想像していた以上の、大きな裁量。
どんなチームで取り組んでいるのですか?
ベンチャーと協働していますが、テイジンの開発主担当は私1人です。普通はもうちょっと人数がいるんじゃないかな、とも思うんですが(笑)。先日、この開発についてのプレスリリースがあったのですが、その広報資料に使われている画像も、私が作成・撮影したものです。こんなに大々的なものを1人でやらせてもらっていいのか、心配になるくらいですね(笑)。
開発で苦労したポイントはどこですか?
これまでの「ミライム®」は材料でしたが、今回は最終製品であることが大きく違いました。加工技術のノウハウも1から組み上げる必要があったんです。たとえば「ミライム®」は、もともと撥水性の高い材料です。半導体の製造に使う有機溶剤なら問題ないのですが、人体に由来する検体は水がほとんどですから、そのままでは弾かれてしまいます。その問題を後処理で解決するために、親水化の技術を持つメーカーを探して加工プロセスを準備し、サプライチェーンも整えました。多くの協力を得なければ進められないので、こちらの考えをしっかり伝えるためのコミュニケーションには気を配りましたね。その過程では、上司や先輩にもいろいろと助けてもらいました。
この開発を通じて、テイジンという企業の魅力をどう捉えましたか?
思っていたよりも任せていただけるな、と感じました。大きな裁量を持って仕事をしたいとは思っていましたが、予想以上だったと感じています。テイジンの企業力や組織力をベースにしながらも、仕事の進め方はほとんどベンチャーと言ってもいいのではないでしょうか。自分がすべてを手がけた製品だからこそ、世の中に出て、役に立つ嬉しさは格別なんだろうなと思います。