INTERVIEW

技術系
ライフサイエンス分野の
製品開発で知った、
「ここまで1人でできるんだ」
という驚き。
素材研究開発・生産技術職
2015年入社
農学研究科 応用生命科学 専攻

どこよりもリラックスできた面接。

テイジンを選んだ理由を教えてください。

製薬業界を中心に就活を進める中で、医薬とマテリアルの両方を手がけているテイジンなら、新しいものづくりができそうだと思ったのが受験のきっかけです。ただ、決定打になったのは社風ですね。

どんなところに社風のよさを感じたのでしょう。

私、面接が嫌いだったんです(笑)。自分がどれだけすごいかを、たくさんの面接官の前でアピールするのが本当に苦手で……。それなのに、テイジンの一次面接にはとてもリラックスして臨めました。大学での研究を紹介して面接官の質疑を受けるのですが、「研究、がんばってるんですね」と自然な言葉をかけてもらえて、私も楽しく話せたことを覚えています。社風と自分の性格が合っていたんでしょうね。

ウイルス濃縮による判定精度の向上を、もっと手軽に。

お仕事内容を教えてください。

入社以来、高機能メンブレン(多孔質膜)「ミライム®」のライフサイエンス用途での開発に携わっています。メンブレンはその名の通り、ナノレベルの微細な孔を無数に持つ膜のことです。これまで「ミライム®」は、半導体の製造に使われるろ過フィルターなどの材料として販売されてきました。それを、ウイルス濃縮膜・濃縮器として製品化するというテーマに取り組んでいます。今は試作品による検証に目処がつき、量産化に向かうフェーズです。

どのような仕組みでウイルスを濃縮するのですか?

ろ過フィルターと逆の仕組みです。ろ過の場合は不純物を除去して液を回収しますが、ウイルス濃縮の場合、液を減らして孔に引っかかったウイルスを回収します。ウイルスの濃度が低い感染初期の判定精度を上げられますし、これまでは判定が困難だった検体からも検査ができるようになる可能性があり、採取の苦痛を抑えることも期待できます。これまでの濃縮装置は大がかりで、大学の研究室でもなければ置きにくいものでした。その機能をもっと手軽に、一般の病院やクリニックでも使えるようにすることが狙いです。

想像していた以上の、大きな裁量。

どんなチームで取り組んでいるのですか?

ベンチャーと協働していますが、テイジンの開発主担当は私1人です。普通はもうちょっと人数がいるんじゃないかな、とも思うんですが(笑)。先日、この開発についてのプレスリリースがあったのですが、その広報資料に使われている画像も、私が作成・撮影したものです。こんなに大々的なものを1人でやらせてもらっていいのか、心配になるくらいですね(笑)。

開発で苦労したポイントはどこですか?

これまでの「ミライム®」は材料でしたが、今回は最終製品であることが大きく違いました。加工技術のノウハウも1から組み上げる必要があったんです。たとえば「ミライム®」は、もともと撥水性の高い材料です。半導体の製造に使う有機溶剤なら問題ないのですが、人体に由来する検体は水がほとんどですから、そのままでは弾かれてしまいます。その問題を後処理で解決するために、親水化の技術を持つメーカーを探して加工プロセスを準備し、サプライチェーンも整えました。多くの協力を得なければ進められないので、こちらの考えをしっかり伝えるためのコミュニケーションには気を配りましたね。その過程では、上司や先輩にもいろいろと助けてもらいました。

この開発を通じて、テイジンという企業の魅力をどう捉えましたか?

思っていたよりも任せていただけるな、と感じました。大きな裁量を持って仕事をしたいとは思っていましたが、予想以上だったと感じています。テイジンの企業力や組織力をベースにしながらも、仕事の進め方はほとんどベンチャーと言ってもいいのではないでしょうか。自分がすべてを手がけた製品だからこそ、世の中に出て、役に立つ嬉しさは格別なんだろうなと思います。

ONE DAY SCHEDULE

  • 8:00開発グループ内での業務打合せ
  • 8:10メール対応、データ整理
  • 13:00顧客と評価結果についてオンラインミーティング
  • 15:00メール対応、データ整理
  • 16:00開発グループでの相談、資料作成
  • 17:00退社