INTERVIEW

技術系
変化を追うのではなく、つくる。
DXという、製造現場の未来へ。
プラントエンジニア職
2016年入社
理工学研究科 電気電子工学 専攻

インターンシップの収穫は「人柄」。

テイジンを選んだ理由を教えてください。

就活の時に「研究するなら大学に残ればいい。就職するなら、メーカーでスケールの大きなことを」という方針を立てました。そこから導き出した職種が設備系エンジニアです。中でも、材料や素材といった川上の製品を生み出し、広く社会に影響を与えられる化学系メーカーに狙いを定めました。最終的にテイジンを選んだ決め手はインターンシップですね。

インターンシップでどんな発見があったのでしょうか。

プログラムももちろん参考になりましたが、何と言っても、人柄や雰囲気に触れられたのがよかったですね。社員がこちらの意見に積極的に耳を傾け、プログラム中もしっかり見てくれているという実感があったんです。この会社なら充実した仕事ができそうだとイメージできました。

設備ではない。働き方をつくる。

現在のお仕事を教えてください。

アラミド繊維の製造設備を開発する部署に所属しています。部署としては設備、つまり機械をつくることが主な業務ですが、私はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進担当として、IT技術を駆使した生産プロセスの開発を手がけています。機械よりも、働き方そのものを変えていくという意味合いが強いですね。

具体的にはどんな取り組みですか。

たとえば、いわゆる「勘や経験」をデータとして収集し、可視化する試みがあります。原料の状態など、繊維の製造条件は毎日のように変わります。現場のスタッフは試作品からそれを割り出し、経験に照らし合わせてパラメータを調整した上で生産を行なっているんです。現場の高齢化が進み、しかも後継者が育たなければ、その技が失われてしまうかもしれない。けれど、条件ごとの最適なパラメータがわかれば、経験が浅くても同じことが再現できるようになります。まずは的確なデータ収集を行なってパラメータを突き止め、将来的にはAIによる自動化なども視野に入れて、繊維製造を変えていきたいと思っています。

意志がなければ、未来に行けない。

どんな苦労があるのでしょうか。

今ではなく、未来がテーマだという点ですね。現場の高齢化対策、事故発生リスクや人的ミスの低減など、DXは数多くの課題解決に役立つ可能性があります。一方、少なくとも今のところ、DXがなくても現場はちゃんと動いている。だからこそ必然性を理解されにくいですし、私自身、変化を生み出すのだという強い意志を持って取り組まなければ進まないんです。

その苦労にまつわるエピソードを教えてください。

入社2年目の話です。私は以前から、設備担当はもっと現場に密着するべきではないかと考えていました。設備担当の基本的なミッションは、現場から上がってきた課題に対応することです。しかし、現場で何が起こっていて、何が本当に求められているのかを踏み込んで知ることもないまま、真の課題解決はできないと感じたんです。組織改編を機にそのことを進言しましたが、周りは「そこまでやる必要があるのか」という雰囲気でした。

では、提案は受け入れられなかったのでしょうか。

いえ、そこがテイジンらしさかもしれませんが、止められはしませんでした(笑)。私の提案が一部受け入れられ、私は担当工場に駐在して業務を行うことになりました。DX推進に不可欠なのは、理想を描くだけではなく、それを現場のリアルとすり合わせて具体的なイメージに落とし込むプロセスです。現場密着型の業務が実現したことで、それが可能になったと思います。

意志を持ってやろうとすれば、実現するのですね。

そもそもDX推進について、会社が決めたゴールはないんです。だから私自身が決めなければならないですし、決めさせてもらえるとも言えますね(笑)。テーマが大きいだけに苦労も絶えませんが、私が事例を生み出せば、それがやがては横展開されていく期待もあります。また、アラミド事業はオランダにも巨大な生産拠点を持っていて、そちらの状況も吸い上げながら将来を描いています。IT化とグローバル化という、2つの大きな変化の中で仕事できていることが、技術者としての私の未来にもつながってくれるとうれしいですね。

ONE DAY SCHEDULE

  • 8:00出社、メールチェック、スケジュールの確認
  • 9:00工場の設備改造について、施工企業との打ち合わせと現場説明
  • 10:00データ解析と今後の実験・検討計画資料作成
  • 12:00昼食
  • 13:00本社データ解析チームとのオンラインミーティング
  • 14:00外部企業との打ち合わせによる新技術/新製品情報収集
  • 15:00新規設備検討・設計
  • 18:00退社