INTERVIEW

技術系
新しい治療法は、
新しい臨床試験から始まる。
平田 真之
帝人ファーマ株式会社
医薬開発・生産部門 医薬開発推進部
2007年入社
生命農学研究科 応用生命科学 専攻

使う人の近くで、医薬品を生み出す。

テイジンを選んだ理由を教えてください。

大学院での研究よりも、より医療の現場に近いところで医薬品を開発したいと考えました。臨床開発の募集がある企業をいくつか受けたのですが、そのうちの1社がテイジンです。社員の印象がとてもよかったことを覚えていますね。面接では、緊張している私からどうにかして話を引き出そうとしてくれているのが伝わってきました。ここなら無用なプレッシャーをかけられることもなく、仕事に打ち込めそうだと感じました。

入社後は、一貫して臨床開発に携わっているんですね。

はい。医薬品の候補物質を同意を得た患者さんに投与し、安全性や有効性を評価する治験に関わり続けています。ただ、役割は少しずつ変化していますね。入社からしばらくは、医療機関に赴いて治験の実行状況をチェックしたり、計画書や報告書を作成したりするのが主な業務でした。入社10年目を迎えて米国に赴任し、現地における臨床試験のマネジメントを担当しました。帰国してからは臨床開発のプロジェクトマネージャー補佐を勤めるほか、プロジェクトマネジメントの水準を社内で統一するための制度やツールの整備も担当しています。

米国で、異文化との協働へ。

米国に赴任した経緯を教えてください。

入社から10年が経ち、臨床試験の全体像がだいたい掴めて、できることも増えてきた時期でした。だからこそ、新しい何かに挑戦するべきタイミングではないかと考えていたんです。ちょうどその頃、医薬品の海外進出を加速させるために、現地での治験に積極的にトライしようという動きがありました。これはいい機会だと思い、自分から手を挙げました。

当時、テイジンでは前例の少ない海外での治験。どんな苦労がありましたか?

特に苦労したのが、現地の医薬品開発受託機関(CRO)との協働ですね。日本とは文化や慣習が大きく違い、そのギャップをなかなか埋めることができなかったんです。たとえば「プラン」という言葉の捉え方。日本の場合、あらゆる事態を想定しながら石橋を叩くように策定し、よほどのことがなければ揺るがないものがプランです。けれど米国におけるプランとは、あくまでも現時点の想定に基づく計画に過ぎず、想定外のことが起きたら柔軟に変えればいいじゃないか、というスタンスです。その事情を知らない日本側にとっては「最初に決めたはずのスケジュールや予算が、なぜ何度も変わるんだ」といった不信感にもつながりかねません。

その課題をどう解決しましたか?

社内で経験の少ない課題ですから、解決のノウハウがありません。そこで、米国に進出している日本企業の集会に出向き、同じ悩みを抱えた人たちとオープンに語り合うことで解決策を少しずつ見出していきました。その中でCROでの勤務経験があり、日本にも詳しい現地コンサルタントと出会えたのは大きな収穫でしたね。そのコンサルタントから米国CROのやり方を改めて学び、効果的なコミュニケーション方法をレクチャーしてもらうことでチームワークがかなり改善しました。こういったノウハウを会社としても蓄積できたところに、米国赴任の大きな意義があったと感じています。

より高い視点で、新しい治療の開発を。

今後、挑戦してみたいことを教えてください。

米国赴任もそうですが、「やってみたい」と手を挙げれば任せられる環境のおかげで、期待通りの経験を重ねてくることができたと思っています。その経験を活かして、今後はプロジェクトマネージャーとしてプロジェクト全体を動かしていけるようになりたいです。臨床開発の最大のやりがいは、自分の仕事が新しい治療法の開発につながり、苦しむ患者さんを救える可能性があることです。その中で多くの課題を解決しながら、科学的妥当性と実行可能性を両立していくことに面白みがあると思っています。より高い視点で幅広い課題を調整しながらプロジェクトを進めることで、そのやりがいや面白みをさらに感じてみたいと思います。また、いずれは再び海外へ、という思いも持っています。じつは今も、オンラインで英会話を学び続けているんです。

ONE DAY SCHEDULE

  • 7:30急ぎのメール返信
  • 8:00プロジェクト計画書の検討・作成
  • 10:00社内チームのオンラインミーティング
  • 13:00会議資料作成、レポート作成
  • 15:00治験委託先との打ち合わせ(治験の進捗・課題の共有、解決策の検討)
  • 17:00業務整理、翌日の準備
  • 17:30オンライン英会話、オンラインのセミナー参加など