害度数率は、100万労働時間当たりの従業員休業と従業員不休業の全災害者数を示す(1月~12月で算出)。従業員は、社員、嘱託、パート、派遣社員を含む。
2022年より保証対象 - *2024年1月に全労働災害度数率の2021年度数値を修正